ひとり旅に出て気づいた、日常のなかにある“本当の自分の想い” / 喜多友美インタビュー

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初めてのひとり旅。隣にいた彼の存在の大きさを実感した

――今まで、どんな国を旅してきましたか?

グアムとタイの他に、フランス、台湾、韓国、ハワイに行きました。TABIPPOのお仕事でマカオやバリ島にも行きましたね。

▲タイにあるカンチャナブリの泰緬鉄道(たいめんてつどう)内で出会った現地の子供たち

――その中でも特に印象に残っているのは?

2年前に行った、フランスですね。それまでは友達と一緒に行くことが多かったので、TABIPPOに入ってから思い切ってひとり旅に挑戦することにしたんです。でも……。

――でも?

それまで、自分はお金さえあればどこに行っても1人で生きていけると思ってたんです。孤独に強いというか、1人の世界に浸りたがる節があったというか。当時の将来の夢は「ニュージーランドの湖畔にハンモックやテントを置いて、スナフキンみたいに暮らすこと」。なにもない場所でも、1人でも、自由に楽しく暮らせると思っていました。

でも、フランスひとり旅を通して、「自分は決して強くないんだ」と気付いたんです。

――どうしてそう思ったのでしょうか?

そのときにちょうど起きたフランスのテロ事件がどうしても怖くて、行くのが不安になってしまって。出発直前に当時付き合っていた彼と会ったときに思わず号泣してしまったんです。

彼は海外旅行反対派だったのですが、そんな彼が私の背中を押してくれるという前代未聞の展開になりました。そのときに初めて「私って、実はこんなに弱かったんだ」って、ふと思ったんです。

実際、旅中には現地の人たちの優しさにも触れられたので「旅ってやっぱり楽しいな」って思うこともありました。

でも、目の前にある美しい景色や美味しい食べ物をその彼と分かち合って、一緒に幸せを感じられないことも寂しくて。彼といる日本での時間の方が楽しいことに気づいて、旅の最中に「早く帰国して、彼に会いたいな」って思う自分がいたんです。

▲ひとり旅で訪れたフランスの「モン・サン・ミシェル」。ここで感じたのは「この景色を彼に見せてあげたい」という想い

――そんな想いを抱いていたフランスの旅ですが、自分の中で何か変わったことはありましたか?

フランス旅を通して、憧れだったスナフキンへの見方が少し変わりました。それまではスナフキンのことを自由でかっこいい存在だと思っていたんです。みんなが気付く頃にはスッといなくなってしまう、孤高な存在。

ただ、スナフキンはいつか必ずムーミン谷に帰ってくるんです。

それはきっと、彼が「自分にとって本当に大切なものは何か」をいつも再確認するために旅に出ているのかもしれない、と感じました。そして、私と同じく実は寂しがり屋なんじゃないかと。

――スナフキンは、旅に出たからこそ「自分にとって大切なもの」がムーミン谷にあることを知ったのかもしれないですね。

私も今回ひとり旅に出ていなかったら、きっと身の回りの大切なものに気づけなかったと思います。

私にとって旅に出る理由は単純に世界を見たいって好奇心もあったけれど、どこかで「自分の生きる意味」を見つけられると思っていたから。どうしてここに生まれたのか、「喜多友美」はどう生きてどうやって死んでいくのか。自分探しじゃないけれど、興味がすごくあったんです。

だからフランス旅で「自分にとって本当に真に大切なものは何か」の答えが、「身近にいる大切な人たちとの他愛ない時間」ということに気づけたのは、結果的に自分の人生の筋道も見つけられたということ。

つまり、私の旅の目的はたった1回のひとり旅で、ほぼ達成してしまったんですよね(笑)。もちろん今でも、旅は大好きですけど。

――いつも彼が隣にいるのが当たり前すぎて、その大切さに気が付かなかったけれど、旅に出たことによって自分の気持ちと向き合えたんですね。

はい。フランスの旅は彼への気持ちを再確認できた良い機会になって、帰国したら結婚することを決意して、いまでは大事な夫として家族になりました。

――旦那さんになった彼とは、一緒に旅するんですか?

