ライター

北海道出身、関西在住。読書と珈琲と文筆と旅を愛する30歳。インドとネパールが大好き。現在、仕事を辞めて妻と二人で海外放浪中。 2023年、珈琲と文学をテーマにした珈琲ブランドを立ち上げる。いまは販売に向けて鋭意準備中…。夢は旅する珈琲屋兼作家!

旅先で淹れたてのコーヒーを飲みたいーーー。

コーヒー好きであり、旅を愛する僕は、ある日ふとそんな衝動に駆られた。

ハンドドリップでコーヒーを淹れるという行為は、ただ美味しい飲み物を得るための手段ではない。豆を挽く音、お湯を注ぐときに立ち上る香り、そして一口飲んだときに広がる余韻。それは五感すべてを使って、心を整えるひとときでもある。

もし旅先で、この特別な時間を持つことができたら、旅はどれほど豊かになるだろうか。

知らない町の朝の澄んだ空気の中や、あちこちを歩き回ったり刺激的な経験をした長い一日を終えた夜。

そんな時に飲む一杯は、格別なはずだ。

そう考えた僕は、早速旅に連れて行けるコーヒーギアを探し始めた。

コンパクトで、持ち運びしやすく、それでいてちゃんと美味しいコーヒーを淹れられる道具たち。今回は、そんな旅先でのコーヒータイムを充実させてくれる「相棒」たちを紹介しようと思う。

旅先でのコーヒータイムを支える相棒たち

Kikkerland Collapsible Coffee Dripper

まず初めに紹介したいのが、「Kikkerland Collapsible Coffee Dripper」。

折り畳めば平らになり、鞄に入れても嵩張らないのがポイント。

コーヒードリッパーKikkerland Coffee Driipper
しかしこのドリッパーの魅力は、単なる実用性だけに留まらない。

Kikkerland Dripper 2開いてカップの上に置くとこんな感じ
ゴールド色に輝く真鍮のワイヤーを編み込んで作られたデザイン。そのきらめきが旅先の朝日を反射する姿は、写真映えもするし、何より旅先のひとときを贅沢でお洒落なものにもしてくれる。

DULTON ステンレスドリップポット

次はこちら、「DULTON ステンレスドリップポット」。

ポットと聞くと、大きくて重たいものを想像するかもしれないが、これは高さ、幅ともにコンパクトで、重量も軽い。持ち運ぶには丁度いい。

DultonDULTONのドリップポット
特にポイントなのは注ぎ口の形状。比較的短めの設計で、鞄に入れても嵩張りにくい。

高さがコンパクトでも、注ぎ口が長いとスペースを取ってしまうが、このポットならその心配もない。また、注ぐ時のコントロール性も良く、旅先でも自分好みのドリップが可能だ。

MILLU セラミックステンレスコーヒーミル【磨】

本格的な一杯を楽しむなら、ミルは欠かせない。

コーヒーは粉で持っていけば荷物は軽く済む。しかし、コーヒー豆は挽いた瞬間から風味が逃げていく。

だから、コーヒーは「淹れる直前に豆を挽く」ということが大切で、旅先でも美味しい一杯を淹れるなら、なるべくそうしたいところ。

Coffee Milステンレスコーヒーミル【磨】
この「MILLU セラミックステンレスコーヒーミル【磨】」は、そんな旅に持っていくのに最適なミルだ。

ハンドルは取り外して本体に装着できるので、バッグの中でもかさばらないのが嬉しいポイント。小型ながらも、挽くときに力がいらず、スムーズに豆を砕けるのも大きな魅力。

旅先で豆を挽き、香りに包まれる瞬間をぜひ味わってほしい。

アウトドア用チタンマグ

次はカップ。僕が選んだのは、チタン製のこちらのマグ。

これは特にブランドものでもないので、お近くのアウトドア用品店やネットで同じようなものをすぐに見つけられると思う。

outdoor  mugチタン製の小型マグ
マグの素材は、プラスチックだと軽いが耐久性に欠けるし、ガラスは見た目は美しいが重くて割れる心配もある。磁器もおしゃれで耐久性はあるが、非常に重たい。

チタンの素材であれば、軽くて丈夫、そして見た目も良い。持ち手が折り畳めるので、コンパクトにもなる。旅の相棒にはぴったりだ。

同じチタン製でも、もっとお洒落なデザインのマグはあるので、ぜひ自分好みのものを見つけてほしい。

ただ、僕にとってはこのシンプルさが、どんな旅先での風景とも調和する感じがして、気に入っている。

キャンドゥの化粧品用ポーチ

ギアを揃えるだけでは、旅先でのコーヒータイムは完結しない。

すべてをすっきり収納できなければ、準備や片付けが面倒になり、せっかくの時間も台無しになってしまう。

Cando pouchキャンドゥのポーチ
巾着袋やハードケースなど、さまざまな選択肢があるなかで僕がたどり着いたのが、このキャンドゥの化粧品用ポーチだ。

Cando pouch2ギアを収めるとこんな感じ
このポーチはコーヒー専用ではないのだが、紹介したすべてのギアがぴったりと収まる。さらには上蓋の内側にはポケットもあるので、ペーパーフィルターや豆も一緒に収納できる。

