ライター

高橋歩さんの「BELIEVE YOUR トリハダ」という言葉に影響を受け、自身も人の心を動かせる仕事をしたいと決心。サックスとジャズへの愛が止められず、メンフィスとニューオーリンズを訪れたことから旅に目覚める。好きなものはお酒といちご。

葉巻にクラッシックカー、そして社会主義の国というイメージが強い「キューバ」。昨年アメリカと国交が正常化し、これからアメリカ文化がどんどん入ってくると言われている国でもあります。

「まるで時が止まったような風景」とよく聞くけれど、一体どんな国なのか想像がつきにくいかも…。

そんなキューバについてお話を伺ったのは、昨年キューバを旅したモデル・女優の西内ひろさん、プロカメラマンの大島央照(ちあき)さん、サラリーマン旅行ブロガーのリーマントラベラー東松さん

前回の記事ではキューバの魅力について伺いましたが、今回はキューバで印象的だったエピソードをお聞きしてきました。

 

日本では5分で済むようなホテル探しに丸一日かかった

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©photographed by Hiro Nishiuchi

大島さん:私は写真を撮ることに集中していたので、旅のことはひろちゃんに全部任せていたんです。そしたら三日目の部屋が取れていないことに気づいて、その日はホテル探しの旅に。

インドだと部屋が空いてることが多かったんですけど、キューバだと全然見つからなくて。Wi-fiがないから地図を見るんだけどよく分からないし…ふとホテルで休憩してる自分たちがいて「私たち、本当に旅をしてるのかな?」って。笑

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©photographed by Chiaki Oshima

大島さん:一人旅だったらいいんですけど、カメラの機材もあるし、プラスひろちゃんを守らなきゃって責任感もありました。結局ホテル探しで1日くらい経っちゃって、最後諦めかけてた時にレストランの人が「1件ホテルあるよ」って教えてくれて!私たちは必死の思いでにすがりましたね(笑)

上から物を渡してたり、引き出しのゴミを上から落としてたりとか、ストリートの子供たちのボールが飛んできたりで結構精神的には疲れていて。

「ここ空いてませんか」って聞いたら「……(ニヤリ)」ってされて(笑)。その時の喜びは今までにないものでしたね。日本にいたら5分で終わることを、1日かけてやり遂げたので、印象に残っています。

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©photographed by Chiaki Oshima

西内さん:そっちの方が楽しいですよね。東京みたいな便利な世の中では簡単にできることも「お願いします」って必死に頼んで、やっとできた!っていう喜びが最高でした。とても「人間らしい」というか。

大島さん:私3日目で携帯をなくしたんですけど、なんか気にならなかったんです。むしろ、キューバだから諦めがつきました。それでもひろちゃんがWi-fiにつないで携帯いじってるときは、「あ、私はガイドブック見てるね〜」みたいになりましたけど(笑)

 

白い靴を汚したら知らないおばちゃんがタワシも洗剤もくれた

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©photographed by リーマントラベラー東松

東松さん:僕は逆に良い話ですね、人があったかいなと思いました。真っ白の靴を履いていったら、落とし穴みたいな深めの水たまりに「バシャーン!」って入ってしまって。焦って足を抜いてみると、靴が真っ黒に…。

友達と騒いでたら「大丈夫?」っておばちゃんが出てきたんです。「水あげるわ」ってバケツに汲んできて、次にタワシを取りに行って、洗剤もタオルも持ってきてくれて。最後には「乾かすまでお茶してく?」って言われました(笑)

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©photographed by リーマントラベラー東松

東松さん:見ず知らずの自分のことを無償で助けてくれたことに感動しましたね。チップを取られるかなと思ったんですけど、それもなくて。まあ、翌日からサンダルでしたけどね。1日干して乾いたんですけど履く気になれなかったです(笑)

 

「車に座りなさい」掃除のおばちゃんにポーズを強制された

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©photographed by Chiaki Oshima

西内さん:撮影していた時に掃除のおばさんがいきなり入ってきて、ディレクションしてきたんですよ。「あなたここ座って、このポーズとって」みたいに。笑「ここにストールがあった方が良いわ」「次はこっち」って連れて行かれたりとかしました。

東松さん:いい角度があるんですかね(笑)

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©photographed by Chiaki Oshima

西内さん:結果、すごい良い写真が撮れました。車の上に乗るなんて普通だったらちょっと遠慮しちゃいますけど、それをどんどん勧めてくれて。「お尻のラインを出して!」みたいに指示が飛んでいました(笑)

東京だったら絶対撮影に入ってくるなんてないですけど、そういうところにもキューバのフレンドリーさというか、自由さを感じましたね。

 

カメラに寄ってくる子どもたちの可愛さが悶絶級

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©photographed by Chiaki Oshima

大島さん:アジア圏の他の国とかで写真撮るとチップを取られることあるんですけど、キューバではそういうことがなかったですね。

生まれて始めてカメラを見る子もたくさんいて「何これ〜?」って聞いてくるのがめっちゃ可愛いかったです!撮った後の表情もまためっちゃ可愛くて。

東松さん:基本的に明るいし、下心がないんですよね。「チップを取る」っていう考えがあまりないんだと思います。

大島さん:変わってしまう「今だからこそ」下心もなく、純粋なのかもしれませんね。そこまで悪い知恵を働かすこともないのかなぁと。

 

編集後記

西内さん、大島さん、東松さん、ご協力くださってありがとうございました!3人のお話を聞いていて印象に残ったのが「キューバの人々の自由さ」でした。普段日本で暮らしていたら、見知らぬ人を手助けすることもないだろうし、一緒にお茶をすることも、写真撮影に口を出してくることもないと思います。むしろ、少し冷めた目で見られることもあるかも。

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高橋歩さんの「BELIEVE YOUR トリハダ」という言葉に影響を受け、自身も人の心を動かせる仕事をしたいと決心。サックスとジャズへの愛が止められず、メンフィスとニューオーリンズを訪れたことから旅に目覚める。好きなものはお酒といちご。

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