誰のことも気にせず自由に旅できる一人旅。女一人での海外旅行に憧れるものの、安全面に懸念を抱き、なかなか実行できずにいる女性の方は多いのではないでしょうか?
筆者は、20代半ば女ひとりで世界一周の旅に出かけました。皆さんと同じくひとりで旅することに不安を感じていましたが、安全に旅するためのマイルールに沿って旅した結果、幸いなことに大きなトラブルに遭うことなく旅を終えることができました。
今回は、実際に筆者が世界一周に用いた、安全に旅するためのマイルールをご紹介することで、女一人旅を夢見る皆さんの安全管理のお役に立てたらと思います。
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マイルール1:危険レベル2以上の地域には行かない!外務省の提供する情報で安全管理
筆者は、旅先を決めるとき、まず外務省の海外安全ホームページで行きたいエリアの危険レベルを確認します。もし、危険レベル2(不要不急の渡航は止めてください)以上であれば、渡航を断念。
レベル1:十分注意してください。
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)
※外務省 海外安全ホームページ参照
世界一周中の安全管理には、外務省海外安全ホームページと外務省が提供している「たびレジ」というサービスもおすすめです。
外務省海外安全ホームページを活用
外務省海外安全ホームページでは、国・地域ごとの危険情報を調べることができます。また、エリアごとに危険レベルを指定しており、危険レベルによって色分けされている地図を見ると、ざっくり危険な箇所がどこか把握することができます。
先程も述べた通り、筆者は旅する際に、危険レベル2以上のエリアには、原則立ち入らないようにしていました。
10ヶ月間の旅の中で2度、例外的に危険レベル2以上のエリアに踏み込みましたが、その際は、なぜそのエリアに危険レベルが出ているのか理由を把握したうえで、どうしてそのエリアに立ち入って問題ないと判断したのか、自分のなかでしっかり理由を言えるようにしていました。
行きたい旅先の危険レベルが「なし」か「レベル1(十分注意してください)」であることを確認したうえで行くことを決めたら、行き先の危険情報を読みます。どのような脅威があるか情報を予めインプットしておくことで、旅先で危険を回避しやすくなります。
たびレジに登録
「たびレジ」は、外務省が提供しているサービスです。渡航する国と期間を入力すると、その間渡航先に関する最新の安全情報をメールで送ってもらうことができます。
また、自分が登録先の国にいることを外務省に把握してもらえるため、緊急時に安全確認や支援をしてもらいやすくなります。登録は無料でできますので、渡航する際は「たびレジ」に登録することを強くおすすめします。
外務省の情報と並行してSNSで情報収集
外務省の提供するサービスと同じくらい参考になるのが、旅人や在住者がSNSに残してくれる安全に関する情報です。事故や犯罪に巻き込まれた方、その情報を入手した方が、注意喚起として善意でSNSに手口やそのときの詳細を書き残してくれることがあります。
個人が発信しているため、どこかの組織に忖度しない詳しい情報(特定の会社名など)を得られるのが、SNSで情報収集する魅力に感じます。外務省のホームページで大まかに危険なエリアや犯罪の傾向を把握した後、SNSで具体的な事例や詳細を調べるとよいでしょう。
マイルール2:外に出ていいのは、日の出から日の入りまで
女一人旅をしたなかで、自分の身を守ることに大きく寄与したマイルールの1つが「外に出ていいのは、日の出から日の入りまで」というものです。筆者は、このルールのおかげで多くの危険を回避できたのではないかと思っています。
というのも、筆者が大きな危険に巻き込まれかけたときは、移動の関係で例外的に日没後に出歩いていたときだったからです。以下では、筆者の体験談を交え、このマイルールを遵守するメリットについてお伝えします。
暗い時間は危険がいっぱい
日中は治安が良いエリアでも、夜になると人通りがなくなり治安が悪化するエリアが存在します。旅行者が、昼と夜の治安の変化を逐一把握することは困難なため、安全かどうか判断がつかないときは暗くなったら出歩かないのが賢明です。
筆者は、誰かと一緒にいるときは、日没後も出歩いていいとマイルールで定めていました。その際に、何度か夜の街を散策したことがありますが、泥酔して理性を失いかけている人がいたり、出歩く人が日中とは違っていたり、様子がかなり変わることを実感しました。
