ライター
桃(Momo) フリーライター

書く人・エッセイスト。アメリカ・イギリスでの短期語学留学、ヨーロッパ鉄道周遊ひとり旅など経て、新卒でベンチャーの旅行会社に就職。現在は複数メディアにてフリーのライター兼編集者。趣味は英語で、映画は洋画を中心に年間150本を鑑賞。渡航国数は23ヶ国。

大学入学前に初めてスイスへひとり旅をし、その後の人生が大きく変わったライターの桃(@XxPeach)です。改めまして、入学おめでとうございます!これまでの生活とは大きく変わり、ワクワクしている反面、不安なこともたくさんあるかと思います。授業、教授、自由時間など、自分ですべてを決める必要があり、グッと責任も重くなるでしょう。

大学は社会に出て働く前の大切な時間です。この4年間の行動次第できっとあなたのこれからの人生も変わるはず。「あの時、これをしておけばよかった」「チャレンジしておけばよかった」と後悔するより、今思い切って挑戦してみませんか?

今回は大学生のうちに旅に出た方が良い、5つのメリットをご紹介します。

世界にはいろんな人がいることを知れる


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日本では、大学に入学し4年で卒業して就職するのが一般的。しかし世界には、就職をしてから必要かどうかを考え、数年遅れて大学に入る人や、「ギャップイヤー」と言って進級や進学の区切りを目処に、一度お休みをして様々なことにチャレンジする期間を設ける人もいます。

人生が80年あるとすると、定年退職が65歳、23歳で大学卒業後すぐ働くとすると社会人歴が43年ほど。終身雇用制度が崩壊したと言われる日本では、転職はスキルアップのために必要だと考える企業も少なくありません。

それなら、一度社会に出て面白くなってきた仕事を手放すより、社会人になる前にやりたいことしようという人が、世界には多いのかもしれませんね。

 

日本では大学卒業後、かなり多くの学生が新卒枠を狙って就活をし卒業後すぐに就活をします。しかし世界ではこちらの方が珍しく、専門的な勉強をした人や手に職がある人、アメリカでいうアイビーリーグなどの有名大学を卒業した人ではなければ、就職は難しいんだとか。

旅に出ると日本ではユニークに感じる生き方をしている人がたくさんいます。「百聞は一見にしかず」、なんとなく悩んでいるあなただからこそ、旅に出てみてはいかがですか。

人は思っているよりもずっと優しい


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私は東京生まれ東京育ちで、小さい頃から満員電車に乗っていました。歩いている人に笑顔はなく、並んでいるのに横から入るおじさんや、自分のスペースを確保するのに肘で押してくるOLをたくさん見てきたため、知らず知らずに“人は冷たい”という感覚が染み付いています。

 

しかし、初めて訪れたスイスでもそのあと訪れたアメリカでも、街ゆく人は笑っており、少しでも不安な顔をしていれば大丈夫かと、見ず知らずの私に尋ねてくれました。

きっと彼らからすると普通のことなのかもしれませんが、「知らない人と話すな」と昔から言われてきた私にとって、非常に大きなカルチャーショックだったことを今でも覚えています。

旅に出てからの私は、少しでも友好的になるべく笑顔でいようと、いつも心がけるようになりました。

自分は自分。否定しないで受け入れよう


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あなたの性格は穏やか?切り替えが早い?短気?飽きっぽい?性格は4〜5歳までにほとんどが形成されると言われています。その上に様々な経験を積んで学んでいくのですが、ベースは変わりません。

私は昔から「しっかりしている」と言われ育ってきましたが、自分では自覚がありませんでした。しかし旅に出て道に迷ったり時間に間に合わなそうな時、一度焦った後しっかり落ち着き、今私が出来ることすべてを頭の中で振り返り、冷静に淡々と乗り越えていることに気づいたのです。

思えば大きな地震が起きた時も、昔避難訓練で教えられたことを頭の中で繰り返しつぶやき、自分の身を守り家族と連絡を取っていました。

 

