旅グッズを探していたりする時、特にレインウェア用品売場で「GORE-TEX」というタグを良く見かけると思います。しかもGORE-TEXのタグが付いているものは他のものと比べるとちょっと高い。なんだか雨に強い高性能のものだということは知っていても、GORE-TEXって一体なんなのかわからない人が多いと思います。
今回は、そのGORE-TEXについて、できるだけ専門用語や数値などを使わずに解説しようと思います。
GORE-TEXは素材の名前
GORE-TEXとは、機能の名前というよりも素材の名前です。洋服でいう綿やナイロンといったものの一種。GORE-TEXのタグが付いていたら、それはGORE-TEXという素材が使われているよという証拠です。
素材の穴が水より小さく水蒸気より大きい
粒子の話になりますが、水蒸気つまり気体の粒子は液体である水のものよりも小さいです。中学生の時に理科で習った分子の結びつきの違いですね。GORE-TEX素材は、「水は通れないけど水蒸気だったら通れる」レベルの穴が無数に開いているのです。
なんでもない普通の雨合羽を着ると、雨は防げているけど、合羽の中が蒸れて汗だくということになったりしますよね。それは合羽の素材が、体から自然に発生している蒸気の通り道さえ塞いでしまっているからです。GORE-TEXはその水蒸気が通れる穴があるので、蒸れないのです。
GORE-TEX製品は(ほとんど)3層で構成されている
今までGORE-TEXといって説明してきた素材は「膜」のようなもので、この膜が非常に脆い。そのままではすぐにズタボロになって使い物にならなくなってしまいます。この理由から、この膜は表と裏にそれぞれ違う性能を持った生地を貼り付けて3層構造になっています。
表面は外からの汚れを守る鎧
表面は外気に触れますので雨風に打たれたり、砂埃にまみれたりします。表面の素材はそれらを防ぐいわゆる鎧的な役割を果たしています。それと、もう一つ大きな役割が「撥水性能」です。水が表面に当たるとコロコロ〜って落ちていくアレです。
これは生地の「水の弾き易さ」の特徴なので、埃で汚れたり、大量の水を受けたりすると性能が落ちていってしまうので要注意です。
裏面は内側からの汚れを防ぐ
表面はいわゆる外からの汚れを防ぎますが、汚れは内側からもやってきます。身体から出る汗であったり、蒸気であったりです。これらから内側の膜を守るのが裏面の役割です。