編集部

こんにちは、旅を広める会社である株式会社TABIPPOが運営をしている「旅」の総合WEBメディアです。世界一周のひとり旅を経験した旅好きなメンバーが、世界中を旅する魅力を伝えたいという想いで設立しました。旅人たちが実際に旅した体験をベースに1つずつ記事を配信して、これからの時代の多様な旅を提案します。

この記事では、TABIPPOがつくりあげた3冊目の旅の本、『女子が旅に出る理由』のコンテンツをTABIPPO.netをご覧の皆様にもご紹介したいと考え、本誌に掲載している一人旅体験記を厳選して連載しています。

今回の主人公は、中東を1人で周遊した徳成祐衣さん(当時21歳)です。

 

世界には、様々な理由やきっかけによってを一人旅を決意して、自分の心と体で世界を感じてきた女の子たちがいます。

手に入れたのは、どんなに高価なアクセサリーよりも魅力的な自分らしさ。

そんな女の子たちが、初めての一人旅のときに「なぜ旅に出て、どう変わっていったのか」。

すべての女性に読んでほしい、女の子一人旅ストーリーをまとめました。

 

\こちらの記事は、書籍化もされています/

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心に吹いたイスラムの風 「アッサラームアライクム」。

「アッサラームアライクム」。

今日も一日あなたに平和が訪れますように。

そんな挨拶で始まるイスラムの国々。こんなにも自分が魅了されてしまうなん て、これっぽっちも思っていませんでした。

イスラムの世界との初めての出会いは、「世界青年の船」への参加でした。大きな客船に乗って、世界中から集まった文化も言語も違う 200 人の青年たちと 3 ヵ月間の共同生活をする。

参加国は、バーレーン、チリ、コスタリカ、フィジー、日本、ケニア、メキシコ、ニュージーランド、スリランカ、トルコ、UAE。

海の上での船上生活は、まるで一つの小さな世界をみんなでつくり上げているような感覚でした。

そして私は、この船に乗って初めて、雪を見たことがない人がいることや、お祈りを1日に5回もする人がいること、テキーラをあんなに飲める人がいることを知りました。

 

自分にとっての当たり前が、相手にとって当たり前でない。 そんな当然すぎることすら私は知らなかったのです。

部屋割りを見ると、偶然にも私のルームメイトはバーレーンから来た女の子でした。日本人にとってなじみが薄いイスラム教、アラブの国々、戒律や文化。

(イスラム教ってこわそう…)
(中東って危ない国じゃないのかな…)。

私も正直、そんな固定観念を持った一人でした。しかし、世界青年の船で初めて彼らの心に出会い、新鮮な風が吹いたような気がしました。

 

アラブの世界を巡る旅へ

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photo by erwinsoo

弱い者に手を差し伸べる心、自分らしさを大切にする姿勢、どこか日本人と似ているおもてなしの気持ち。

「僕たちの一つひとつの行動や姿勢は、イスラム教の教えによるものが根幹にあるんだよ」。

船の上で出会ったイスラムの人々は、みな優しくそう話してくれました。以来、私はアラブの世界の魅力にとりつかれ、UAE、バーレーン、ヨルダン、イスラエル、トルコの5ヵ国を 訪れることになりました。

 

同じアラブでも違う世界

UAE。アラブ首長国連邦。名前だけ聞くと砂漠の中のアラビアンナイトの世界しか想像できなかったけれど、実際に訪れてみたその国は、大都会。

世界中から人が集まるダイバーシティーでした。石油資源の豊富なバーレーンも同じ。

しかし、次に訪れたヨルダンは違いました。これぞアラブという国。アラブの匂いに囲まれ、街を歩く人もみんなヨルダン人。

アラビア語であふれた街は、看板もバスの行先もなんにも読めませんでした。

空港を出てまず感じた印象は、女性があまり外にいないこと。女性はみんなヒジャーブ(髪の毛を隠すスカーフのようなもの)を巻いていました。

私は、できるだけ現地の人の生活を見てまわりたかったので、Twitterで知り合いになった、青年海外協力隊として赴任していらっしゃる方にお会いし、ヨルダンにあるパレスチナ難民キャンプに連れて行っていただきました。

 

「パレスチナ問題」とは、一言でいうと、パレスチナの土地はアラブ人(パレスチナ)のものであるのか?ユダヤ人(イスラエル)のものなのか?という紛争のこと。

全世界に400万人のパレスチナ難民がいます。ヨルダンにはそのうち40万人ほどいると言われていますが、実際はもっと多いようです。

難民キャンプとは言っても、想像とは異なるもので、中には市場があったり、たくさんの路面店があり、多くの人でにぎわっていました。

自治区には学校もありました。かわいいペイントがあったり、落書きがあったり、小学生から高校生までが日本の学校と同じように学んでいました。

 

イスラエルがくれた驚き

次に行ったイスラエルも、強烈な印象を与えてくれました。

・イスラエルに入国して驚いたこと1。

女性が超美人! なぜだかはわかりませんが、出入国ゲートには女性が多く働いており、みなさん金髪美女。これが初めての驚きでした。

・イスラエルに入国して驚いたこと2。

ここは中東なのか !? そう疑いたくなるほど、目にする街並みや人々の格好、言語はまるでヨーロッパかのような印象でした。

・イスラエルに入国して驚いたこと3

イスラエルの女性は割とラフ! ヨルダンをはじめとするアラブ諸国の女性は、ヒ ジャーブというスカーフのようなもので全身を覆っていますが、イスラエル人はそうでもない。でも、実は女性は結婚すると、髪を他の男性に見られないようにするためにカツラを被るそうです。新事実。

 

ユダヤ教、嘆きの壁、難民。日本にいるとなんだか遠すぎる話題。ユダヤ人がつくり上げた国がイスラエル。

全人口の4 分の3がユダヤ教。残りはイスラム教、ドルーズ教、キリスト教徒などに分かれます。何とも言えない複雑な空気感、緊張感、 街並み、言葉、歴史を感じることができました。

 

日本大好きなトルコ人

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photo by pixta.jp

そして、最後に訪れたのがトルコ。

世界遺産に囲まれたイスタンブールの街並みが素敵。親日家で優しく、フレンドリーなトルコ人が大好きになりました。

ただ広場を歩いているだけで、一緒に写真を撮ってほしいとトルコ語で話しかけられたり、泊まるところを探していた時も日本語で話しかけてくれて、結局帰国までお世話になりました。

トルコでは英語があまり通じません。でもなぜか日本語を話せる人はけっこういます。代々みんな日本が好きだったり、友達つながりで日本が好きだったり。

日本を好きな人が遠く離れた中東の国にいるなんてなんだかとても嬉しかったです。

 

東洋と西洋の文化の融合地。シルクロードの始まりの地。

ヨーロッパでもアジアでもない、独自の文化を持っている国。とにかく食べ物がおいしい!

トルコ料理は世界三大料理のひとつです。肉はラム肉。ケバブが絶品。食べないで帰るなんて損でしかないので、太るのは覚悟です。

それからトルコは比較的、宗教への信仰心が薄く、ビールを飲んだりタバコを吸うムスリムが多く見られ、女性もヒジャーブをしていない人がいました。

 

隠された女性の美しさって?

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photo by shutterstock

5ヵ国を巡るアラブ世界への旅を終えて、何より私の心に残ったのは「女性」としての生き方そのものでした。

編集部

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