観光客が大勢出歩く観光地・中心地は夜も安全でも、宿までの道のりが危険ということがあります。女一人で暗い時間帯に出歩きたいときは、慎重に判断。来たばかりの街や判断に迷う場合は、大事を取って日没前・日没後は出歩かないことを強くおすすめします。
夜に危険に巻き込まれた体験談
マチュピチュ観光の拠点となる街、ペルーのクスコで危険に巻き込まれかけた体験談をご紹介します。
クスコは、観光客が多くかなり賑わった街です。筆者は、半月ほどクスコに滞在し、日中はクスコの中心地をメインに一人で散歩しながら過ごしていました。
クスコを移動する日、筆者は夜に出発する長距離バスに乗る必要がありました。バスステーションは、中心地から離れたエリアにあります。筆者は、半月滞在するなかで、日中のクスコが比較的安全であることを知っていたため、夜ではありますが、バスステーションへ行けるところまで歩いていこうと思いました。一人旅のデメリットである、タクシー代をシェアできないということも考慮しての判断でした。
中心地は、警官も観光客も大勢いて安全だったのですが、中心地と呼べるぎりぎりの場所まで来たとき、だんだんと店の数が減り薄暗くなり、日中には歩いたことのある道だったものの、感覚的にこの先を歩くのは危険に感じました。
人がいる近くのバス停で、配車アプリで車を手配して待っているとき、嫌な感覚は的中。不審な人物に絡まれました。停車している車に乗るように言われたり、腕を掴まれたりと、犯罪に巻き込まれそうになりました。中心地からやや離れていたとはいえ、まだ人や車が絶えず通っている大通りであったため、不審者も大胆なことはできず、そのときは軽く抵抗するだけで逃げることができました。
昼間は比較的安全な場所でも、夜になると治安が悪化することを体感した出来事でした。
もし、真っ暗な環境だったら、もう少し人目がなかったら、もっと大変なことになっていたかもしれません。リスクを避けるために、暗い時間に一人で出歩くことは避けるようにしてください。
マイルール3:無理しない、無茶しない
旅していると、他の旅行者の行動に憧れて、無理や無茶をしたくなるときがあります。でも、自分のキャパを超えた行動をとるのは非常に危険。そんなときにこそ、トラブルに巻き込まれやすくなるので要注意です!
身の丈に合った旅をする
旅仲間の発信やSNSで見かける旅はキラキラしていて、時に強く憧れることがあります。例えば筆者の場合、旅仲間が現地で出会った人の家に泊まっている投稿を見たとき、旅先で出会った人と仲良くなって楽しそうに遊んでいる投稿を見たとき、羨ましくなって筆者も同じような体験をしたい!と思うことがありました。旅を始めたての頃は、憧れに沿って行動していましたが、結局詐欺だった!悪い人だった!ということが相次ぎました。
筆者は人の善悪を見分けるのが極度に苦手で、声を掛けてくれた人が良い人なのか、悪い人なのか判断が尽きませんでした。人との思い出を作れないのはつらいし、良い人かもしれない人の誘いを断るのはとても心苦しいことでしたが、筆者は旅先で現地の人と深くかかわるのは時期尚早、身の丈に合った行動でないと判断。それ以降は、安全を優先するために基本的にお誘いはお断りするようにしました。
他者はいとも簡単にしていることでも自分にとっては危険に繋がる、ということがあると思います。自分の扱えるキャパを超していると思ったら、危険を避けるために手を引くことが大切です。
旅情報には生存バイアスがかかっている
旅情報をSNS等で検索していると、大胆な行動をとっている人や危険な地域に足を踏み入れている人の情報に出会うことがあります。
あまりにも何度も、危険な行動をしているのに生きている人の情報に出会うと、安全なのではないか?と感じてきたり、自分でもできるかも?と錯覚するときがあります。
しかし「死人に口なし」です。無事に生還した人が発信している裏で、生還できずに沈黙を保っている人がいることを忘れてはいけません。危険なものは危険ですので、安全かも?と思わず生存バイアスがかかっていることに注意する必要があります。
まとめ
今回は、筆者が世界一周中に用いた安全のためのマイルールを3つ紹介しました。
この記事のなかから、自分の旅に取り入れたい要素を見つけ、皆さんが安全に海外一人旅を楽しめることを願っています。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。
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