彼はゲーム好きのインドア人間なので(笑)、旅は好きじゃないんです。パスポートなんて持ったこともなければ、むしろ「海外なんて行きたくない」って言われてたくらい……。

でも、実は今年の3月に新婚旅行という大義名分で初めて一緒にハワイに行ったんです。そこまで乗り気じゃなかったので、ちょっと無理やりでしたが(笑)。

――彼の反応はいかがでしたか?

最初は、慣れない環境へのストレスからお互いにイライラしてしまって、ずっと2人で喧嘩しっぱなしだったんですけど、そんなときにたまたま2階建ての観光バスに乗ったんです。

上の席が吹き抜けになっていて、そこから街の景色を眺めていたら、隣に座っている彼の表情がニヤニヤしていることに気が付いて(笑)。

言葉にはしてないけど「あ、きっと嬉しいんだろうなぁ」って思ったら、私まで嬉しくなっちゃって。気付いたら、仲直りしてました。

▲オアフ島のモアナルア・ガーデンにて

――「海外なんて行きたくない」って話していたあの旦那さんが、少しだけ海外の楽しさに気づいたことを知って、自分まで嬉しくなったんですね。

今まで、専属ライターとして読者の人たちに対して旅の魅力を伝えるために奮闘していましたが、やっぱり一番身近な存在である彼に旅の魅力を伝えられていないことにモヤモヤしていたので。そんな彼を海外に連れ出せたことはやっぱり嬉しかったですね。

まぁ、帰ってきて感想を聞いたら「日本がもっと好きになった」って言われましたが(笑)。でも、最高に楽しい時間でした!

 

将来の夢は、大事な彼と愛犬と共にまったりと幸せなバンライフを送ること

――これから、TABIPPOでどういうことに挑戦していきたいですか?

海外の記事はもちろんなんですけど、国内の旅記事をもっと出せたらいいなと思っています。

結婚して犬と暮らしている今、独身のときほど海外に軽々と行けないので。自分のように身軽に行けない人に向けて、国内のサクッと行けるスポットを紹介できたらなと思っています。

海外は世界中の旅人さんに任せつつ、私はまだ知られていない国内の魅力を発掘して、旅の良さを伝えていきたいですね。

――将来の夢について教えてください。

いつか旦那さんと愛犬と田舎の自然が多いゆったりしたところで、ドッグカフェを開きたいですね。

海外の犬用品を買い付けに行ってそこで売ったり、自分の旅写真を展示したり、常連さんが数人いるような落ち着いたカフェを開きたいと思っています。

イメージは、映画「幸せのパン」に出てくるカフェ「マーニ」のような空間。仕事辞めたてくらいのときは、旦那さんと「移動販売する?」なんて話もしていたんですよ。

けど衛生上、犬は販売車に乗せられないことが判明して断念しました…。でも、いつかバンライフで愛犬と日本も周ってみたいですね。

――それでは最後の質問になりますが、喜多さんはどんな人でありたいですか。

常に余裕のある人でいたいです。感情にとらわれず、けれど誰かが困っていたら誰よりもすぐに気づいてあげられるような。周りをよく見れて、自分を顧みれる人でありたいですね。

ついつい自分に甘くなってしまったり、人を簡単に突き放す癖があるので、他者の視点に立って物事を考えられる人、行動できる人、そして忍耐力のある人になりたいです。

自分の母親が、つらい時も笑顔で辛抱したり、客観的に物事を見れる尊敬できる人なので、母親が理想ですね。

text:戸口 実花
photo:Kunihiro Hayashida

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WRITER

ミカエル
ビールは主食
24歳。編集者として勤めながら、フリーライターをしています。文字を書くか、お酒を飲むか、の日々(大抵後者)。 TABIPPOのメディア事業部ではライター/編集者として、その後プロダクト事業部では…

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