みなさん、お魚食べていますか?
魚は、日本の食文化になくてはならない存在。ヘルシーで、美容やダイエットにも効果的で、骨を強くしてくれて、頭もキレキレにさせてくれるすぐれた食材です。
そんなお魚たちのなかには、おいしいのに使われない「未利用魚・低利用魚」という、もったいない魚たちがいることをご存じですか?
今回は、漁師さんたちが直面する課題と、フードロス削減に貢献できる、未利用魚・低利用魚を使ったメニューを提供する「漁港の駅 TOTOCO小田原」の取り組みをご紹介します。
見出し
日本の水産業の事情
縮小する年間漁獲高、日本の水産業の実情
日本の漁業・養殖業の生産量の推移 Image by 水産庁「令和4年度 水産白書p.64」
古来、日本の食卓を飾ってきた海の幸。それが今、危機的状況に陥っていることをご存じですか?
上図の通り、年間漁獲量はピークだった昭和59(1984)年の1,282万トンに比べ、令和3(2021)年には421万トンと、ピーク時のおよそ3分の1にまで減少しています。
減少の要因は、排他的経済水域(200海里)の設定により遠洋漁業の漁獲量が制限されたことに加え、海水温の上昇などによる海の環境の変化や乱獲などが影響しているといわれています。
実際、「今年はサンマが不漁」「ウナギが不漁で高騰」などと耳にする機会が増えましたよね。
使われなかった魚が日本の食卓を救う!?未利用魚・低利用魚とは
日本の水産業が低迷しているなか、今注目されているのが「未利用魚(みりようぎょ)」「低利用魚」と呼ばれている、いわゆる”規格外の訳アリ魚”たちです。
「未利用魚」「低利用魚」とは一般的に、食べるとおいしいのに、見た目が悪い、大きさが規格外、トゲや小骨、毒などがあって調理しづらい、まとまった漁獲量が確保できないなどの理由から市場価値が低いとみなされ、一般の流通に乗らず、そのまま海に投棄されたり、養殖魚の飼料にされたりする不憫な魚たちです。
国際連合食糧農業機関(FAO)の推計では、世界中の漁獲量のうち、3割以上もの魚が廃棄されているそうです。
そうしたなかで、SDGsの観点による偏った漁獲の見直し、フードロスの削減、そして漁師さんの収益基盤を支える新たな柱として、じわじわと広がりを見せているのが、未利用魚・低利用魚の積極的な活用です。
近年では、スーパーなどでも未利用魚・低利用魚の取り扱いが徐々に増えているほか、あるレストランでは未利用魚を活用したメニューを提供、またある学校では給食に採用し、切り身のパックをサブスクで販売する取り組みもあれば、産直アプリで未利用魚の詰め合わせを購入できるなど、さまざまな活動が広がっています。