ライター
川波 恵子 旅する臨床検査技師

旅する臨床検査技師けーちゃん。訪問国数は43ヶ国。臨床検査技師として働く傍ら、出張撮影サービスのカメラマンをしたり、世界一周をしたりアメリカ横断したり、カナダに住んでみたり、フォトコンテストで世界1位になったり(IPA 2023)。「やりたい事は全てやる、行きたい所は全て行く」をモットーに世界中を旅しています。好きなことはカメラと美味しいチョコレート探し。今の目標は宇宙旅行。

カメラマンをしながら、世界中を旅しているけいこです。

「野生の動物に会いたい!動物のリアルな様子を写真に収めたい!」

……と思い立ち、先日ケニアに行ってきました。

カメラマンを生業にしているとはいえ、サバンナでの野生動物撮影は初めて。必要な機材などをインターネットで検索しても、なかなか情報が得られず苦戦しました。

きっとこの記事に辿り着いたあなたも同じ状況なのではないでしょうか。

世界的なフォトコンテスト(IPA2023)にて1位を獲得した経験もあり、実際にケニアのサバンナで撮影をしてきた私が、ケニアでの動物撮影に必要な情報をお伝えします!

ケニアで野生動物に出会うならサファリツアーへ


ケニアのサファリツアーのみんなと
ケニアで野生動物に出会いたいなら、ツアー参加は必須。

現地で客引きと交渉しながら決めるのも良いですが、事前のネット予約が安心です。

私はアフリカのサファリツアー検索サイトのSAFARI BOOKINGにて、ツアー日数と場所でしぼった後に、口コミをひとつずつ確認して良さそうな会社で申し込みました。

ほかの参加者の評価を参考にしながら、ツアー会社を簡単に比較できるのはネット事前予約の大きなメリットです。

オススメの国立公園は後述しますので、参考にしてみてください。

サファリツアーに持って行くべき機材


焦点距離300mmで撮影したインパラ
サファリツアーの申し込みが終わったらカメラ機材の準備です。

カメラのレンズは、標準域に加えて、遠くにいる動物を撮影するために、フルサイズ換算で300mmは最低でもほしいところ。

私の持っていった機材は以下の通りです。

・カメラ本体 2台(フルサイズ)
・TELECONVERTER 2.0×
・レンズ 70-200mm f2.8
・レンズ 24-200mm f4-6.3
・レンズ 17-35mm f2.8-4


先に述べたように、本来であれば300mmをカバーするレンズを持っていくのが良いのですが、普段なかなか使わない画角なうえ、かなり高価。このためだけに購入するわけにもいきません。

そこで私は、テレコンバーターという、カメラ本体とレンズの間に装着することで、焦点距離を伸ばすアイテムを日本でレンタルしました。

私がレンタルしたのは、2倍のテレコンバーター。

70-200mmのレンズと使うことで、140-400mmの焦点距離に早変わり!


そもそも望遠のレンズを持っていない人や、テレコンバーターに対応するレンズを持っていない人は、300mm以上のレンズをレンタルするのも良いでしょう。

もしお持ちのカメラがAPS-C機でしたら、フルサイズ換算1.5倍(Canonは1.6倍)になりますので、200mm以上のレンズがあればOKです。

また、24〜70mmくらいの広角〜標準域のレンズがあると、動物が近くに寄って来たときや風景を撮りたい時に重宝します。

35mmの焦点距離で撮ったバッファローの群れ
カメラ以外では、手ぶれ防止のためにビーンバッグがあると便利です。

三脚が使えない状況でもカメラを安定させられる便利なグッズなのですが、結構良いお値段しますので、チャック付きポリ袋のなかにタオルを入れたものでも代用できそうです。


くわえて、カメラのバッテリーパックの予備は必須。

サファリにある宿泊施設の多くが、深夜になると電気が止まってしまい充電ができなくなります。

充電切れで撮影ができない……なんて悲しいことを避けるためにも、必ず持って行きましょう。

サファリツアーでの撮影の注意点


シマウマ
サファリにいる動物は野生です。”彼らが住んでいる場所にお邪魔している”という意識は持っておきましょう。

動物に向かって大声を上げたり、生えている植物をガイドの許可なく取ったりすることは絶対にしないように。

自然界に敬意を払いながら、ツアーや撮影を楽しんでくださいね。


いつ動き出してもおかしくないメスライオン
撮影に関しては、野生動物は予測不能な動きをすることが多くあります。貴重な瞬間を逃さないように、設定には気をつけましょう。

