北部はトルコ、東部はイラク、南部はヨルダン、西部はレバノン、イスラエルと国境を接する「シリア」は、大きな騒乱の中にいます。シリアやレバノンを訪れたことのある旅行者からは、「シリアは親切で純朴な人々が住む素晴らしい国だった」と何度も聞きました。
2013年には情勢の緊迫化などを理由に6件の世界遺産すべてが「危機にさらされている世界遺産(危機遺産)リスト」に加えらています。今回は、紛争の終結を願ってシリアに現存する世界遺産をご紹介します。
・首都:ダマスカス
・言語:アラビア語
・通貨レート:1 シリア・ポンド = 0.5 円
・物価:水1500mlで約25シリア・ポンド。食事が50~150シリア・ポンド。安宿300~500シリア・ポンド。
・治安:「退避と渡航延期を勧告します。」世界治安危険度ランキング : 161 位 / 163カ国 シリアの外務省危険情報
・フライト時間:直通なし:バンコク経由やデリー経由やドバイ経由などがあり17時間
・時差:–7時間
・チップの有無:基本不要。気持ちでチップ。
・英語:高級、中級ホテルでは英語は通じるが街中では通じない。
・ビザ:観光ビザ必要。在日シリア大使館で取得。パスポート残存期間は6ヶ月以上。※現在シリアにおける治安情勢の悪化に鑑み、在シリア日本国大使館は一時閉館しています
・電圧とコンセント:220VでB型、C型
*編集部追記(2016/01/29)
2015年に公開した記事に新たに加筆しました。
古代都市ダマスカス
首都ダマスカスは、紀元前3000年頃にエジプト、メソポタミア、地中海地域を結ぶ交通の要衝として造られた都市で、「オリエントの真珠」と称えられてきた中東最古の都市の一つです。
旧市街は城壁に囲まれ、歴史的建築物が立ち並んでいます。この城壁はローマによって1世紀頃に建設されたとされており、7つの門が残っています。
中でも世界最古のモスクといわれる「ウマイヤド・モスク」はイスラム教の4大聖地の1つに数えられており、世界中から巡礼者が訪れます。1979年に世界文化遺産に登録されました。
パルミラの遺跡
世界で最も美しい廃墟の一つと言われるパルミラ遺跡は、ローマ帝国に支配されていた頃の都市遺跡で、遺跡内にはローマ様式の円形劇場や四面門、浴場などの建築物が数多く残っています。
ワジアブオベイド川とワジアイド川に挟まれた土地のオアシスに創設された都市で、地中海沿岸とメソポタミアなどを結ぶ交易路の中継点となっていました。1980年より世界文化遺産に登録されています。
photo by Jose Javier Martin Espartosa
シリア北部の古村落群
シリア北部の石灰岩の山中に40ほどの村落があり、ここでは1世紀から7世紀にかけて農民たちが生活を営んでいました。10世紀までに放棄されたものの、現在まで住居跡や浴場、教会、多神教の寺院、貯水槽などの建造物が状態良く保存されています。