旅に出ると日本では起こらないような、そしてこれまで経験したことのない出来事が次々に襲いかかります。頼れるのは自分だけ。きっと自分では思ってもいなかったような感情が外に出たり、思わぬ行動に出たりして、今まで知らなかった自分の本当の性格を知ることができる機会もあります。

それを変えようとしたり否定するより、受け入れるほうがとっても楽。旅は自分本来を受け入れる手段の一つなのかもしれません。

悩みがちっぽけに思えてくる

昔から人付き合いも上手くなく友達も少ないし、自分に自身がなくて新しい環境に飛び込んでは馴染めず、すぐに辞めてしまうということを繰り返していた私。しかし、旅に出るとそんな私の悩みなんか誰も知らない、ちっぽけに思えてくるほど大きな景色や自然を目の前に感じることができます。

それからはあまり小さなことではくよくよ悩まないようになりました。悩む時間がもったいなく、その時間で少しでも勉強したり本を読んだり、好きなことをする方がとても有意義なのです。

 

自分だけが知っている世界では、私の悩みはとても大きく、人生に関わる問題かと思い込んでいました。しかし少しだけでも視野を広げて知らなかった世界を見ることで、考えが変わることがあります。世界には本当にいろんな人がいます。

あなたのその悩みも、もしかしたら環境が変わったり一度心を落ち着ければ解決するものなのかもしれません。

世界は思っているよりも広い


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息をつくことも忘れる大自然や、目の前が現実かと疑うほど素晴らしい壮大な景色…。世界には語りつくせないほど素晴らしい自然や風景がたくさんあります。旅人は毎年毎回その素晴らしさに心を奪われ、自分の足で行き目で見て感じたいと旅に出るのです。

そして旅に出るとこれまで日本に住んでいて“普通だ”と思っていたことが、全然普通ではないことを思い知らされるきっかけになります。列車もバスも時間通りにこないし、列には並ばない。何度心の中で「え、ちょっと待ってよ」と思っても、私たちが思っている常識は常識ではないことをことごとく覆されます。

 

しかし、それでも帰ってきて電車が遅れてくることに対し「機械の不調はしょうがないよね…それにしても日本は謝りすぎだなあ…」なんて、少し心に余裕が出てきているあなたがいるかもしれません。店員さんはチップがなくても「おもてなし」という五文字に縛られとんでもなく丁寧な接客をし、怒っている人になんども謝る店の人…。もう旅に出る前と同じ風景を見ていないということですね。

世界は広く、あなたが知っている世界は実は本当に小さな世界なのかもしれません。少しでも広い世界を見ることで、きっとあなたの心や考え方に良い変化が訪れることもあります。

さあ、旅に出よう


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大学はこれまでの中学・高校生活と大きく異なり、より自分の責任が重くのしかかってくる期間です。“楽しい”だけでなく、自分の学びに必要なクラスを卒業まで逆算し、効率的に取っておく必要があります。寝坊したりサボったら単位を落とすかもしれませんし、テストで点数が取れなければ単位取得が危ういかもしれません。その結果によっては進級できないことも…。

しかし大学生には時間も自由もまだ残されているため、これまで出来なかった様々なことに挑戦するのには、最適な期間でしょう。遊んで過ごす4年間か、大学生という特権を最大限利用するかはあなた次第です。

 

一人でふらっと旅に出てもよし、友人と一緒に計画を立ててしっかり楽しむのもよし。大切なのは一歩踏み出してみることです。もちろん旅先で得たことを、今後の人生に活かすも活かさずもどちらでも良いと思います。しかし知っているのと知らないのでは大きな差があるのです。

さあ、次の休みはどこに行きますか?

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桃(Momo) フリーライター

書く人・エッセイスト。アメリカ・イギリスでの短期語学留学、ヨーロッパ鉄道周遊ひとり旅など経て、新卒でベンチャーの旅行会社に就職。現在は複数メディアにてフリーのライター兼編集者。趣味は英語で、映画は洋画を中心に年間150本を鑑賞。渡航国数は23ヶ国。

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