みなさん「キリル文字」を見たり、聞いたりしたことはありませんか。キリル文字は主にロシアや東ヨーロッパで使われています。一般的なアルファベットに似ている文字もあれば、数字の「3」のような不思議な文字もあります。
今回は読めたら楽しいキリル文字の世界を紹介します。
そもそも、キリル文字を使っている国は?
Photo by Nitta Hiroshi
そもそも、キリル文字を使っている国はどこでしょうか。公用語でキリル文字を使っている国を書き出してみましょう。
このように書き出してみると、東ヨーロッパや旧ソ連諸国で使われていることがわかります。上記に書いていない旧ソ連諸国であっても、バルト3国を除く国々ではキリル文字がよく見られます。
一方ボスニア・ヘルツェゴビナであっても、ボスニア人やクロアチア人の居住エリアではキリル文字は見られません。同国では、セルビア人がキリル文字を使っています。
例外的な国はモンゴルでしょうか。モンゴルは独立以来、旧ソ連の影響を強く受けた国のひとつ。そのため、今でもモンゴルではキリル文字を使っています。一方、中国の内モンゴル自治区ではキリル文字は使っていません。
旧ソ連の共和国であったモルドバ、アゼルバイジャン、ウズベキスタン、トルクメニスタンでは独立以降、それぞれの民族語の表記がラテン文字に変わりました。文字は国家・国民のアイデンティティーのひとつ。「たかが文字、されど文字」という感じですね。
それではキリル文字を読んでみよう
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キリル文字が読めたら、とても楽しいです!さっそく、キリル文字を使うロシア語のアルファベットと呼び方をチェックしましょう。
国によって文字が少しだけ異なりますが、ロシア語のアルフェベットを覚えておくと便利です。この中で注意したいアルファベットはВ(ヴェー)とР(エル)です。В(ヴェー)の発音は英語の「V」とよく似ています。また、Р(エル)の「ル」は巻き舌になります。
なお、私は大学の第二外国語としてロシア語を勉強しました。アルファベットをマスターするのに要した時間は1ヶ月。苦労しましたが、スラスラと読めたときは感動しましたね。
基本的に文字通りに読めばOK ただし、ロシア語は注意!
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キリル文字のアルファベットが読めるようになったら、単語を読んでみましょう。基本的に文字どおりに読めばOKです。セルビア語を例に出して説明します。
村:Село(セーロ)
町:Град(グラード)
ベオグラード:Београд(ベオグラード)
白い:Бели(べーリイ)
いかがでしょうか。アクセント部分は少しだけ長く読むように意識しましょう。なお、セルビアの首都、ベオグラードはこれらの単語からわかる通り「白い町」を意味します。
さて、ロシア語は少しだけ注意が必要です。基本的には文字どおりに読めばいいですが、いくつか例外があります。