9月1日-2日に開催される「旅祭×PEACE DAY」。初日の目玉のひとつとして、トラベルフォトグラファーの伊佐知美さんと古性のちさん、そしてふたりと同じく#えいとびたーの住人であるTABIPPO.NET編集長・前田塁のトークライブを予定しています!
今回は、トークライブの“予習”を兼ねて、伊佐さんと古性さんに世界一周のエピソードや今後10年のビジョンを伺いました。
伊佐知美ってどんな人?
photo by nochi kosho
旅するエッセイスト、フォトグラファー。2016年4月〜世界一周、2018年6月〜世界二周目の旅へ︎ 旅のテーマは「暮らすように旅をする」。仕事をしながらずーっと世界をふらふらしています。これまで訪れたのは45ヶ国110都市ほど。
『灯台もと暮らし』創刊編集長、オンラインコミュニティ「#旅と写真と文章と」主宰、世田谷の旅人シェアハウス「#えいとびたー」など。著書に『移住女子(新潮社)』。2018年翻訳版が出るよー!新メディア「May」がスタートしました。
Twitter:@tomomi_isa
古性のちってどんな人?
photo by tomomi isa
1989年生まれ。トラベルグラファー・バイヤー・ライター。世界中に眠るときめきの種を集めながら旅をしています。美容師→Webデザイナー→Webライターと転職を繰り返してきた異色の経歴の持ち主。
2016年に株式会社LIGでのデザイナー・ライター経験を経てフリーランスとして独立し、そのまま世界一周へ。今まで旅した国は20カ国34都市。現在は日本半分、世界半分で生きてます。
2018年にときめきをアウトプットするコミュニティ「.colony」を運営スタート。現在は7度目の旅する写真とことばの個展「まるで呼吸をするようび旅をしていた」をおふろcafeutataneにて開催中(2018年7月〜)
Twitter:@nocci_84
前田塁ってどんな人?
photo by nochi kosho
1987年、大阪府生まれの三重県育ち。株式会社TABIPPOでWebメディア「TABIPPO.NET」の運用と開発が得意な編集長やってます。慶應義塾大学卒、ニューヨーク交換留学、大阪ガス、オプト勤務を経てTABIPPOを創業しました。
51ヶ国訪問、世界二周して、ワークライフカオスに生きてます。最近はWebメディアの仕事以外にも、コンサルやったり、ラジオのパーソナリティーしてますが、次の夢は宇宙飛行士です。
Twitter:@NY_ruisu
古性のちの世界一周
photo by nochi kosho
前田 塁(以下、ルイス):今日はよろしくお願いします。のちは、2016年の6月に世界一周してたよね。
古性 のち(以下、のち):デザイナー、ライターとして働いていた株式会社LIGを退職した翌月に行きました。高校生のころから世界一周が夢だったので、2016年に世界一周すると決めていて、それを伝えた上で入社していたんです。
ルイス:働きながら世界一周の準備をしてたの?
のち:実は、なかなか行く気持ちになれなかったんです。でも、宣言して入社したから、同僚から「そろそろだね」と言われたり、「世界一周行ってらっしゃいパーティー」を開いてもらったりして、追い込まれるように出発しました(笑)。
ルイス:それは珍しいね。仕事や恋人を振り切って旅立つ人が多いのに。
のち:しかも、世界一周が初めての海外旅行でした。「出発しちゃった! どうしよう」と言ってるうちに1か国目のフィリピンに着いた感じです。怖くて、空港でバッグを胸に抱いたまま動けなかったほどです。それから結局、7か月かけて17か国をまわりました。
ルイス:そんなノリで出発したのに、意外と長かったね。どの国に一番長く滞在したの?
のち: 1か国目のフィリピン、セブ島です。1か月語学留学しました。というのも、世界一周することを友だちに伝えたところ、「死んじゃうよ!語学学校に通って」と心配してくれて。学校を紹介してくれたんです。
ルイス:今は1か月も旅しないと具合が悪くなるのちも、最初はそんな感じだったのね。伊佐さんは世界二周目から帰ってきたばかりだけど、世界二周目は突然の旅立ちでしたよね。
伊佐知美の世界二周目
photo by ruimaeda
伊佐 知美(以下、伊佐):初めての世界一周は、2016年4月の出発でした。そこから旅をしながら仕事を続けています。
今回はルイスくん(注:前田)がユーラシア横断の旅に出るということで、ドイツで合流することを決めて旅立ちました。まずは、ずっと行きたかった南米へ。アメリカから入って、2か月かけてメキシコ→キューバ→ペルー→コロンビア→スペインと回ってドイツでルイスくんと会って、ポーランド→ハンガリー→トルコ→ロシアと旅して帰ってきたところです。
ルイス:ベルリンで無事に合流できたときは、感動しましたよね!
伊佐:本当に!現地で友だちに会うって楽しいなと思いましたね。
ルイス:伊佐さんは体が強くないから、南米の高地に行くって聞いてすごく心配で。
伊佐:ルイスくんにアドバイスされて、マチュピチュ村に4泊して温泉につかってきました。マチュピチュ村ってふつう日帰りで行くところなのに、ずいぶん満喫しちゃった。
旅祭2018×PEACE DAYの開催に向けて
ルイス:ふたりには旅祭に出演してもらうわけだけど、のちは旅祭に参加したことがあるよね?
のち: そう!2014年の旅祭に参加しました。世界一周に憧れたのは高橋歩さんがきっかけだったので、歩さんのトークセッションを見て、「高橋歩さんって実在するんだ!」と感激してしまって。話しかけることもできず、隅からこっそり見ていました。
ルイス:旅祭に参加する前後で、気持ちの変化はあった?
