ライター

高橋歩さんの「BELIEVE YOUR トリハダ」という言葉に影響を受け、自身も人の心を動かせる仕事をしたいと決心。サックスとジャズへの愛が止められず、メンフィスとニューオーリンズを訪れたことから旅に目覚める。好きなものはお酒といちご。

自ら「Googleマップのピン」として世界中に刺さる「SASARUプロジェクト~地球の刺さり方」を続け、先日見事100カ国を達成したアーティスト・Kozeeさん。Google AndroidのCM「一生分の写真」篇に出演されており、放送と同時に話題になりました。

100カ国に刺さり続けるなんて、普通の旅人はできませんよね。なぜそんな旅を続けられたのか、なぜ地球上に”刺さろう”と思ったのか。ご本人にお話を伺いました。(前回のインタビューはこちら

Kozee
“Google Mapのピンとなり、地球に「刺さる男」Kozee”。原宿生まれ原宿育ち。ダンスを通じてNYで生活したのがキッカケで海外へ興味を持ち2014年2月から世界一周の旅へ。旅中に自身の心に「SASARU=刺さる」場所、人、食べ物などに自らがピン(Google Mapのピンのイメージ)になり、実際に頭から刺さってマーキングする「SASARU project〜地球の刺さり方」で3年をかけ100カ国を訪問。旅の様子はSNSで展開。全国数箇所での写真パネル展やコラム、旅行雑誌の連載を経て
Google Android TV CM「一生分の写真」に出演。2017年書籍化が決まり執筆中。

【Official】
Instagram:sasarukozee
Facebook:Kozee Kido

阿部サキソフォン
TABIPPO.NETコンテンツディレクター。2017年7月現在、渡航国数は21カ国。彼氏募集や編集長への下剋上を企画しています。

 

今までの旅を合わせたら、地球3周してるかも?

前回インタビューされた時は、プロジェクトを進行中の時ですよね?
2016年の4月とか。あと1年ちょい残ってるくらいでした。

約1年前なんですね。帰国されたのはいつでしょう?
2017年5月10日です。当初の目的であった「100カ国に刺さる」っていうのを終えたので、日本に帰ってきました!すごく長かったです(笑)

おかえりなさいませ!旅の途中は、何回か帰国されてるんですよね?
そうですね。1回で旅に出るのは、大体3ヶ月間。ショートの旅を繰り返すことで、気持ちをリセットできたのは大きかったと思います。約90日間しかないから、いやでも集中できるようになりました。

旅に集中するというのは?
目から入ってくる情報も薄れなくなっていきました。同じ地域の遺跡とかヨーロッパの街並みとか最初は感動するんですけど、ずっと見てると慣れてきてしまうというか。僕はショートトリップで行ったり来たりしていたので、毎回フラットに「やっぱり綺麗だよな」って気持ちがリセットできましたね。

目が肥えてしまうこともありますからね。旅に行く時は、刺さる場所に目処つけて行くんですか?

そうですね、ある程度は。世界一周する人は西回り、東回りって2パターンに分かれますけど、僕はどっちでもないんです。全部合わせたら、世界3周くらいしてるかな?ってくらい、めちゃくちゃな回り方をしてて(笑)。もちろん、無駄のないような移動にしてますけどね。シーズンを考えたりとか、お祭りに合わせてここに行こう!と決めたりすると、綺麗に一周にはどうしてもならない。行く場所それぞれには目的はあって、「ここは通り過ぎれば良いや」みたいのはなかったです。

国を決める基準はあるんですか?この場所は景色が良いから、みたいな。
途中から、そういうのは出てきました。写真に対してロケーションが良いところ探すとか、祭りとか、人が集まるシーズンを目がけて行ってることが多かったかも。お祭りに行くと、その国のことがよくわかるんです。その日1日に、国の良いところが詰まってるので。「どの国が良かった?」っていう質問される時は、1番は決められないけど、上位3カ国に“スペイン”は入ってきますね。

私もスペイン大好きです!スペインで一番よかったお祭りはなんですか?
やっぱりトマティーナですかね。トマトの投げ合いが激しすぎて、蓄膿症になりました(笑)。

え!何事(笑)!
帰りの飛行機で具合悪くなって、日本に帰って病院に行ったら鼻からトマト出てきちゃって(笑)。

それはやばいですね(笑)。
飛行機でも耳抜きできなくて、結構しんどかったです(笑)

私はトマティーナに行ったことないので、1回参加してみたいんですよね。
結構あっという間ですよ!トマト投げ合ってる時間は1時間くらいで。でも「まだ終わらないのかな」って思うくらい、ヘトヘトになります(笑)。

激しそうですもんね(笑)。
うん、あと1人でいかないほうが良いかも。誰かと参戦することを勧めますね(笑)。

最初は誰も活動に注目してくれなかった

旅中は、日本人と会うことはありましたか?
アフリカあたりを旅していた後半は、あまり会わなかったですね。あんまり日本人宿には行ってなくて、外国人と一緒に回るほうが多かったです。イベントとか日本人が集まるタイミングはあるから、もちろん居たら声をかけました。

「CMの人だ!」って言われませんでした?
後半は「ピンの人」って言われるようになりました。インスタで僕のことを追っかけてくれてたのか、「今メキシコにいるって知ってました」って言われたことも(笑)。ゲストハウスとかで一緒にご飯を食べてる時に刺さっている画像を見せたら、「本人だ!」みたいなとかはありましたね。