一瞬の出来事にマニュアルモードでは対応しきれないことも多いです。

私は主に「シャッタースピード優先モード」に設定し、動物の動くスピードに合わせてシャッタースピードを調整しながら撮影していました。

BIG5を撮りにマサイマラ国立公園とナクル国立公園へ

マサイマラツアー中、道を塞ぐように姿を現したBIG5のヒョウ
アフリカの”BIG5″をご存知でしょうか?

かつてサファリで狩猟が行われていた頃に、最も危険な動物であると言われ、現在も人気の高い大型動物の「ライオン・アフリカゾウ・バッファロー・ヒョウ・サイ」がBIG5と呼ばれています。

この5種類の動物を全て見ることを、サファリツアーの最大の目的としている人も多くいます。

場所によってはそもそも生息していなかったり、数が相当少なくほぼ見る機会がない動物もいますので、見たい動物によって訪れたい場所が変わってきます。


マサイマラもナクルもアフリカゾウとは何度も出会いました
BIG5を全て見たいなら、マサイマラ国立公園とナクル国立公園がセットになったツアーに参加するのがオススメです。

マサイマラ国立公園ではBIG5のうち「ライオン・アフリカゾウ・バッファロー」を、ナクル国立公園では「サイ」をかなり高い確率で見ることができ(Commonレベル)、「ヒョウ」に関してはどちらのサファリでもやや高い確率で見ることができます(Occasionalレベル)。

この2つの国立公園を巡れば、かなり高い確率でBIG5全てに出会うことができるでしょう。

多くのツアー会社において、3泊4日でこの2つの国立公園をまとめて回るツアーを売り出しているほど、人気で主要なツアーです。

BIG5の写真を公開!

マサイマラ国立公園とナクル国立公園を回る、3泊4日のツアーに参加した私は、無事にBIG5を全て制覇しました。

最後に、BIG5の写真を撮影時の設定値とともにご紹介します。

ライオン

400mm 1/640秒 f8 ISO160

140mm 1/640秒 f6.3 ISO125

アフリカゾウ

370mm 1/400秒 f7.1 ISO100

160mm 1/250秒 f8.0 ISO125

バッファロー

400mm 1/640秒 f5.6 ISO125

ヒョウ

400mm 1/640秒 f5.6 ISO125

サイ

400mm 1/800 f5.6 ISO160
いかがでしょうか。躍動感あふれるサバンナの動物たちを「自分でも撮りたい!」と思う方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

カメラを持ってケニアの野生動物に会いに行こう


事前の情報収集の際に、SNSなどで何度も目にしたケニアの野生動物でしたが、実際にこの目で見る姿は写真で見た以上の感動がありました。

「ヤバイ」「スゴイ」を連呼しながらシャッターを切りまくったあの興奮は、帰国して数ヶ月たった今でも忘れられません。

ライオンがバイソンの子供を捕食したシーンを撮った時には、自然界の厳しさを痛感しました。

ぜひ皆さんも、事前準備と後悔のない機材選びをした上で、アフリカのサファリへ訪れてくださいね。

この記事が皆さんのお役に立てれば幸いです。

All photos by Keiko Kawanami

もっと写真をご覧になりたい方は、【Instagram】もチェックしてみてくださいね!

ライター
川波 恵子 旅する臨床検査技師

旅する臨床検査技師けーちゃん。訪問国数は43ヶ国。臨床検査技師として働く傍ら、出張撮影サービスのカメラマンをしたり、世界一周をしたりアメリカ横断したり、カナダに住んでみたり、フォトコンテストで世界1位になったり(IPA 2023)。「やりたい事は全てやる、行きたい所は全て行く」をモットーに世界中を旅しています。好きなことはカメラと美味しいチョコレート探し。今の目標は宇宙旅行。

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