ライター

大学生時代から自立を目標にフランス(リヨン)へ留学し、バックパッカーになる。旅では銃と遭難で2回ほど死にかけたが、「死ぬこと以外かすり傷」と実感し、出会うものすべてに魅了される。社会人になってからの目標は日本一周。途中駅で下車し、その日見つけた宿に泊まるぶらり旅が好き。

東京から電車で1時間圏内。アクセス抜群、浅草よりも人が少ないのに江戸・大正・昭和時代……そして現代も満喫できる川越は息抜きに最適。

「小江戸」と呼ばれるレトロな町並みはもちろん、八咫烏を祭る川越熊野神社、情緒あふれる蔵造りの町並みにひときわ目立つ時の鐘。

歴史を感じながらレンタル着物を着て食べ歩き、街並み楽しむ、大切な人にお土産をそろえる……すべてひとつの町でできる最強な街。

この場所で喧噪から少し離れて過ごしてみませんか?

導きの神八咫烏を祭る川越熊野神社

日本サッカー協会と同じ八咫烏がいるこの川越熊野神社は、開運・縁結び・厄除けの神様として親しまれています。

鳥居をくぐると八咫烏から一言いただけるようで、ありがたいお言葉を受け取り幸先の良い旅スタートです。


「サッカー協会と八咫烏に何の関連性が?」と思い調べたところ普通のカラスの違いは三本足。すべての足に意味が込められていていました。

①方向性の強さ: すべての方向に進む力を象徴し、変化する状況に柔軟に対応できる能力
②バランス: 安定とバランスを保つ力を象徴し、どんな状況でも動じずに力強く進むことができる存在
③神聖な存在: 神々の使者としての特別な力を持ち、神聖な使命を帯びた存在としての象徴

戦術や柔軟性、バランス、勝利に向かう力強い象徴。サッカー選手やチームの理想的な姿勢や勝利を掴む意志にピッタリです。

ほかにも、アクセスのしやすさにも歴史やストーリーがありました。江戸時代、熊野三山(本宮、速玉、那智)は遠方にあり、都市部の人々が参拝するのは時間的にも経済的にも負担が大きい。そこで、熊野信仰を続けるために、都市部にも熊野神社が建てられました。この機転により現存しているそうです。

出雲大社のような荘厳な場所も魅力的ですが、現存する神社はアクセスのしやすさ含め地域に根付いていることも、人々に愛される秘訣なのかもしれません。

春になるとクマノザクラも開花するので、お花見も楽しめるおすすめスポットです。
夏には夏詣として浴衣を着た参拝者が集い、秋詣では八咫烏鈴の輪くぐり、短冊でのお祓い冬になると茅の輪くぐりなど季節に応じたイベントも楽しめます。年中どの季節に訪れても外れなしなのがありがたい場所。

ちなみに、川越熊野神社内には秋葉神社もありそちらでは烏天狗と天狗が信仰されています。武運や勝利、無病息災と健康、飛躍や成功への道しるべなど……八咫烏に負けずとも劣らない様々な願いをかなえる存在がいるのでぜひ立ち寄ってみてください。

■詳細情報

・住所 〒350-0066 埼玉県川越市連雀町17-1
・西武新宿線本川越駅 蔵のまち口(東口)を出て、中央通りを北へ徒歩約5分
・※近くに有料駐車場(コインパーキング)があり
・公式サイトURL:https://www.kawagoekumano.jp/

川越一番街商店街散策

ふらふら~と10分歩くだけでも店舗がずらりと並んでいるので散策し放題です。どこも素敵で目移りしていたせいか、店名を控え損ねてしまったのが今回の旅の後悔。

購入前に写真撮影するクセがあるので次回はこれを頼りに再来店することにします。

さて、神社といえば御朱印帳。ついつい足を止めてしまうほど素敵な御朱印帳を見つけました。職人技はもちろん、店内の木の香りや「和風」の雰囲気がとても心地よい空間です。

