沖縄本島北部の本部(もとぶ)半島の沖合い約7キロにある小さな離島・水納島(みんなじま)は、島の形がクロワッサンに似ていることから「クロワッサンアイランド」として親しまれている離島です。
沖縄美ら海水族館や備瀬のフクギ並木などの人気観光地のある本部町から船で片道15分というアクセスの良さやその美しい海を求めて、夏の時期には多くの観光客で賑わいをみせています。
そんな人気の離島・水納島に冬の時期に宿泊すると……。そこには、冬だけしか味わえないたくさんの魅力が詰まっていました。
水納島までのアクセス情報
まずは、水納島までのアクセスについて。
水納島までは、沖縄本島北部・本部町(もとぶちょう)にある渡久地(とぐち)港から、船でアクセスが可能です。渡久地港へは、那覇空港から車で約1時間30分。
時期によって便数は変動しますが、冬の時期は1日3便が往復しており、約15分の移動時間です。
夏と冬のギャップに驚愕!島ぜんぶを独り占め
船に乗り込んだ時から薄々感じていたのですが、冬の水納島には観光客がほぼいません。私は夏の時期しか水納島に行ったことがなかったので、これにはとても驚きました。
その証拠に、同じ角度から撮影した桟橋近くの砂浜(水納ビーチ)は、夏の時期にはご覧の通り、カラフルなパラソルが並び海には海水浴やマリンアクティビティを楽しむ観光客でとても賑わっています。
夏には監視員が座る高見台に登り、ぐるっと360度見渡してみても誰もいません。
これはひょっとして、島を独り占めできるのでは……。たった一人だけの冒険の始まりにワクワクとニヤニヤが止まらない私であります。
小さな離島でたった一人の大冒険がスタート!
水納島は小さな島なので、徒歩で島を隅々までまわることができます。まずは「西の浜」を目指します。道なき道を歩く、まさに大冒険という感じです。
西の浜では、伊江島や海を見渡せます。西側に位置するのでサンセットも見られる場所ですが、今回はあいにくの天気で眺めることはできませんでした。
岩の間からパシャリ!ゴツゴツとした尖った岩が多い場所なので、訪れる際はマリンシューズがおすすめです。
次に訪れたのは、地図上では「名もなきビーチ」と記されている場所。島のちょうど真ん中、湾になっている浜辺になります。訪れたときは潮が引いていて、潮干狩りを楽しみました。
小さくて可愛いヤドカリを見つけました。そのほか、シオマネキやミナミトビハゼ(沖縄方言でトントンミー)など様々な生き物を観察することができますよ。
鏡のように水面に映る私の影。こういった面白い写真も撮ることができます(私はウユニ塩湖ごっこと名付けて遊んでいます)。
続いてやってきたのが「カモメ岩のビーチ」と呼ばれる場所。海にぽつんとあるのが、カモメ岩です。カモメの形をした岩なのかな?と思っていましたが、見た感じではそうではなく。
ではカモメが巣を作る岩場なのかな?とも思いましたが、実はカモメではなくアジサシの群れが巣作りするそうで、島の誰かが間違えて言ったのがそのまま名前になったとのことでした。
地図に載っていた島のスポットはこれですべて制覇したと思ったのですが、島の人から地図には載っていないおすすめの場所を教えてもらい、その浜にも行ってみることにしました。島の東側から小高い丘を登り、海に向かって下りていくと、これぞ離島という青い美しい海と白い砂浜が見えてきました。
白い砂浜が続く波打ち際を散歩。「こんな場所が水納島にあったなんて」と、美しい景色に心と体も癒されます。また新しい気付きを持ち帰ることができました。
宿泊者のみ味わえる「島のおもてなし」と「島の風景」
この旅では、「コーラルリーフ・inn・ミンナ」に宿泊。夕ご飯では、島で獲れたシャコガイなどの海の幸が味わえました。地元の食材を使った料理がゆっくりといただけるのも、島に宿泊をする魅力のひとつだと思います。
夜の集落を散策することも、島に宿泊しないとできないこと。街灯の灯りはほとんどなく、島全体が真っ暗です。そのため、天候に恵まれれば満天の星空、時期によっては天の川が見られるそう。
朝方に島を散歩してみると、夜に降った雨が朝日に照らされてキラキラと輝いていました。早朝の美しい景色も宿泊したからこそ見られるのだなと思うと、得をした気持ちになります。
朝の散歩途中、可愛いシーサーを見つけました。島の集落内では、ほかにも変わった姿をしたシーサーたちをたくさん見つけられたので、ぜひ皆さんも探してみてください。
「クロワッサンアイランド」から「バタフライアイランド」
朝の散歩をして気付いたのですが、水納島ではたくさんの蝶々に出会うことができます。
おもに見ることができるのは、美しい水色の羽をした「リュウキュウアサギマダラ」という蝶です。都会では見る機会が減った蝶ですが、水納島では至るところでヒラヒラと飛んでいます。
水納島ではそのほかにも、沖縄の「県蝶」にも指定されている「オオゴマダラ」を見ることができます。日本の蝶としては最大種のひとつであり、黄金色に輝くさなぎから「見たものに幸福を届ける」と言い伝えられる縁起のよい蝶です。
島では、このオオゴマダラの幼虫が食す「ホウライカガミ」を植え、その生息数を伸ばそうという活動を行っています。たくさんの蝶々が羽ばたく「バタフライアイランド」と呼ばれる日も近そうです。
島の唯一のお土産に、旅の思い出を書き残す
島で唯一お土産を購入できる「海と島の雑貨屋さん」で、島のポストカードと可愛いスタンプを購入しました。
現在はお店の中で購入することはできないので、事前にWEBサイトや電話で注文をしてから受け取りもしくは郵送となりますのでご注意を。
旅の思い出って写真で残すことはたくさんありますが、書き残すことはほとんどないですよね。その時々にしか感じられない想いや出来事を書き記しておくのは、おすすめです。旅を終えてしばらくして読んでみると「旅先でこんなことあったね」「こういう感情だったんだ」と当時の私に出会えるようで、とても面白いです。
冬の水納島を初めて訪れた私ですが、やはり観光客が誰もいない「島を独り占め」できるのが大きな魅力です。
誰の声も聞こえない、自然の音だけが私を包み込む。これぞ究極の癒しだと思います。
冬の沖縄は曇り空の日が多く、今回の旅も晴天とはいきませんでしたが……。
晴天ではなくとも、朝日に照らされ葉っぱの上でキラキラと美しく輝く雨露や、美しい羽の色を羽ばたかせる蝶に代表する島に息づく生き物の姿、そしてどこまでも広がる青い海など、自然が織り成す美しい景色を見ることができる素敵な季節であることには変わりありません。
冬の離島の魅力が少しでも伝わればとても嬉しいです。水納島は、本島からのアクセスがよいので、ぜひ訪れてみてください。
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