3000年以上に渡り独立を維持しアフリカ最古の独立国と言われるエチオピアは、国土の大半がエチオピア高原を中心とする内陸国です。
人類史上最も古い化石遺骨「アウストラロピテクス(ルーシー)」が発見されたオモ川流域をはじめとして、9ヶ所の世界遺産があります。まとめてご紹介しますので、ぜひ旅行の参考にしてください。
アクスム
アクスム王国はかつてのペルシャ帝国に対抗するビザンチン帝国の半同盟国としてこの地で栄えたキリスト教国です。原因は不明ですが7世紀に没落し、エチオピア帝国の中心地はアクスムから内陸部へと移行しました。
主な遺跡はステッレと呼ばれるオベリクスで、最も高いエザナ王のものは24メートルに達します。1980年に世界文化遺産に登録されました。
アワッシュ川下流域
1974年、アワッシュ川の下流周辺で、アウストラロピテクス・アファレンシスの化石人骨が発見されました。当時40人分の骨が見つかったものの、そのうちの一体は奇跡的にも約40パーセントの骨が残っており、ルーシーと名づけられました。
人類の進化課程を考察するにあたり貴重な発見となり、この一帯は1980年より世界文化遺産に登録されています。
コンソの文化的景観
乾燥した自然環境を持つコンソ高原地帯で400年以上に渡って受け継がれてきた伝統文化や生活習慣が2011年に世界文化遺産に登録されました。
要塞化された村落には石垣による段々畑があり、その中で人々は農業を中心に昔ながらの生活をしています。また、崇敬された人の死後、ワーガという記念木像を作る風習も受け継がれており、消えつつある葬送儀式の伝統を示しています。
ラリベラの岩窟教会群
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エチオピア高原にある一枚岩を掘り下げて建築されたエチオピア正教会の教会堂群。11もの教会は12世紀から13世紀にかけてザグウェ朝のラリベラ王の命により築かれました。第二のエルサレムを目指して建設されたこの地は、現在もキリスト教の信仰の地となっており巡礼者が多く訪れています。1978年に世界文化遺産に指定されました。
オモ川下流域
アウストラロピテクスやホモエレクトゥス、ホモハビリスなどの人類の祖先となる先史人の化石が発見され、世界遺産に登録された一帯です。ホモ・ハビリスが使用したと考えられている最古の石器も発見されました。