のち:世界一周した人、したい人ってこんなにたくさんいるんだと驚きました。思い返せば、旅祭に参加したことがきっかけで、世界一周を決めましたね。
ルイス:伊佐さんは、今回はじめての参加ですよね。
伊佐:旅祭の時期は仕事が繁忙期で、取材に行ってることが多かったんです。ただ旅祭に参加してる友だちは多くて、SNSで様子を見ては「楽しそう!」と思ってました。今回参加するのが本当に楽しみ!
のち:楽しみですよね。何を話そうかな。でも、あれだけ盛り上がるイベントを主催するとなると、準備が大変そう。
ルイス:たしかに大変だけど、毎年「やってよかった!」と思いますね。準備が大変なのは、のちの写真展とちょっと似てるかも。設営をして、お客さんの対応をしてという流れは同じですよ。のちはいま写真展やってるんですよね?
のち:旅することばと写真展「まるで呼吸をするように旅をしていた」を開催中です。世界一周で撮りためた写真と言葉の展示で、長野、京都、岡山、福岡、沖縄、東京と旅をしながらお届けしてきました。8月25日(土)まで埼玉のおふろcafé utataneで開催しているので、ぜひお越しください!
世界一周中に印象に残っている国はどこ?
photo by nochi kosho
ルイス:今までで一番印象的だった国はどこでしたか?
のち:定番だけど、インドかな。インドって、パクチーに似てると思うんです。初めてインドに行ったときは大嫌いだったのに、2回目に行ったときに大好きになってしまって。パクチーも同じで、最初はびっくりするけど、だんだん癖になる味ですよね。
ルイス:なるほど。インドのどういうところが気に入ったの?
のち:日本だと、満員電車で向かい合ってる人とは目を合わせないようにしますよね。でもインド人は顔を近づけてじっと見てくるし、「チャパティー食べる?」って言われたり、「お前の聞いてる音楽は何だ?」って聞いてきたり(笑)。「私、ここにいていいんだ」っていう安心感があって好きですね。
photo by tomomi isa
photo by tomomi isa
ルイス:伊佐さんはどうですか?
伊佐:私はモロッコかな。イスラム圏に入ると、文化がガラッと変わりますよね。その感じが、旅をしている実感があって好きです。特にモロッコは雑貨がかわいいし、人もよくて。
1年半前に行ったときは、バブーシュ(スリッパサンダル)とジュラバ(民族衣装)、ポーチ、アルガンオイルを買い込みました。
ルイス:9月にモロッコツアーに行くから、またたくさん買えますね。
伊佐:9月の3連休を含めた10日間で、旅工房さんとコラボレーションしてモロッコツアーを開催します。大きい車をチャーターして、参加者9名と一緒にシャウエン、フェズ、メルズーガ、アイト・ベン・ハッドゥ、マラケシュとモロッコを一周する予定です。高級ホテルを体験したり、砂漠でキャンプしたり、私が参加者さんのプロフィール写真を撮影したりもします。
2028年までどう生きる?
photo by ikeda kouki
ルイス:旅を仕事にして生きているふたりだけど、10年後の2028年まではどんなふうに生きていきたいですか?
伊佐:私は、世界の旅と、著書を出す、著書が翻訳されるという夢が叶ってひと段落したところ。今年の予定は決まってきていますが、これから10年間の予定は未定にしておきたい気持ちもあります。
のち:「やりたいな」というレベルだと、どうですか?
伊佐:そうですね。あえて言うなら、今までのせわしなく移動する旅から、ひとつの街に長期滞在するスタイルに移行したいかな。私は「#旅と写真と文章と」という名前のオンラインコミュニティを主宰しているのですが、今後はその3軸をもっと大切にしていきたい。
個人サイト「May(メイ)」で、旅先のガイドブックを公開したり、現地の素材を使ってモノづくりをする様子をシェアして最終的には販売したり。今は日本語での仕事が多いので、英語やスペイン語など外国語でやりとりできるようにもなりたいな。
あとは、えいとびたーを横展開させて、愛せる街とコミュニティを増やしながら、「旅と仕事と暮らし」ともっと仲良くさせていく(笑)。
photo by ikeda kouki
のち:実は最近肩書きを「トラベルグラファー・ライター」よりも前に、「ときめき収集家・編集者」って名乗りはじめて。20代も今年で終わりなので、改めて「自分はどんな生き方をしていきたいかな」って考えたときに、私はこれからも、自分の中にある「ときめき」をエネルギーに、写真であったり、アクセサリーであったり、そういうものに再編集して生きていきたいなあって思ったんです。
だけどそれをずっとひとりでやっていくイメージはなくって。同じように自分の中のときめきを信じて、何かアウトプットしていく仲間がほしいなあと思い、今年「.colony」という名前でオンラインコミュニティを立ち上げました。
今後はこの場所を軸に、いろんなアウトプットをしていきたいなあと考えています。また、ずっと興味のあった「循環型ビジネス」にも30代は挑戦していきたいなあと思っていて。自分の中だけではなくて、きちんと自分の仕事が地球に還っていくような事業が作れたらいいなあと、考えています。
ルイス:2人とも、この先の10年も旅は続けますか?
のち:もちろん! いろんな国に行っていろんなものを見つけたいですね。
伊佐:旅をしなくなるイメージはないですね。宣言するまでもなく、人生のベースとして旅があります。
ルイス: 10年前のことを思い返してみると、僕はTABIPPOを立ち上げたころ。状況はずいぶん変わってるものの、旅が好きなことは変わらないですからね。