絶景を見る旅、グルメを楽しむ旅、新しい出会いに期待する旅など……旅にはさまざまな形がありますが、今回提案するのは文化を学ぶ旅。
オーストリア・ウィーンといえば、言わずと知れた音楽の都。そんなウィーンで生まれ育った音楽家の一人、ヨハンシュトラウスは2025年で生誕200周年を迎えます。
ウィーンにはシュトラウスにまつわるスポットがたくさん残されているほか、生誕200周年を記念したイベントが開催中。現地を訪れたライターが押さえておくべきポイントをご紹介します。
見出し
ヨハン・シュトラウス200周年で盛り上がるウィーン
1825年に、オーストリア・ウィーンで生まれた作曲家ヨハン・シュトラウス2世。2025年に記念すべき生誕200周年を迎えます。
ワルツ王として知られるヨハン・シュトラウス2世ですが、名前を聞いてもあまりピンとこない……という人もいるのでは?
生涯で約500曲のワルツやポルカ、オペレッタを作曲したといわれており、代表曲として知られるのは『美しく青きドナウ(1867年)』。(わからない人はYouTubeで検索して聴いてみてください。あ〜これか!とスッキリするはず)
ウィーンには、そんなヨハン・シュトラウス2世の歴史や人物像について触れられるスポットが盛りだくさん。当時のウィーンに思いを馳せながら、旅をしてみませんか?
イマーシブミュージアムでシュトラウスを知ろう
文化的な旅を楽しむといっても、まずはヨハン・シュトラウス2世について知ることが重要です。
音楽に精通していない……という人でも大丈夫。「音楽家といえば、モーツァルトやベートーヴェンくらいしか知らない」なんて人にもやさしい、エンタメ性の高いミュージアムで気軽に歴史を学ぶことができます。
「ヨハン・シュトラウス博物館-新次元 (Johann Strauss Museum – New Dimensions)」は、日本でも流行っているイマーシブ体験ができるミュージアム。歴史的な資料が展示されているのではなく、映像やグラフィック、サウンドなどを駆使したコンテンツが用意されています。
ヘッドホンをつけて進んでいくと、自動でオーディオが流れるシステム。日本語にも対応しており、ヨハン・シュトラウス2世の基本的な歴史はここで学ぶことができます。なるほど、ヨハン・シュトラウス2世にはパパシュトラウスもいて、いろいろと複雑な家庭環境だったようで……。
終盤の広い空間では、壁3面に映し出される映像が次々と移り変わり、見応え抜群。映像と音楽に包まれながら、没入体験を楽しんでみて。
・名称:ヨハン・シュトラウス博物館-新次元 (Johann Strauss Museum – New Dimensions)
・住所:Friedrichstraße 7 1010 Vienna
・地図:
・公式サイトURL:https://www.johannstraussmuseum.at/en/
ヨハン・シュトラウス2世の歴史を知る上で、何度も目にする『美しく青きドナウ』。この有名曲が作曲された「ヨハン・シュトラウス住居」も、ウィーンに残されています。
施設自体はコンパクトですが、シュトラウスが所有していたヴァイオリンが飾られていたり、立って作曲していたという指揮台が展示されていたりと、貴重な展示物がたくさん。
そして、なんと『美しく青きドナウ』の直筆楽譜もあるんです!歴史を学んだ後だと、感動もひとしお……。
こちらの施設はこじんまりとしていて、さらに住居は2階部分にあるため、あまり観光スポットらしくないのが特徴。訪れた際にも数人しか先客がおらず、最後には貸切になっていました。
13:00から14:00の間は休憩となっているそうで、クローズするのでご注意を。
・名称:ヨハン・シュトラウス住居
・住所:Praterstraße 54 1020 Vienna
・地図:
・公式サイトURL:https://www.wienmuseum.at/johann_strauss_wohnung
生の音楽・ダンスに触れる体験を
シュトラウスについての歴史を学んだら、ぜひ生の音楽に触れてみましょう。せっかくならおめかしをして、ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートが開催される、「ウィーン楽友協会」で演奏を聴きたいところ。
「黄金のホール」とも呼ばれる楽友協会大ホールは、見渡す限り黄金に輝いて荘厳な雰囲気。足を踏み入れるなり、その空気感に圧倒されます。
