こんにちは、絶景ハンターのまゆみです。
ようやくコロナ禍ムードも雪解けを迎え、これまでの鬱憤を晴らすべく、インバウンド・アウトバウンドともに全国の観光名所が活気に包まれていますね。
そんななか、再び巻き起こりそうなのが「離島ブーム」です。じつは東京湾にもたったひとつ、自然島が浮かんでいるのをご存じですか?
今回は、ジブリ不朽の名作『天空の城ラピュタ』を彷彿とさせるとしてSNSで人気に火がついた「猿島」についてご紹介します。
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猿島とは
Photo by 横須賀メディアライブラリ
横須賀港から東の沖合約1.4㎞、フェリーでわずか10分のところに浮かぶ無人島「猿島」。
島の周囲約1.6km、面積約0.055平方kmと東京ドーム1個分ほどの小さな島は、東京湾に浮かぶ唯一の自然島であり、また近年では年間20万人以上が訪れる一大リゾートアイランドとして知られています。
※引用元①:猿島未来宣言2030
※引用元②:神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙 タウンニュース
Photo by Mayumi
猿島の由来は鎌倉時代にさかのぼります。日蓮宗の宗祖・日蓮上人が房総半島から鎌倉へ海を渡る際、嵐に遭遇して猿島に漂着。そこに一匹の白猿が現れ、日蓮上人を島の奥へ導いたという言い伝えから「猿島」と呼ばれるようになったと言われています。
やがて時代は下って近代日本。主に明治から昭和初期の終戦にかけて、旧陸・海軍により軍事要塞化が進められます。島内要所には防空砲台や兵舎、弾薬庫、防空指揮所、探照灯(サーチライト)などが設置され、また一方で、一般人の入島は固く禁じられるようになりました。
Photo by Mayumi
戦後まもなくは国の管理下に置かれた猿島でしたが、急速に復興が進む中、一般人の入島が許されるようになり、海水浴場がオープン。ブームに乗って、多くの海水浴客が訪れたと言われています。
その後、1993年(平成5年)には諸般の事情で島が一時閉鎖されるも、1995(平成7)年、島の管理が国から横須賀市へ移譲され、航路の復活や散策路の整備、海水浴場の再開が実現します。現在の豊富な自然と歴史的建造物が混在した海に浮かぶ都市公園として再生しました。
そうして近年では、要塞跡の廃墟感がジブリ作品の『天空の城ラピュタ』の世界観を彷彿とさせるとして一躍脚光を浴び、日帰りで楽しめる手軽さも相まって、さらなる人気を集めています。
猿島の概要
Photo by Mayumi
こちらは猿島の全体マップです。前述の通り、とても小さな島なので散策路や見どころはいたってシンプルでコンパクト。
島内散策は、ゆっくり1周してもおおむね1時間程度です。写真を撮りながらじっくり歩き回っても90分から2時間もあれば満足できるでしょう。
Photo by Mayumi
小さくても、自然に歴史に、見どころ満載の猿島。“オイシイとこどり”して効率的に回りたい方には、猿島を知り尽くした専門ガイドによる2つのツアーがおすすめです。
ひとつは、約30分でポイントだけを押さえた超お手軽島探検ができる「猿島探検ツアー」、もうひとつは普段は立入禁止の弾薬庫や兵舎の見学ができ、島内すみずみまで90分ほど練り歩く「専門ガイドツアー」です。いずれも料金は大人600円なので、予定に合わせてお好きな方をチョイスできます。(詳細はこちら)
気に入ったスポットがあれば、ツアー終了後にゆっくり引き返せるのも、コンパクトな島ならではのメリットですね。
猿島の主な見どころ
見どころ満載の猿島ですが、ここでは特におすすめのスポットをご紹介しましょう。
旧要塞施設が並ぶ「切通し」
Photo by Mayumi
ビーチから史跡エリアに足を踏み入れてまず目に飛び込んでくるのがこの「切通し」と呼ばれるスポット。
かつて使用されていた兵舎や弾薬庫が立ち並ぶ赤レンガ造りの要塞跡で、日本では数少ない「フランス積み(フランドル積み)」と呼ばれるレンガ工法が用いられています。その歴史的な希少価値から国の史跡や日本遺産にも登録されています。
Photo by Mayumi
はびこる苔や無数のシダ植物に覆われた要塞跡にも注目を。この失われた文明的な廃墟感と郷愁がまさにジブリの「ラピュタ」を彷彿とさせます。
ちなみに「切通し」というだけあって、夏場はうだる暑さの他のスポットに比べ、ここだけやけに風が通って涼しいのも特徴です。
レンガ造りのトンネル
Photo by Mayumi
切り通しを進んでいくと、次に現れるのが「レンガ造りのトンネル」です。
入口の幅約4m、高さ約4m、全長約90mのレンガで造られたトンネルは猿島において最大の構造物です。そして、フランス積みレンガ造りのトンネルとしては日本最古(1884年完成)と言われています。
関東大震災でもビクともしなかったというから驚きですね。
Photo by Mayumi
トンネル内は薄ぼんやりと電灯が灯され、旧日本軍の弾薬庫や司令本部跡なども残されていることから、どこかジメっと、ひんやりする感じ。
恋人たちがこのトンネルを通るとき、手をつなぎ、身を寄せ合って通りたくなることから、別名「愛のトンネル」と呼ばれるようになったとか……。ぜひ、意中のお相手がいる方はお試しあれ。
Photo by 横須賀メディアライブラリ
ちなみに、大トンネルを抜けたところもまたラピュタっぽいと人気の高いスポットです。