男に睡眠薬をもられた次の日、僕は人生の「最低」と「最高」を経験した

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「大使館は…?」

「16 番で降りな」

「ありがとうございます!」

バス停で待っていると、突然肩を誰かに叩かれた。さっきのおばちゃん夫婦だった。白いスーパーの袋を持っている。無言でそれを渡してくれた。重みがある。中身を確認すると、パンと水と牛乳らしき物が入っていた。「えっ?」目で明らかに「持っていきな」と言っている。

「あっ、ありがとう!」

泣きそうになったが、涙も見せる暇もなく、おじちゃんが手を差し伸べてきた。その手には数枚の紙切れ。「?」お金だった。また、120 バーツ。

「えっ、あっ、えっ、ありがとう」

バスが来た。私は深々と頭を下げた。泣いた。海外で泣いたのは、これが初めてだった。

 

後で聞くと、120 バーツというのは、タイでいう1食40バーツ×3回で、1日の食費の相場だそうだ。 本当にありがたかった。見知らぬ国を歩く怖さも知ったし、また人間の温かさも知った。結果的に、日本に一時帰国を余儀なくされたけど、この経験があったからこそ今の自分があると思っている。人生の「最低」と「最高」を一度に経験できた、自分にとってかけがえのない事件だった。

 

RPG は第2章へ

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photo by Shutterstock

パスポートを再取得し、冒険は第2章へ。一歩間違えば、「死の恐怖」もあった。

旅の後半、南米での落石事故。それはマチュピチュの観光を終え、ナスカの地上絵に向け、一人で深夜の長距離バスに乗っている時に起こった。この地域は山岳地帯で、真っ暗闇の砂利道を進む。命は運転手に任せるしかない。ガードレールもないし、舗装もない道。「ドカーンッ!」ウトウトしていたら、ものすごい音と衝撃。バスは停まり、真っ暗な中、ザワザワと人が騒ぎ出す。

数十秒後ライトが点くと驚愕の事実、自分の席の一つ後ろのバスの窓が粉々に…。幸い窓が粉々になるだけで乗客は怪我一つなく終わったが、(死ぬ時は一瞬なんだな)と考えされられた経験だった。

 

世界中の働く人々は、どんな目をしているんだろう?

こうして経験値を稼ぎながらレベルを上げていった私は、少しずつ余裕が生まれていき、世界をゆったりと見渡せるようになっていった。そして、一つの疑問を持った。

世界一周に出る前、私は死んだ眼をしたサラリーマンの一人だった。そんな自分を変えられるかもしれないと思って旅に出た。「日本人の働き方はよくない」世界中で旅人たちが外国人と話すとよく耳にする言葉。しかし、実際はどうなんだろうか?(世界中の働く人々は、どんな目をしているんだろう?)

 

結論から言うと、死んだ眼をした人はどこの国にもいた。

 

フランスやイギリスで電車に乗った。みんな疲れていた。通勤ラッシュに笑顔で踊っている人なんて、 エジプトにもメキシコにだって、いやしない。ラテンの国のアルゼンチンにもブラジルにもいなかった。世界一の大都会 NY だって、ラジカセ持って踊ってる黒人なんて、もちろんいなかった。朝はみんな、日本と同じで大半の人は静かに下を向いている。

 

無職となって、旅する私から見た世界

でも、仕事を辞めて無職となって旅する私には、その姿を違う目線からも見ることができた。

イギリス人の友達は「朝は眠い。仕事は面倒」と言っていた。それでも、毎日通勤していた。インドのお土産物屋さん。気温が55度になった時に「インド人も暑いの?」と聞いたら、「暑いに決まってるだろ!働けるかっ!」と言っていた。そんなことを言いつつも、真面目な顔で店頭に立っていた。市場で朝4時から働いている人も世界にはたくさんいた。バスの運転手、荷物を運ぶ人、お店の人。日本人と変わることなく、みんな一所懸命働いていた。

 

歯車じゃない、そこに意志があれば

そして、一つ気づいたことがあった。

(汗水垂らして働く人たちがいなくなっては、私たちの旅は、決して成立しない。この人たちがいるから、私たちは「旅」ができるのだ)

それは、私たち日本のサラリーマンにも言えることだ。経営者が何万人いようと、私たちがいるから、 現場がいるから世界は動いているのだ。(死んでいる眼を見てはいけない。意志のある眼を見よ!)

 

帰国して3ヵ月。結局、私はまた、サラリーマンに戻った。同じ立場で、変われた自分が どれだけやれるのか試してみたかったからだ。

 

私は、何かにしがみつくことをやめた

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旅に出て、リセットの効かない人生のおもしろさを知った。人生は冒険だと気づいた。失うものなんて何もないんだって分かった。サラリーマンという人間を以前とは、別の角度から見られるようになった。

帰国した後は、不思議と見えない恐怖に脅迫されることも、何かにしがみつかなきゃヤバイって気持ちもなくなった。「失うものがない人は強い」とよく言うけれど、「いつでも変わっていいんだ」と思える人も、きっと強い。

 

私は世界一周に出る前よりも、知らぬ間に 格段にレベルを上げて帰ってこられたんだと思う。

 

1年だらだら仕事を続けているよりも、やめて1年旅した方がよっぽどいい

この選択がもし違っていても、自分に合うものが見つかるまで、また新しいものにチャレンジすればいい。今の私は、そう思える。何より、あのまま1年だらだら仕事を続けていたよりも、やめて1年旅した方がよっぽど自分が成長できたって思えること。

それが、世界一周で得られた一番の自信だと思う。

 

普通の人でも決断すれば、「夢は叶う」。375日間かけて、35の国々が私にそれを証明させてくれた。

 

10年ほど働いてから世界に旅に出たことで、学生の時の旅よりも、知り得る情報が何倍にもなったと私は思う。学生の「恐怖」を知らない旅も最高だけど、「いろいろな恐怖」を知って世界に出るのも、また一興だ。

 

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TABIPPO.NET編集部
TABIPPO.NET編集部
若者が旅する文化を創る!
全員が世界一周を経験したメンバーが学⽣時代に作った組織がTABIPPOです。設立して4年半、2014年4⽉に株式会社になりました。とにかく旅が好きで、たくさんの人に旅を広めたいと思っ…

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