そりゃ、びっくりしますよね(笑)。
日本だと結構ありますね!旅好きな人が知ってるならまだしも、全然関係ない人のほうが意外と知ってたりして。どうやら僕の写真は、人に見せたくなるらしいですよ(笑)

ああ、それはわかりますね。こんな人見つけてさ、って言いたくなる。
そうそう、単純に飲み行った時とかに見せたくなるみたいで。「SASARU project」を始めた当初は、写真を見せても誰もピンとこないし、「何してんの?」みたいな反応でしたね(笑)。旅で出会う人に見せるんですけど、聞いてる人もポカーンって感じで。

自分がGoogleマップのピンになって、心に刺さった場所にマーキングしていくんだ……って説明をしても、前例もなければ見たこともないから、「へー……」みたいな感じでした(笑)。でも1年後くらいにCMになってから「CM見ました!話を聞いた時はよくわかんなかったけど」みたいなことは言われました。

やっぱりCMの反響は相当大きかったんですね。
大きかったですね。最初はコラムを書いていて、旅行雑誌の連載、その後スピーカーとして呼ばれるようになって、ネットに僕の活動が上がってくるようになったんです。すると、Googleの制作チームの方が僕のことを知ってくれていたみたいで。

なんと、本家が!私もあのCM、何回も見ましたよ!
僕もよく「見ましたよ」って聞くんですけど、僕自身は1回もテレビで流れてるのを見たことなくて(笑)。

一度も!?(笑)
そう(笑)。基本的に日本に居ないし、たまに一時帰国してる時もあまりテレビを見なかったので。友達からは1年中連絡はきていましたよ(笑)。

旅を続ける上で「恵まれていた」

100カ国の挑戦はいかがでしたか?
大変でしたよ!(笑)。色々トラブルもあったし、うまくいかないことの方が多かったです。

旅の前と後を比べた時に、変わったところはありますか?
気持ちのブレは減ってきましたね。旅って、うまくいかないことの方が多いじゃないですか。バスがこないとか、言葉の壁ももちろんあるし。でもそういうことで、イライラすることが無くなったと思います。何か起こっても、「しょうがない」「次のこと考えよう」というか。気持ちの切り替えは早くなったと思います。

僕は自分でも会社をやっているんですが上手くいかなくても、そんなに怒らないんです。しょうがないこともあるしなって思って。

それが旅して変わったんですね。
そうですね、前職はテレビの制作をやっていて、結構イライラすることが多かったです。撮影で雨降っちゃうとか。今そういう仕事をやったら、昔より柔軟に動けるような気がします。

その変化って、旅を初めてどのくらいで感じました?
意外と早くて、半年くらいですかね。旅をスタートして1ヶ月後ぐらいには南米をまわってたんですけど、一番うまくいかなかった大陸かも。自分の旅レベルも低かったし、今と比べてリサーチ能力も足りてなかったので。事前に情報があった方が身の危険回避できたりとか、知ってた方が良かったこととかいっぱいあったなぁって思います。

【SASARU×Cape Point×Cape of good hope📍ゴールはアフリカ大陸最南西端】 How to 「SASARU」 project of the earth. The goal of this journey is the southwest end of the continent of Africa! Thanks all! I’m so happy😄 「地球の刺さり方」 ゴーーーーーーーーール!!! 3年かけたSASARU project、 目標の100カ国も達成し、ついに念願のゴールとなりました! とても幸せでファンキーでグラマラスな3年間でしたw 関わって頂いた皆さん、 日々の投稿にいいねやコメントで応援してくれた皆さん、 プロジェクトを取り上げて頂きました多くのメディアの皆様、 本当にありがとうございました✨ 今後の展開にもまた注目して下さい😄 なんだかまだ何か起こりそうですw 帰国します #sasaru #africa #southafrica #capepoint #capeofgoodhope #100 #country #goal #art #journey #world #travel #世界一周 #旅 #アフリカ #南アフリカ #ケープポイント #アフリカ大陸最南西端 #100カ国 #次のステージへ #ささる #sasaruproject

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ちなみに最後はアフリカでゴールしましたよね。なぜアフリカを選んだんですか?
もともと考えていた時期から、エボラとかの問題で行く時期が変わってきたんです。避けていくうちに、行く国の選択肢も減ってきて。最後の方はゴールが見えてきたので、100カ国目がある程度達成した!みたいなところがいいなと思って(笑)。

達成した瞬間はどうでした?
ギリギリまではそんな気は無くて……いつもと同じ感じでした。だけどラストに向かう道でドキドキしてきて、これで終わるんだなって。「ラストSASARUだ!」って感じで(笑)。今までは帰国しても次の出発が決まっていたので、またすぐ行くからって思ってたんですけど、今回はこれが終わったらしばらく行かないんだなと思って。達成したときは「自分、よくやったなー」って思いました。100カ国って結構な国数ですからね。

ライター

高橋歩さんの「BELIEVE YOUR トリハダ」という言葉に影響を受け、自身も人の心を動かせる仕事をしたいと決心。サックスとジャズへの愛が止められず、メンフィスとニューオーリンズを訪れたことから旅に目覚める。好きなものはお酒といちご。

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