ライター
三浦 えり フォトグラファー

雑誌、webメディアを中心にフォトグラファーとして東京で活動中。ポートレートと季節を掛け合わせた写真を個人の作品として制作したり、社会課題、特に女性の生き方について写真で向き合うことに挑戦しています。趣味は美術館めぐりと将棋鑑賞。

自分がいつも暮らす場所から離れて仕事ができる時代が訪れるなんて、私が社会人になりたてのころは想像ができなかった未来。

どこか遠いところに行くといえば、休みの日に計画を立てて人生の一大イベントとして「旅」はするものだと思っていました。

私は「旅」には「新しい価値観」と出会える特別な力があると信じています。もっと日常の延長線のように気軽に「旅」に出られる機会が増えれば人生がもっと豊かになると感じていました。

そんななか令和に入り、「風の時代」と言われるようになったいま、好きな場所に足を運んで、日常と同じように仕事をしながら過ごせる働き方や、それを受け入れてくれる地域が少しずつ増えてきた実感があります。

「Work(仕事)」と「Vacation(休暇)」を組み合わせた「ワーケーション」という言葉も最近耳にするようになってきているのではないでしょうか。


今回、私は札幌市で1週間のワーケーション体験をしてきました。実は人生はじめての北海道。

しかも、こんなにも長く家を空けて地方に滞在するのは社会人になってからはじめてです。観光がメインというよりは地に足を着けて、札幌の自然に囲まれ、街や人に触れながら、東京から持ってきた仕事に取り組んだ日々をお伝えします。

札幌滞在のハブとなるさっぽろテレビ塔の目の前のホテルに宿泊


今回の1週間の札幌滞在は2021年10月にオープンしたばかりのホテル「ザ ロイヤルパーク キャンバス 札幌大通公園」に宿泊しました。

札幌の中心地「さっぽろテレビ塔」の目の前という立地の良さがあり、コワーキングスペースや食事、観光へ向かう拠点としてもとても便利な場所にあります。


ロビーには電源付きのテーブルもあり、ワーキングスペースとしても利用可能です。実際に宿泊されている方がPCを開いて作業している姿を何度も見かけました。



客室は木材に囲まれた「キャビンフロア」。テレビはなく、レコードプレイヤーが備え付けられています。

オフの日には長時間ひとりで部屋にいることもあったので、木のぬくもりに囲まれて、レコードの音楽を聞く時間は非日常ではありつつも暖かみのある居心地の良い環境でした。


ホテルの屋上にはさっぽろテレビ塔が目の前に広がるルーフトップがあります。

朝は朝食を楽しむことができ、夜は焚き火を囲んでゆったりとした時間を過ごすことができます。作業中にちょっと足を運び、札幌の広い空の下で深呼吸しながら休憩を取りました。

仕事前の朝にサイクリング!札幌市内を一望できる円山山頂の絶景へ


滞在中は仕事の前に早起きをして札幌市内をサイクリングする「グッドモーニングライド」に参加しました。

札幌の中心部から西に走り「円山公園」へ。さっぽろテレビ塔からは「大通公園」に沿って走る一本道なので迷うこともありません。



自転車を走らせるとずーっと続く大通公園。「さっぽろ雪まつり」が有名な大通公園ですが、こんなにも大きい公園とは驚きでした。

公園内では観光客はもちろん地元のビジネスマンや学生、こどもたちなどいろいろな人たちがそれぞれの過ごし方をしていてみんなの憩いの場になっていました。


私たちは円山公園に到着後「円山」にハイキングをしに行きました。円山は標高225mなので気軽に登ることができます。

私たちが登っている間にも幼稚園児たちが列を作ってひょいひょいと登って行く姿が見られるくらい、簡単に登ることができる山です。



晴天のなか気持ちの良い朝日を浴びながら円山を歩いていると、おそらく何百年も前から生えている大きな木があるのを何度も目にしました。

観光地でも自然を満喫しようと思うと、車を出したり、バスに乗って移動しなくては行けないことが多いですが、自転車や地下鉄でこんなにも気軽に大自然に触れられる札幌が羨ましく感じました。



そして、あっという間に山頂に到着です。札幌の市街地を一面見渡すことができます。

実際に自然と街が近いというのをリアルに感じることができる絶景です。この絶景を見ながら、みんなで朝ごはんを食べました。空気も綺麗で澄み渡るなか、気持ちの良い運動でとても美味しい朝ごはんになりました。