チケットはプログラムや席によって異なりますが、50ユーロ〜ほどで購入可能。かなり高額なイメージがありますが、意外と観光客でも気軽に楽しみやすい価格設定になっています。楽友協会で生の音楽を聴けば、気分はすっかりウィーンっ子。
「ハウス・オブ・シュトラウス」は、シュトラウスにまつわる博物館。といっても格式ばった雰囲気はなく、自分の写真を取り込んでオペラ歌手のようなイメージ映像を作れたり、自由にピアノに触れたりと、堅苦しさのない開かれた施設です。
それぞれの部屋によってカラーが異なり、色使いも可愛い。
スタッフによると、展示物を見るだけではなく、気軽に音楽に触れられる内容にしたかったといいます。
ここでは、実際にウィンナ・ワルツを体験。基本のステップは単純なものの、スピードアップするとぐるぐると回るうちに混乱してきました……。
日本でダンスを習う体験なんてあまりないけれど、海外なら思い切ってトライできちゃうかも。
写真に写っているのは、 ウィーン・シュトラウス研究所を率いるエドゥアルド・シュトラウスさん。なんとヨハン・シュトラウス2世の弟である、エドゥアルド1世のひ孫にあたる人なんです。
ちなみに、博物館のオーディオガイドは彼の息子さんが担当しているのだとか。
・名称:ハウス・オブ・シュトラウス(House of Strauss)
・住所:Döblinger Hauptstraße 76 1190 Vienna
・地図:
・公式サイトURL:https://houseofstrauss.at/
ウィーンの街中でシュトラウスに触れる
音楽の都・ウィーンには、街中にも音楽家にまつわるスポットがあふれています。
シュトラウスに関係するスポットとして押さえておきたいのが、「カフェ・ドムマイヤー (Café Dommayer)」。シェーンブルン宮殿の近くにあるため、宮殿の観光がてら寄り道するのにおすすめです。
ここは、ヨハン・シュトラウス2世が1844年10月15日に行ったデビューコンサートとゆかりの深い場所。カフェの前にはシュトラウスの記念碑が建てられているほか、店内にも彼がヴァイオリンを演奏する絵が飾られています。
ここはウィーン中心部よりも落ち着いており、地元の人が利用するゆったりとした雰囲気。朝から営業しているのでモーニングを食べるのもいいですし、美味しいケーキを味わうのもあり。
・名称:カフェ・ドムマイヤー (Café Dommayer)
・住所:Dommayergasse 1 1130 Vienna
・地図:
・公式サイトURL:https://oberlaa-wien.at/standorte/standort-dommayer/
ウィーン市立公園にある、「ヨハン・シュトラウス記念像」も外せません。ウィーンにはモーツァルトやベートーヴェンなど、さまざまな音楽家の像が建てられていますが、シュトラウスの像は別格。
なんたって、金ピカに輝いているんですから。訪問したのが冬だったため、どこか物寂しい雰囲気が漂っていますが……春にはきっと華やかになっているはず。
5月25日までは夜にライトアップされているそうなので、昼と夜、両方の姿を楽しんでみてもいいかもしれません。
・名称:ヨハン・シュトラウス記念像
・住所:Stadtpark 1010 Vienna
・地図:
ウィーン最古のホテル「Hotel Stefanie – Schick Hotels」
最後に、今回の旅で利用したホテル「Hotel Stefanie – Schick Hotels」をご紹介。1600年に開業したウィーン最古のホテルであり、クラシカルなデザインが印象的な、長い歴史を持つ4つ星ホテルです。
客室内にもシャンデリアが飾られていて、煌びやかな雰囲気。朝食会場もキラキラとしていて、「ここは舞踏会会場か何か?」と勘違いしてしまいそう。
ロビーに飾られている時計や装飾品も華やかで、ホテル全体がまるで美術館のよう。ホテルでもウィーンの歴史を感じたい人は、ぜひ泊まってみてはいかがでしょう。
・名称:Hotel Stefanie – Schick Hotels
・住所:Taborstraße 12 1020 Vienna
・地図:
・公式サイトURL:https://www.hotelstefanie.wien/en/index.html
海外ならではの新体験を
ヨハン・シュトラウス2世の生誕200周年で、大いに盛り上がるウィーン。次の旅は学びにフォーカスして、いつもとちょっぴり違う旅のスタイルを楽しんでみでは?