池田:LCCが具体的にお手軽な運賃を実現するためにどんな工夫をしてくれているのか知りたいです!
提供:scoot
比留間:例えば、シートピッチや通路がフルサービスキャリアより若干狭いですが、それによって座席数を増やして1席あたりのコストを下げていたり、座席にモニターを設けないことで導入やメンテナンスのコストを削減していたりします。
さらに、スクートでは平均機齢が6年程度と新しい機材が多いため、快適性が高いのはもちろん、燃料効率の良さがコスト削減にもつながってるんです。
なので、コストを抑えている航空会社というよりも、工夫をしてコストを”調整”している航空会社と言った方が良いかもしれませんね。
バスや電車と同じような感覚でLCCを利用してもらい、エアラインの予算を抑えることで、少しでもホテルや食事の費用に回していただけたらなと思っています。
「経験する」という優先順位をあげて、「選ぶ」という力をつけてほしい
池田:最後に、TABIPPO読者へメッセージをお願いします!
比留間:先日、息子と1泊2日でスクートを使って台湾へ旅行に行ってきました。元々は、息子が臭豆腐の動画を見て興味を持ったらしく「匂いを知りたいから海外へ行ってみたい」と言ってくれて。自分から海外へ行きたいと言ってくれたのはこれが初めてで、嬉しかったです。
飛行機の窓から外の様子を眺める比留間さんのご子息
じつはこうやって少しずつ”飛行機に乗る”という体験を積み重ねていくことがLCCというイメージを覆すことにも繋がるんじゃないかなと感じました。
僕も学生時代の留学経験や旅行体験を通じて、たくさんの人に出会ってきたからこそ、旅行を介しての体験は、若ければ若いほど自分の経験値に生きると本気で思ってます。
動画配信サービスなどの娯楽やエンターテイメントの選択肢が無限にある今の世の中ですが、自分の経験に対しての優先順位はできる限りあげてほしいなと思います。
経験が積み重なるほど、選択肢を自分で選ぶ力がつく。そう信じているからこそ、少しでも多くの方々にスクートやLCCを体験していただきたいのはもちろん、上手く利用して、たくさん旅行していただいて経験を積み重ねる機会を提供していくことが僕たちの「役割」なのかなと思っています。
インタビュー後記
比留間さんが述べられていた「自分の経験に対しての優先順位」。
学生時代の経験があるからこそ、今の自分には無数の選択肢があり、その選択肢を選ぶ力がついたのかもしれないと、比留間さんにお話しを伺って感じました。
動画や音楽など、娯楽としてのエンターテイメントではなく、旅行や旅といった体験としてのエンターテイメントの優先順位をあげること。
自分自身の経験を踏まえ、この世界をこの旅を、どう広めていくべきなのか。どこにでも旅ができる時代に生まれた僕たちだからこそ、模索していきたいと改めて思いました。