ライター

オーストラリアワーキングホリデー2年(パース/ゴールドコースト)|中央ヨーロッパロードトリップ|宮古島リゾートバイト|北半球地球一周の船旅|など気の向くままに住所不特定生活を約6年間続ける。現在はスイスフランス語圏在住。 好きなことで自分を囲み続ける人生を日々追求中☀️

旅行好きにとって、連休は絶好のチャンス。日本ではゴールデンウィークやお盆、年末年始には、多くの人が一斉に休みを取るため、旅行需要が一気に高まります。

一方、ヨーロッパでは「バカンス文化」が根付いており、休みの取り方や旅のスタイルが日本とはまた少し異なります。

今回は、ヨーロッパのなかでも現在住のスイスを中心に、日本との違いを「休みの取り方」「旅のスタイル」「旅費の考え方」にフォーカスして見ていきたいと思います。

休みの取り方:「カレンダー上の連休」or「自由に決めるバカンス」

スイス・モントルーのレマン湖

わたし自身、スイスに暮らし始めて4年が経ちますが、実際に、日本とヨーロッパの連休の「違い」を肌で実感しています。

ヨーロッパの人々はどのように休みを取り、どのように旅を楽んでいるのか。そして、日本人の旅のスタイルと何が異なるのでしょうか。

日本:カレンダー上の連休制度

日本では、多くの人が同じ時期に休みを取りますね。とくに、ゴールデンウィーク(GW)、お盆、年末年始は「三大連休」とも呼ばれ、この期間に国内外へ旅行に出かける人は多いと思います。

そのため、どの観光地も混雑し、交通機関は満席、宿泊料金も通常期の数倍になるのはみなさんご存知のとおり。また、日本の企業文化では、有給休暇があっても自由にとりづらい雰囲気があり、長期休暇をとることはハードルが高いように思います。

その結果、カレンダー上の連休をフル活用して旅行に行くスタイルが定着しています。

スイス:バカンス文化が根付いた休暇制度


一方、スイスでは有給休暇の取り方が自由で、長期バカンスを楽しむ文化が根付いています。法律で最低4週間の有給休暇が保証されており、5週間以上取得できる企業も多く存在しています。

とくに夏には、2週間から1カ月の長期休暇を取る人が多く、7月や8月には職場の人数が減ったり、飲食店や商店が「バカンスのため休業」ということも珍しくありません。

さらに、スイスには「連邦休日」や州ごとの祝日があり、地域によって休日が異なります。全国一斉に休むのではなく、比較的分散して休暇を取ることができるのも特徴の一つです。

旅のスタイル:「弾丸旅行」or「じっくり滞在型」


車でスイスからクロアチアの島へ。

日本:行きたいところを詰める旅

日本では、連休が限られているため、短期間でできるだけ多くの観光地を巡る「弾丸旅行」が主流かなと感じています。例えば、ゴールデンウィークにヨーロッパ旅行をする場合、「パリ・ローマ・バルセロナを数日間で巡る」ようなハードスケジュールを組む話もよく耳にします。

「せっかく行くなら、あれもこれも見たい!」という気持ちで、スケジュールを詰めることが多い印象です。

スイス:リラックスを重視した長期滞在型の旅

スイスの人々は「ゆっくりと滞在する」ことを重視しています。特に夏のバカンスでは、1カ所に1週間〜滞在することも珍しくはありません。

「観光名所巡り」を重視するよりかは貸別荘を借りたり、キャンピングカーや車でロードトリップをしたりしながら、その地域を時間をかけて探索するようにのんびり過ごす。そんな人が多いように見受けられます。

ヨーロッパの短い連休の楽しみ方

とはいえ、週末+1日の祝日のような短い連休を活かして気軽に小旅行を楽しむ人もたくさんいます。

例えば、飛行機で2〜3時間圏内の都市へ飛び、美術館や建築巡りを満喫する「シティトリップ」、自然豊かなエリアでの「アウトドアトリップ」など、目的に応じた多様な旅が可能です。

短い休みでも気軽に異国の雰囲気を味わえるのがヨーロッパの魅力。スイスからは車・電車・飛行機を駆使すれば、2〜3時間圏内で行ける場所や国はたくさんあります。

旅費の考え方:「高くても行く」or「安い時期を狙う」

10月のクレタ島では、ハイシーズン時の半額で宿泊

日本:高くても行く!連休に集中する旅行

日本では、大型連休にしか休みを取れない人が多く、旅行費用が高騰してでも「今しかない!」と旅行を決行する人も多いのではないでしょうか。

スイス:お得な時期を狙って計画的に旅行

スイスのみならずヨーロッパ全土では、長期休暇を自由に取れるため、旅行のタイミングをずらしやすく、航空券や宿泊費の安い時期を狙って旅行を計画する人が多いです。

また、物価の高いスイスでは、旅行先の物価を考慮して行き先を決める人も多く、例えば、ポルトガルやギリシャ、東欧の国々は物価が比較的安いため、人気の旅行先に挙がりやすいです。

「旅」に対する価値観の違い

Chalet(コテージ)では、ハイキングやサウナや映画などを友人らと楽しむ。

日本では、「せっかくの旅行だから、できるだけ多くの観光地を巡りたい」という考え方が根強い印象です。そのため、短期間で効率よく観光スポットを回る「観光重視型」の旅行が一般的。

一方、ヨーロッパ全体的に、旅行は「リラックスする時間」という考えが強く、長期滞在で、のんびり過ごすことを旅の目的にしている人が多いです。

そのため、「何もしない」を楽しみ、ただビーチで横になったり、ハイキングしたり、心身をリフレッシュすることに重きを置いているように感じます。

また地元や家族のいる地域に帰省し、彼らと一緒に過ごすことに時間を割く人も多いです。


ギリシャ・ケファロニアの家族へ会いに。

理想の旅スタイルで”あなたらしい旅”を!


このように、日本とヨーロッパでは連休の概念や旅のスタイルが異なることを実感しています。

どちらが良い・悪いというわけではなく、それぞれの文化や働き方、価値観に根ざした違いがあるだけです。日本の「限られた時間で最大限に楽しむ」スタイルには効率的な魅力があり、ヨーロッパの「じっくりと滞在し、心身をリフレッシュする」スタイルにはゆとりがあるといった良さがあるのです。

旅のスタイルは人それぞれであり、大切なのは、自分にとって心地よい旅のカタチを見つけること。せわしなく動き回る旅がワクワクするなら、それも素敵だし、何もしない贅沢を味わう時間が好きなら、それもまた素晴らしいと思います。

あなたにとっての理想の旅はどんなものですか?

All photos by Saeno

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オーストラリアワーキングホリデー2年(パース/ゴールドコースト)|中央ヨーロッパロードトリップ|宮古島リゾートバイト|北半球地球一周の船旅|など気の向くままに住所不特定生活を約6年間続ける。現在はスイスフランス語圏在住。 好きなことで自分を囲み続ける人生を日々追求中☀️

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