旅をしているといろいろな自然を眺める機会が多いですよね。島が浮いてるかのように澄んだ海や、湿潤な深い森をたたえた青い山を眺めると、大自然をとても愛おしく思います。
その反面、途上国の街角にてゴミが路上に散乱し、汚水がそのまま排水されている風景を見ると、人間の傲慢さを感じます。
このように旅には、日常生活よりも環境問題について触れるチャンスが多くあります。
実は私には旅先で環境問題の責任を痛烈に問われた考えを一変させられた出会いがありますので紹介したいと思います。皆さんもそれぞれの思いを巡らせ、それが行動に繋がれば幸いです。
旅の経緯
photo by TKY
その旅はインドネシアに浮かぶ小さな島を開拓しながらのサーフトリップでした。この日も陽が沈んだのでサーフィンを終え、食堂を探しているところでした。
青年との出会い
photo by TKY
インド洋に浮かぶ小さな島には街灯なんてありません。ジャングルの中に食堂があればすぐにわかります。
賑やかに談笑してるその3人組はこちらに気づき、目が合うなり大きく手を振って私たちを招いてくれました。その歓迎ムードに甘えて、私たちは彼らと一緒にご飯を食べることにしました。
聞けばその3人は、食堂の主人と友人、そしてモルディブから来ている青年の集まり。
モルディブといえば水上コテージが有名な海の楽園です。サーフィンのポイントとしても有名なので一度は行ってみたいと思っていた場所です。
私はモルディブから来ているサヒムというその青年に興味をもち、夢中で話しかけました。母国の美しさを誇らしげに話すサヒムの話を聞けば聞くほど、ますますモルディブへの憧れが膨らみました。
環境問題の提起
なんの考えもなく、単純にモルディブの自然を羨んでいた私。そんな私に、サヒムが突然こう告げました。「10年後はもうモルディブに来るな。」それまでの朗らかだった口調が一変、顔色までも変わったのがわかりました。
突然の変化に解せぬ私。詳しく問うと、「モルディブは海抜が低いサンゴの島なので10年後には海に沈んでしまう。」その原因は地球温暖化、そしてそれに伴う海面上昇。