ライター
Risa スペインとコーヒーが大好き

大学の長期休みに、好奇心だけで海外ひとり旅をはじめてから一人旅にどはまり。たくさんの国を一気に見るというよりは、1都市をゆっくり、じっくり味わいたい派。現在スペインに長期滞在中。

スペインといえば、サッカーに生ハム、そして情熱的な国民性。これらのイメージは本当なのですが、もちろん他にも特徴があります。

今回は、スペインの特徴の一つでもあるカトリックのお祭り「セマナ・サンタ」について、筆者が驚愕した経験を含めて、紹介したいと思います。

 

スペインは歴史的にカトリック国

他のヨーロッパ諸国と異なるスペインの魅力といえば、イスラーム様式が混ざった建築物や文化。特に南部のアンダルシア州はその名残が強く、アルハンブラ宮殿などはイスラームカトリック様式の代表と言っても過言ではないでしょう。

しかし歴史的にも有名なレコンキスタ後は、イスラム文化からカトリック文化に移行し、カトリック王国として繁栄しました。そのため、現在ではカトリック教徒が国民の大半を占めます。

現代では毎週日曜日は教会にいって、ミサに参加するほど敬虔な信者は減ってきているのは事実のようです。しかし、この「セマナ・サンタ」は格別で、信者であろうとなかろうと、影響を受けてしまうのです。

 

セマナ・サンタって何?

そもそもセマナ・サンタって何?と感じた方の疑問にお答えしましょう。セマナ・サンタは簡単に言えば、スペイン版のイースターです。

セマナ・サンタを日本語に訳すと「聖週間」。復活祭の前日までの一週間を指し、日付は毎年変わりますが、だいたい3月後半〜4月半ばのどこかです(ちなみにセビーリャだとセマナ・サンタのちょうど2週間後に「フェリア・デ・アブリル」が始まります)。

スペインでは最も有名で、大掛かりな宗教行事で、都市にもよりますが、学校や仕事はまるまる一週間おやすみになります。

この一週間中は毎日、パソと呼ばれるイエス・キリストや聖母マリアがのっているお神輿のようなものと、それの前後にナサレノと呼ばれる独特な衣装を纏った人たちや、ブラスバンドが、街中を練り歩いています。

基本的には、それが保存されている教会から出て、カテドラル(大聖堂)へ行き、またその教会に戻ってくるのがスタンダードのようです。

 

歴史を振り返ってみると……

この伝統的なお祭りの起源は、16世紀の対抗宗教改革の時代にさかのぼります。当時は文字の読み書きができる人が少なかったので、聖書を自らの力で読み、理解する人が少ないのが現状でした。

この課題を解決するために、登場したのがパソです。これらは実は聖書のストーリーに基づいています。つまり聖書のイエス・キリストや、聖母マリアが登場するシーンが描かれているのです。

実際によく見てみると、イエス・キリストや聖母マリアの表情や動作が一つひとつ異なります。特に聖母マリアは、イエス処刑後は涙を流しており、とても悲しげな表情を浮かべています。

 

体験する前の恐るべき噂たち

セマナ・サンタが始まる前に、現地スペイン人からの評判は恐ろしいものでした。

「セビーリャのセマナ・サンタはカオスだよ。人が多すぎて動けないから。同じ道を通るのに、いつもの4倍の時間がかかる」

「え、セマナ・サンタ?わたしは実家に帰るよ。だってセビーリャにいたら何も身動き取れなくて大変だから」

「わたしはセマナ・サンタが好きではないよ。人がいつもと違ってイライラして、喧嘩が起こることも頻繁だよ。あと、動けなくて怪我をする人もいるみたい」

同時にすごくいい評判も聞きました。

「セマナ・サンタは素晴らしいよ。街中が神聖な雰囲気に包まれるから、とても幸せな気分になる」

筆者が留学していたセビーリャは特に、このセマナ・サンタの規模が大きいことで有名で、この一週間を迎えることにワクワクする気持ちと、よくも悪くもドキドキした気持ちが共存していました。

実際にスペイン人でも好き嫌いはきっぱり別れるようで、ファンは毎日パソを見に街の中心へ行く人もいれば、絶対に中心には近寄らず、徹底的に避けている人もいました。

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Risa スペインとコーヒーが大好き

大学の長期休みに、好奇心だけで海外ひとり旅をはじめてから一人旅にどはまり。たくさんの国を一気に見るというよりは、1都市をゆっくり、じっくり味わいたい派。現在スペインに長期滞在中。

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