ライター

福島県出身で1990年生まれ。70カ国以上を旅するほどの旅好き。コロナ禍では国内を巡り、世界遺産検定マイスターに合格しNPO法人世界遺産アカデミー認定講師に就任。IT系広告代理店で広告運用コンサルタントとして働きながら、小笠原諸島のアンバサダーとしての活動も行う。

東京都渋谷区に位置する恵比寿は、「住みたい街ランキング」でも常に上位に名を連ねる人気のエリア。

おしゃれなカフェや感度の高いショップが立ち並び、洗練された街並みに惹かれて多くの人が訪れます。渋谷や代官山、目黒といった人気エリアとも隣接しており、JR山手線や東京メトロ日比谷線など複数の鉄道が利用できるアクセスの良さも、恵比寿の魅力のひとつ。


そんな恵比寿には、実は“観光地”としても、“デートスポット”としても楽しめる場所がぎゅっと詰まっています。都心にありながら、どこか懐かしさや温もりも感じさせるこの街は、日々の喧騒から少し離れて過ごすのにもぴったりです。

今回は、そんな恵比寿を1日で堪能できるおすすめプランをご紹介します。郊外から遊びに来る方には小さな旅のように、関東圏にお住まいの方にはデートコースとして。どちらの目線でも楽しめるモデルコースになっているので、ぜひ参考にしてみてください。

恵比寿駅すぐ!福の神「ゑびす像」から始める街歩き

まずスタートはJR恵比寿駅の西口をでてすぐにあるゑびす像。

台座に刻まれた「ゑびす像」の文字は、第66代内閣総理大臣・三木武夫氏の書によるもの
そもそも「恵比寿」という地名や駅名の由来は、かつてこの地にあった「ヱビスビール(Yebisu Beer)」の醸造所にちなむもので、駅横にあるこの銅像もその歴史を記念し1975年に設置されたものとなっています。「えびす」は七福神の一柱で、日本固有の福の神。

漁師の守護神であり、商売繁盛や子供の健康を願う象徴とされているもの。生まれつき足が不自由だったが成長と共に歩けるようになり、釣り竿や鯛を持つ像として知られています。

駅前のこの場所は多くの人が行き交っている
そんな縁起のよい、このゑびす像は、人気の待ち合わせスポットでもあり多くの人が利用しています。ぜひこの場所を今回の旅のスタート地点にしてみるのはいかがでしょうか?

恵比寿駅西口「ゑびす像」
住所:〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南1丁目5
営業時間:24時間営業
定休日:なし
アクセス:JR恵比寿駅西口すぐ

かつてのビール工場跡地に誕生!恵比寿の象徴「ガーデンプレイス」へ

ゑびす像から駅の中の遊歩道を通って歩くこと約10分。

そこには恵比寿のランドマーク的な大型複合施設の、恵比寿ガーデンプレイスがあります。かつてここは、サッポロビールの恵比寿工場があった敷地(総面積約83,000 m²)で、そこを再開発して1994年にオープンしました。

一番奥に見える建物がフレンチの名店「シャトー・レストラン ※ジョエル・ロブション」
地上40階・地下5階、高さ約167mの高層ビルにはオフィスが集結し、38~39階には「TOP of YEBISU」という展望レストランと無料展望ラウンジもあります。

他にも商業施設も充実しており、ショッピングを楽しむことも可能な場所となっています。

屋根があるため天候が悪くても楽しめる。時期によってはここで様々な催し物も開かれる

恵比寿ガーデンプレイス
住所:〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿4丁目20
営業時間:7:00~00:00
定休日:なし
アクセス:JR恵比寿駅東口から徒歩で約8分
公式サイト:https://gardenplace.jp/

「YEBISU BREWERY TOKYO」で、恵比寿とビールの物語を五感で味わう

「YEBISU BREWERY TOKYO(ヱビス ブルワリー トウキョウ)」は、恵比寿ガーデンプレイス内に位置し、2024年4月にオープンしたヱビスビール発祥の地で、醸造体験型ブランド施設となっています。約35年ぶりに恵比寿でのビール醸造が再開された施設として注目を集めている場所となっているのです。