自転車でさっぽろテレビ塔近くを出発したのが7時、そこからハイキングをして自転車で戻って来ても時間はまだ10時過ぎ。とても充実した清々しい朝を過ごせて、これからの仕事の時間も精がでそうです。

札幌滞在の夜は喫茶店で。仕事終わりのご褒美に「シメパフェ」


札幌の夜は普段とはちょっと違う過ごし方をしました。驚いたのは札幌のカフェや喫茶店が夜遅くまで営業しているということ。

最近話題の札幌の「シメパフェ」は、食後のデザートとして立ち寄れる場所が多いことから誕生したそう。飲みに行った帰りはもちろん、仕事終わりの自分へのご褒美に「シメパフェ」とともに夜の時間を過ごすのも良いかもしれません。

新しい出会いもある、東京に負けず劣らずの札幌のコワーキングスペースの充実さ


札幌で仕事をしながら滞在して感じたことはコワーキングスペースが多いこと。

札幌市の中心部には東京と変わらないくらいのコワーキングスペースがあり、どれも個性があって作業環境も充実しています。仕事の目的や内容でコワーキングスペースを選んでみるのも良いかもしれません。



私はホテルから近い「大人座」というカフェのコワーキングスペースで仕事をすることが多かったです。

カフェメニューも個性があり、その日のスタッフさんが作るオリジナルのドリンクメニューはお店の人と話すきっかけにもなりました。


ここで偶然出会ったのが、デザイナーをしながら大人座で働いている田淵さん。

いままで東京で働いていたのですが、最近になって札幌に移住したのだとか。実際に札幌に移住して感じた住みやすさや、東京から離れて仕事をしてみての感想など、東京から移住した人の札幌の視点を教えてもらいました。


また、他のスタッフさんたちもとても親切でオススメのグルメスポットをたくさん教えてもらいました。

ネットで調べただけでは分からないような地元の人だからこそ知っているお店がどんどん出てきて、1週間では回れないほどのグルメ情報が私のスマホの中にストックされていきました。

休日は札幌の自然あふれるアートスポット巡り


休日は札幌の観光スポットに遊びに行きました。普段から美術館巡りが趣味な私は旅先でもその場所の美術館やアートに触れるのが好きです。

特に地方にあるアートはその土地の歴史や人、文化に寄り添いながら成り立っているところが多いので、その地域の魅力にも触れることができると思っています。


訪れた場所は私が札幌で一番行きたかった場所「モエレ沼公園」です。

以前からイサム・ノグチが好きで、展覧会に行ったり、本を読んでいて、モエレ沼公園は彼の作家人生の集大成と言える作品だと思っていました。


実際に行ってみると、彼の思想がそのまま大地に広がっていました。

モエレ沼公園を作る前に志半ばで亡くなってしまいましたが、彼の望んでいた子供たちが遊ぶ風景がちゃんとそこにあって、今では札幌市の人々に愛される場所なんだなぁと公園内を散策しながら感じることができました。


もう一つ私が向かった場所は「札幌芸術の森 野外美術館」。


こちらは森の中に日本人作家を中心とした彫刻作品が74点展示されています。

作品の多くは作家がこの地を訪れて、この野外美術館に展示されることを想定して制作されたものばかりです。ちょうど秋がはじまって木々が黄色く色づく頃に私たちは訪れました。


どの作品も作品単体というよりは、周りの木々に囲まれていることで、さらにその美しさが際立っていました。冬の時期、雪が降り白銀の世界に彫刻作品がある世界も行ってみたいと思いました。


他にも札幌市には「頭大仏」のある「滝野霊園」など、壮大な自然を感じながら楽しめるアート作品があります。

大自然とアートに触れて感性を磨くことで、心も身体もリフレッシュしつつ、仕事へのインスピレーションを得ることもできるのではないでしょうか。

札幌のグルメを堪能して仕事のモチベーションアップ


札幌に滞在することの楽しみとして、なんといってもグルメは必ず押さえておきたいところです。普段は高価でなかなか手が出せない海鮮も、回転寿司や市場で気軽に食べることができます。

訪れた時期がちょうど寒くなってきた時期だったので、スープカレーやラーメンなど温かいグルメがより一層美味しく体に染みました。

美味しいものがたくさんあるので、「今日はこの仕事が終わったら海鮮丼を食べよう!」などのモチベーションにもなりました。


コワーキングスペースのEZOHUBの目の前には「回転寿し トリトン」という地元の人にも愛される回転寿司屋さんがあったので、お昼休憩に足を運んでみました。イルカのマークが可愛いロゴが目印です。