ソフトな素材だから、鞄の奥にぎゅっと押し込むこともできる。

僕が短期間の旅で使っている20リットル程度の小さなリュックにもしっかり収まるうえ、他の荷物を入れる余白も十分に確保できるのもこのポーチの推しポイントである。

旅先の宿に着いて、このポーチからギアを取り出す時。それはとてもワクワクする瞬間で、旅を一層楽しいものにさせてくれる。

旅先で淹れたコーヒーたち

次は、これまでに紹介したギアたちを使って、実際に旅先でコーヒー淹れた時のことを紹介しようと思う。

鳥取のゲストハウスで迎えた静かな朝

鳥取を旅した時に宿泊したゲストハウスは、共有キッチンが自由に使える場所だった。

朝、起き抜けにコーヒーギアを持ってキッチンに入ると、気持ちのいい朝日が差し込んでいた。

誰もいないキッチンでお湯を沸かし、その間にコーヒー豆を挽く。

Tottori guesthouse早朝に淹れた一杯
朝の空気の中で聞こえる、お湯が沸く音と豆を挽くリズム。
ちょうど朝日の当たるテーブルにギアをセットし、静かに淹れていく。
立ち昇る湯気と香りに包まれて、心が穏やかになっていく。

一方で、初めて訪れる土地でコーヒーを淹れているということがなんだかとても楽しくて、「ああ、旅をしているなぁ」と不思議な高揚感を覚えた。

「コーヒーを淹れる」という日常的な行為が、旅の中では非日常な世界を作り出してくれたのだ。

福井のご当地ドリップバッグ

福井を旅した際にはビジネスホテルに泊まったのだが、なんの変哲もない普通の部屋がコーヒーの香りに包まれた途端、鳥取の旅のように特別な空気感が生まれた。

この旅では、持参した豆に加えてご当地のドリップバッグを買ってみた。

Fukui Coffee右側の恐竜のものが、福井のご当地ドリップバッグ
福井県といえば恐竜。パッケージの恐竜のイラストが可愛くて、思わずジャケ買い。普段コーヒーを買うときは産地や焙煎度合いを気にしたりするが、旅先では直感的に選ぶことが多い。

旅先で見つけた新しい味に出会うのも、コーヒーとともに旅をする楽しみのひとつだ。

鴨川の夕暮れとアイスコーヒー

旅ではなかったが、夏の夕暮れに京都・鴨川の河原でコーヒーを淹れ、友人と過ごした日は今でも忘れられない思い出だ。

Kamogawa Coffee鴨川沿いでコーヒータイム
昼過ぎから友人と鴨川沿いの草っ原に腰を下ろし、コーヒーギアを広げる。アウトドア用のシングルバーナーを使ってお湯を沸かせば、野外でもコーヒーが淹れられる。
※鴨川沿いの場合は、お湯を沸かす程度であれば火器の使用はOK。野外でお湯を沸かしたい時は、必ず自治体のルールを確認すること!

Kamogawa Coffee2アイスコーヒーでcheers!
夏だったので、氷を買ってきてアイスコーヒーを淹れることに。

川のせせらぎや、道を行き交う人の声、橋の上を通る車の音、蝉時雨。
二人で語らいながら飲む、コーヒーの味と香り。
次第に日が傾き、夕陽が真鍮のドリッパーにきらめく。

コーヒーを淹れて、飲む。

それだけで、京都特有の蒸し暑ささえもこの時は風流に感じられ、爽やかな時間を過ごすことができた。

日常と非日常の交差点

旅は一見、非日常の象徴のように思える。しかし実際には、日常の延長線上にあるものだと僕は思う。

いつもと違う景色、知らない土地、初めて出会う人々ーーそこで得られる感覚や学びは、日常という土台の上に積み重ねられる。だからこそ、旅先に自分の「いつも」を持ち込むことには意味がある。

僕にとって、コーヒーを淹れるという行為はそのひとつだ。

いつもとちがう場所で、いつものようにコーヒーを淹れる。

それは安らぎの時間を得られることでもあるが、同時に、新たな感覚や思考、景色を見せてくれることもある。その瞬間は、まさに日常と非日常の交差点であり、旅をより豊かにしてくれる。

Coffee gear相棒たちが、いつも旅を豊かにしてくれた
今回ご紹介したギアは、そんな交差点に立つための頼れる相棒だ。

持ち運びのしやすさだけではなく、美味しいコーヒーを淹れるための機能性も兼ね備えているので、きっと参考になるはず。

僕と同じようにコーヒーと旅を愛し、そしてコーヒーとともに旅をしたいと思っている方には、ぜひとも旅先で格別な一杯を淹れ、至福のひとときを味わってほしいと思っている。

All photos by Satofumi

ライター

北海道出身、関西在住。読書と珈琲と文筆と旅を愛する30歳。インドとネパールが大好き。現在、仕事を辞めて妻と二人で海外放浪中。 2023年、珈琲と文学をテーマにした珈琲ブランドを立ち上げる。いまは販売に向けて鋭意準備中…。夢は旅する珈琲屋兼作家!

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