ライター

高橋歩さんの「BELIEVE YOUR トリハダ」という言葉に影響を受け、自身も人の心を動かせる仕事をしたいと決心。サックスとジャズへの愛が止められず、メンフィスとニューオーリンズを訪れたことから旅に目覚める。好きなものはお酒といちご。

2020年に開催予定の東京五輪。日本人が活躍する競技といえば野球や柔道などがフィーチャーされがちですが、実はいま、二人乗りヨットの「セーリング競技」470級クラスで、日本人の金メダルが期待されているそうです。

そこで注目されているのが長谷川孝・市野直毅選手。ほとんどの選手が企業に所属するなか、お二人はご自身で遠征資金を調達したり広報活動をされているといいます。

ちょうどお二人が2週間前にフランス遠征から帰られたそうなので、気になるお話を聞いてみました。

市野 直毅
2020年東京オリンピックでメダル獲得を目標に置き取り組んでいます。この一つの目標に向かって、自分の限界に挑戦していきながら目標を達成していきます。そして、多くの方々にスポーツの素晴らしさ、ヨット競技の素晴らしさを伝えていきながら社会に価値を作っていける人間に成長していきたいと思います。皆様のサポートに感謝をしながら取り組んでいきます。
長谷川 孝
東京オリンピックで金メダル獲得を目標に活動をしております。活動を通して次世代の選手や応援してくださる人々とともに感動・活動を共有し、セーリング活動やスポーツに関心を持って頂ければと思っております。セーリング競技は大自然の中で自然の力をエネルギーに変えて、風・波・天候を読み取り帆・舵を操り自然と格闘し競い合います。世界中の海で戦い、歴史のあるスポーツです。現在は、世界各国で行われる、ワールドカップ大会に出場し、競技力のレベルアップをはかっております!
阿部サキソフォン
TABIPPO.NETのコンテンツディレクター/ライター。ヨット競技に関しては全くの初心者。

そもそも「セーリング競技」とは?


舵取りのスキッパーを市野直毅(写真左)、船のバランスを取るクルーが長谷川孝(写真右)

長谷川さん、市野さん、本日はよろしくお願い致します。ところで…「セーリング競技」ってなんですか?
まあ、そうですよね(笑)ヨットで風下の位置からスタートし、いくつかの決められたポイントを周って着順を競います。1日2レースでトータル10レース、予選からメダルレースまで約1週間続きます。風も影響するので、風がない時はみんなで風待つことも。夜6時からスタートしたこともありました。

夜6時…!本当にコンディションが影響してくるんですね。
そうなんです。雨でも競技を決行することもあります。

想像しただけでも過酷…。ちなみに全体の競技人口は増えているんですか?

全体的に増えてはいますね。江ノ島とか八景島によく見ることが多いです。実は僕たち、この前の大会で世界ランク8位まで上がることができました。

世界で8位…!すごい!おめでとうございます!
ありがとうございます!ランクは大会ごとに更新されるようになっており、今回ランクを上げることができました。

なるほど。お二方がすごい方だということは分かったのですが、スポーツに疎い私は正直イマイチまだヨット競技の楽しさがわからなくて…(苦笑)

ヨット競技は、海の上で風だけで走る自然のみを使うスポーツ。速さを競うだけでなく、言葉で表現できないような五感を感じながらできる競技なんですよ。みなさん日頃から様々な悩みや苦労を抱えていらっしゃると思うんですが、不思議と海に行くと気持ちが楽になりますよね?自然とリラックスできるのも魅力の一つだと思います。


長谷川さんの両手

このスポーツをする時に、いろいろな海を体験するんですよね。日本はもちろん、海外も。海は1つに繋がっていますが、海は海でも不思議と感じ方がそれぞれ違うんです。色だったり塩加減、海から見る景色だったりとかを楽しむことができます。

またヨットは「生涯スポーツ」で、80歳、90歳でもやっている方がいらっしゃいます。若者もお年寄りも、男性も女性も関係なく楽しめるスポーツというところも魅力ですね。まだまだ可能性を秘めているところがあります。

80歳超えても、やられている方がいるんですね!それはかなり意外でした。でもやっぱり、女性にはまだ浸透していない感じもしますね。なんだか取っ付きにくいというか、敷居が高そうというか…お金もかかりそうなイメージですし。
実は…なんとかなっちゃうもんなんですよ(笑)

本当ですか!ぜひやってみたい!
やりましょう!葉山や江ノ島でできますよ、最近流行りのSUPとかも。

なんだか、一気に親近感が増しました(笑)

遠征は全て自分たちで手配


練習中にはハプニングも…

そういえば、フランス遠征から戻られたばかりですよね。どのくらい海外遠征に行かれているんでしょうか?
そうですね、1年間のうち半年…とはまではいかないくらい、海外にいることが多いです。そして渡航や宿の調達なども自分たちでやります。航空券はスカイスキャナー、宿泊先はAirbnbで探したり。

それ、バックパッカーが普段お世話になっているやつですね!
僕たちの場合は長期で泊まることが多いので、直接オーナーさんにディスカウントの交渉することもあります。

予約をせずに現地で宿を決めることも…

え、予約なしで行かれるんですか!?


スペインのマヨルカ島

1泊は予約しておくのが良いですね(笑)実はネットに載っていない宿が当たりであることもあるんです。初日は予約しておいて、2日目に二人で街を歩いて、良さそうなところを見つけたら長期で利用することもあります。

旅をするときも事前に調べるのが普通だと思うんですけど、事前に調べることをあまりしないんですよね(笑)未知の世界を見てみたいというか。


クロアチア合宿にて

結果楽しいこともあるし、楽しくないこともあります(笑)

あら、楽しくないことも?
動物アレルギーなのに、めっちゃ猫住んでるところとか、疲れて寝たいのに6人部屋でバックパッカーがうるさいとか…。

あーーー、後者はゲストハウスあるあるですね(笑)今までだと、全部で何カ国くらい行かれているんでしょう?
スペイン、フランス、イタリア、ドイツ、ブルガリア、中国、アメリカ、オーストラリア、イスラエル、クロアチア、ギリシャ、ドバイ、シンガポール、フィンランド、ポルトガル…の15カ国ですかね。

イスラエルも行かれたことがあるんですね!

そうなんです。2年前の、ちょうど危ないと話題になっていた時期で…その時は世界選手権でしたね。でも日本で報道されているよりは、そこまで危ない雰囲気は感じませんでした。ヨーロッパの観光客は意外と多く見かけましたし。初日、野良犬に噛まれそうになったのは焦りましたけど…(笑)

いや、それ一大事!(笑)どんな宿に泊まられたんですか?
安いところでしたね。団地のようなローカルなところに泊まって…(笑)

ライター

高橋歩さんの「BELIEVE YOUR トリハダ」という言葉に影響を受け、自身も人の心を動かせる仕事をしたいと決心。サックスとジャズへの愛が止められず、メンフィスとニューオーリンズを訪れたことから旅に目覚める。好きなものはお酒といちご。

RELATED

関連記事