回転寿司でこんなにも分厚いネタが出てくるのは人生初めてでした…。ランチにこんな贅沢をして良いのか…と思いつつも、これが札幌の人々にとっては当たり前のランチだと思うと羨ましくてしょうがないです。



他にも、朝のサイクリングで札幌市中央卸売市場近くにある「北のグルメ亭」を訪れ、海鮮丼を堪能しました。

朝からこんな豪華な海鮮丼を食べて良いのかな…という罪悪感もありつつ、こんな豪華なものを食べたのなら、今日の仕事はしっかり頑張るぞという気持ちになりました。


また、滞在中に二度も訪れたのは「kanakoのスープカレー屋さん」です。滞在していた「ザ ロイヤルパーク キャンバス 札幌大通公園」から歩いて1分の近い距離にあったというのもありますが、とにかく美味しくてリピートしてしまいました。

チキンや野菜の具材が大きくとても美味しいのと、辛さの段階も細かく指定できるので、どんな方にもおすすめです。男女問わずお客さんが入っており、おひとりさまの方も多かったので、ランチや夕食に気軽に入ることができると思います。

忙しいときでも手作りの温かいご飯が食べられる!合言葉は「私たちのセイコーマート」


そして、今回のワーケーション滞在で私や一緒にワーケーション体験をした仲間たちがとても助けられたところといえば、なんと言ってもセイコーマート。札幌の街を歩けばいろいろな所で発見できるコンビニです。

札幌市はグルメの宝庫といえど、毎日3食を美味しいもので食べ尽くしていてはお腹にもお財布にも優しくはありません。

滞在中はホテルにこもってしっかり集中して作業をしたい日もあったので、そんな日に気軽に買えて、手作りのものを販売しているセイコーマートはとてもありがたかったです。

多様な過ごし方ができる、いろいろな人の受け皿になるワーケーション環境が整った札幌市


滞在中に思い出したのは学生時代にイギリスやN.Z.に留学したときのことでした。

街は栄えていて便利なのに、ちょっと移動しただけで大自然に触れられるところや、歩いていると明治や大正時代に建てられた西洋モダンな建物に遭遇したからかもしれません。(公園を歩いていたらリスが突然目の前を通り過ぎたことも!)



特に北海道大学をサイクリングしたときは敷地内が緑豊かな風景に溢れていて、「こんなところで勉強をしたり、仕事ができる環境であれば心に余裕を持って日常を過ごせるのかな」なんて感じたりしました。

北海道は最近外国人観光客にも人気のある場所で、「雪を楽しめるから」というのはもちろんですが、札幌市の街と自然が調和した雰囲気に外国人観光客も何かシンパシーを感じているのでは?と思いました。


また、札幌でワーケーション滞在をするなかで、日常を豊かにする「選択肢」がとても多い街なんだと感じました。

大自然に気軽に足を運ぶことができる。アートに触れる場所がたくさんある。アクティビティなど楽しむ場所がある。そして、美味しいグルメを堪能できる。観光面でとても充実しています。

また、ワーキング(働く)の側面からは多様なコワーキングスペースや仕事に繋がるような出会いがあり、仕事をする上での環境はもちろん、何か新しいチャレンジがしたい、新しい視点や価値観に触れたいという刺激が、自分から足を運ぶとたくさんもらえる場所だと感じました。


仕事や過ごし方などに多様な選択肢が揃う札幌市。今回のワーケーション体験では私だけでなく様々なバックグラウンドを持つ個性豊かなクリエイターたちが集まりました。

彼女彼らは動画クリエイターやWebデザイナー、執筆家など、仕事内容や働き方、活動時間もバラバラ。ですが、それぞれが自分たちの過ごしやすい場所を見付けてのびのびとワーケーション滞在をしていました。

そんな型にはまらない生き方をするクリエイターたちにとって、様々な過ごし方の選択肢がある札幌市はぴったりな場所だと思います。

札幌市ワーケーション特設サイト公開

今回体験した札幌市でのワーケーションの体験記事やイベント記事を読んだり、ワーケーションに適したホテル・コワーキングを知ることができる特設サイトがオープンしました。札幌でのワーケーションのイメージが湧く内容になっていますので、ぜひご覧ください。

札幌市ワーケーション特設サイト

All photos by Eri Miura

ライター
三浦 えり フォトグラファー

雑誌、webメディアを中心にフォトグラファーとして東京で活動中。ポートレートと季節を掛け合わせた写真を個人の作品として制作したり、社会課題、特に女性の生き方について写真で向き合うことに挑戦しています。趣味は美術館めぐりと将棋鑑賞。

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