入ってすぐの恵比寿様がかなりインパクトある。縁起が良いものなので踏まないよう注意書きも

130年の歩みをたどる、ヱビスのブランドヒストリー

施設内もかなり充実。ミュージアムエリアには、ヱビスの歴史や恵比寿の街とともに歩んできたブランドの物語を展示されており、開業130年以上にわたるルーツや過去写真を通じて辿る展示スペースがあります。

創業期からの歴史が貴重な資料とともにわかりやすく展示されている

ドイツ製タンクが大迫力!“見せるブルワリー”の真骨頂

ブルワリーエリアには、実際にビールを造るドイツ製醸造設備を前に、恵比寿工場で使用されたヱビス酵母を再選抜したビールをリアルタイムで醸造。大きな醸造設備はまさに圧巻です。

実際稼働している醸造設備の大きさにびっくりする

タップルームで楽しむ、個性豊かなオリジナルビールたち

タップルームエリアでここでしか飲めない限定ビールや最大6種程度のオリジナルビールを楽しむことができます。4種飲み比べセットなどもあり、軽い1杯でも、じっくり楽しむことも可能なのが嬉しいですね。

席数は約80ほど。週末になると埋まってしまうことも多々
恵比寿という地に根ざすヱビスのストーリーを体感しながら、ここでしか味わえないビールを楽しめる特別な体験型スポットは、ここが大都会の真ん中というのを忘れるような場所。ミュージアムエリアやブルワリーエリアは無料で楽しむことができ、お酒を飲めない人でも楽しめる場所になっているので、絶対に訪れていただきたい場所です。

軽食もあるので、軽く食べながらビールを堪能することができる

YEBISU BREWERY TOKYO(ヱビス ブルワリー トウキョウ)
住所:〒150-8522 東京都渋谷区恵比寿4丁目20-1 ガーデンプレイス 内
営業時間:平日 12:00–20:00/土日祝 11:00–19:00
定休日:火曜、年末年始
アクセス:JR恵比寿駅東口から徒歩で約8分
公式サイト:https://www.sapporobeer.jp/yebisu/communication/yebisu-brewery-tokyo/

世界でも希少!写真と映像に特化した「東京都写真美術館」

同じく恵比寿ガーデンプレイス内にあるのが、この東京都写真美術館(Tokyo Photographic Art Museum)は、世界でも数少ない写真と映像に特化した公立の美術館です。

通称「TOP Museum」と呼ばれている
3つの展示室では、希少な作品を含む36,274点におよぶ収蔵作品の中から、テーマに沿って構成された収蔵展や、国内外の優れた作品を独自の視点で紹介する企画展を開催。豊富な専門知識とコレクションを活かし、年間およそ20本もの展覧会が行われています。

1階のホールでは「アート&ヒューマン」をテーマに、選りすぐりの作品を上映。また、写真・映像関連の資料が充実したライブラリーでは、国内外の作品集などを自由に閲覧できます。

裏口から入ることも可能で、館内は結構広めになっている
ミュージアムショップやカフェも併設されており、展覧会鑑賞の合間にゆったりと過ごすことができるのも魅力のひとつ。写真や映像に関心のある方にとっては見逃せない文化施設です。企画展や上映プログラムは随時更新されるため、訪問前に最新情報をチェックするのがおすすめです。

東京都写真美術館
住所:〒153-0062 東京都目黒区三田1丁目13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
営業時間:火・水・土・日:10:00〜18:00
木・金曜:〜20:00(展示により延長あり)
※入館は閉館30分前まで
定休日:月曜
アクセス:JR恵比寿駅東口から徒歩で約8分
公式サイト:https://topmuseum.jp/

早めの一杯にも◎ 気軽に立ち寄れる恵比寿のワインバー「Flamingo」

お腹が空いてきたら訪れて欲しいFlamingo(フラミンゴ) は、カジュアルでオシャレな雰囲気が魅力の イタリアン&ワインバー。恵比寿駅から徒歩1分とアクセス良好で、自然派ワインと創作料理を気軽に楽しめるバルとして人気のスポットです。