さらに散歩を続けるとお箸を販売しているお店を発見。

毎日使うのにあまり買い換えないものだからこそ推し箸で毎日の食事を彩りたくすかさず入店。すべてのお箸に名があることに感動しつつも、友人への誕生日プレゼントが決定。

1,000円台で購入できるものから4,000円台という「お箸にしては少し高額かな?」と一瞬感じるものまで品ぞろえ豊富。

「高額かな?」と思ったものも実際に手に持つと印象が180度変わりました。デザイン性はもちろん持った時の軽さや手触り、長さまで細かくこだわりまさに職人技です。


名入りお箸やプレゼントは「四季彩堂」で購入していた地元静岡在住時代。ついに帰省せずとも東京からアクセスしやすい場所を発見。これからの友人の誕生日プレゼントも悩まなくて済みそうです♪

川越の時の鐘

現地の人が親切にも時の鐘について説明してくださいました。今から約400年前、当時の川越藩主酒井忠勝氏によって創建された時の鐘はなんと現在4代目。

町の3分の1が焼失した明治26年の大火災後、暮らしに欠かせない時を告げる鐘は川越の商人たちに最優先で建て直されたほど重要視されている鐘とのこと。
現在は鐘つきの方法が人力ではなく機械仕掛けへと変化していますが、音の良さは400年前と変わらず愛され続けています。

現在も朝6時、12時、15時、18時と4回鳴る心地良い音色。今回は観光の合間に立ち寄り、15時の鐘の音を聞くことができました。音が聞こえる範囲は想像以上に広く、商店街や住宅街にも響き渡ります。遠くからでも楽しめるからか土日でも鐘の周辺は急に混み合うこともなく、ゆったりと音色を楽しめます。

とくにおススメなのは毎年10月第3土曜日と日曜日に開催される「川越まつり」。夜間ライトアップされる幻想的な雰囲気のなかで通常時とはまた違う時の鐘を味わってみませんか?

景観を護る努力も街のいたるところに

京都のように景観をそろえる細やかな努力の賜物も。黒いポスト久しぶりに見たので、幼心に戻ってつい激写。街全体の協力があるからこそこうして旅を楽しめるとおもうと感謝しつくせません。

ドライフラワーが店内を彩る古民家カフェune brise (ユヌブリーズ)

食べ歩きで歩き疲れた時に落ち着けるカフェが川越には充実しています。料理はもちろん明治33年に建てられた蔵を生かした店内は、歴史を感じる雰囲気だけでなくドライフラワーの作品や小物が随所に飾られたとても素敵な空間。(もちろん購入もできます)

手書きの文字「整理整頓」も旅前に家が荒れ、帰ってきたら「誰かにあげるかも」と言い訳しつつお土産収集癖がある私にはグサッと刺さりました。

これだけ商品や家具が多い店内もまとまりがあって落ち着いた雰囲気なのは、整理整頓の極みに至っているからなのかもしれません。誰かに言われたわけでもなくふと目に入ってしまったからこそ「ミニマリスト目指してみようかな?」と、20年気にしてなかった断捨離に心が揺れ始めました。

二階の席は4組まで入場可能。イベントやワークショップでも活用できるそう。「ハンドメイド作家さんがこの空間で作る作品のクオリティは間違いなく高いだろうな~」とイメージできるくらい素敵な空間です。

もちろんそんな空間での食事も最高です。1,500円以内で楽しめるので女子旅はもちろん、デート中のシェアにも◎

■詳細情報

・住所 埼玉県川越市幸町3-8
・電話番号 049-299-7152
・営業時間 火~日、祝日、祝前日: 11:00~17:00 (料理L.O. 16:30 ドリンクL.O. 16:30)
・定休日: 月曜日
・公式サイトURL:https://unebrise.owst.jp/

川越で昭和の雰囲気を楽しむひとときを

今回紹介したのは、江戸時代の雰囲気が残る一番街と明治時代からの建物をリノベーションしたカフェがある時の鐘の周辺でしたが、じつは川越、前述したとおり昭和時代の雰囲気も楽しめます。

脇道にそれてみると駄菓子屋通りや地元の方が集まって話をする、昔ながらのお店なども。ぜひお好きな時代を選んでタイムトラベラー気分を味わいに川越へ立ち寄ってみてくださいね♪

Bon voyage!

ライター

大学生時代から自立を目標にフランス(リヨン)へ留学し、バックパッカーになる。旅では銃と遭難で2回ほど死にかけたが、「死ぬこと以外かすり傷」と実感し、出会うものすべてに魅了される。社会人になってからの目標は日本一周。途中駅で下車し、その日見つけた宿に泊まるぶらり旅が好き。

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