外から店内の様子も見れるため気兼ねなく入ることができる
カウンター中心の開放的な空間となっており、フルオープンキッチンとスタンディング席もあるため、ひとり飲みや気軽な会話が楽しめます。気さくな店員さんと話しながら美味しい料理を堪能することができ、好みや要望を伝えるとそれにぴったりのワインも出してくれます。

豚のグリルは見た目にインパクトある塊肉だが、簡単にほぐれ絶品だった
恵比寿らしい「ナチュラルワイン×創作イタリアン」をカジュアルに楽しめるお店。15時から営業しているので、早めに飲みたい時やワインだけで軽く気分を変えたい時にもぴったりの場所です。

目の前で調理風景が見れて、店員さんと会話しながら食事を楽しめるのが最高な空間だ

Flamingo(フラミンゴ)
住所:〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南1丁目2-8 雨宮ビル 1F
営業時間:月〜土: 15:00〜23:00、日曜: 13:00〜21:00
定休日:月曜(不定休・SNS要確認)
アクセス:恵比寿駅徒歩1分
公式インスタグラム:https://www.instagram.com/flamingo.ebisu/

大人の秘密基地?恵比寿横丁で巡るはしご酒と人情の夜

もう少し飲みたいと思った時におすすめなのが、恵比寿横丁。

赤ちょうちんが連なるレトロな飲食横丁となっており、かつての公設市場跡地に、約20軒の個性的な飲食店がぎゅっと詰まっており、夜になると虹色のネオンと活気にあふれています。

週末になるとかなりの人で溢れている
1店舗あたり約3〜6坪(10~20㎡前後)。非常にコンパクトな造りで、店同士が近接し、オープンで交流しやすい空間。串揚げ、肉寿司、ホルモンなど幅広いジャンルが楽しめるので、はしごしながら、まわりのお客さんと仲良くなっていくのも楽しい。

恵比寿横丁は、古き良き昭和の横丁文化を現代に蘇らせた、都市型のアーバン飲み屋街。店舗の個性、空間の距離感、連帯感ある雰囲気が魅力で、飲食はもちろん人との出会いや新しい体験にも出合えます。

何軒か飲み歩くのがとても楽しい
「どこか懐かしいのに刺激的」、そんな夜のひとときを過ごすのにぴったりな場所です。

恵比寿横丁
住所:〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1丁目7-4
営業時間:ほぼ毎日夕方17時頃から。閉店時間は店舗により異なり、深夜から明朝まで営業する店も多い
定休日:基本的に不定休。各店舗で確認が必要。
アクセス:JR恵比寿駅西口から徒歩2分

TABIPPOオフィスがある街で感じる、恵比寿の懐かしく新しい風景

おしゃれな街としてのイメージが強い恵比寿ですが、歩いてみると、静かに時を重ねてきたようなアカデミックな空気や、どこか懐かしさを感じさせる情景がそこかしこに広がっています。

ライトアップされたガーデンプレイスも雰囲気がよくとてもおすすめ
実は、TABIPPOのオフィスもそんな恵比寿の一角にあります。新しい旅を描きはじめる私たちの原点ともいえるこの場所で、ふと足をとめて、これまでの旅やこれからの出会いに思いを馳せてみるのも良いでしょう。

恵比寿という街がもつ、表と裏、新しさと古さ。そのゆらぎのなかに、あなた自身の“次の旅のヒント”が見つかるかもしれません。

All photos by Tamami Mizunoya

ライター

福島県出身で1990年生まれ。70カ国以上を旅するほどの旅好き。コロナ禍では国内を巡り、世界遺産検定マイスターに合格しNPO法人世界遺産アカデミー認定講師に就任。IT系広告代理店で広告運用コンサルタントとして働きながら、小笠原諸島のアンバサダーとしての活動も行う。

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