それではまず、インドを想像してください。
・・・できましたか?
あなたの想像したインドから、タージ・マハルを切り取った場所。それがバラナシです。
バラナシにはインドが詰まっています。街中を歩きまわる牛、道端の哲学者サドゥー、ごちゃごちゃした街並み、そしてガンジス川。世界中の人が想像する「インド」がバラナシには詰まっているのです。
今回は、インドの塊のような街バラナシの観光地を紹介していきます。どの観光地もインドでしか見られない光景が広がっています。
マニカルニカー・ガート
photo by archer10 (Dennis)(53M Views9
マニカルニカーガートは、ガンジス川沿いにある火葬場です。多くのインド人が最期の場所としてここを目指します。もくもくと立ち込める煙は、実際に亡くなった人を火葬している証。ここでは朝から晩までもくもくと煙が立ち込めています。
人の死なんて重いものが、ここでは日常です。いくら目を背けてもいつかは出会ってしまう「死」がここにはあふれています。
でも、なぜかその光景にはどこか生きる希望があるのです。死が渦巻くこの場所からはなぜか、何よりも強い「生」が感じられます。
アッシーガート
あなたは、「やる気のないインド人」を見たことあるでしょうか?ここにはそんなインド人があふれかえっています。バラナシにあるガートの南端に位置するこのガートは、地元民の憩いの場。
地面でごろごろするおっちゃん。あくび交じりに洗濯するおばちゃん。大騒ぎするガキンチョ。ああ、なんて心地がいいんだろう。
特に何があるわけではありませんが、本気で力が抜けているインド人たちを見ると、こちらも最高にリラックスできます。
サールナート
サールナートはブッダが初めて仏教の教えを説いた場所で、仏教四大聖地のひとつとして知られています。現在では公園としてきれいに管理されており、博物館なども併設されています。
敬虔な仏教徒や海外からのたくさんの観光客でにぎわっておりますが、やはりブッダの目の前ということもあってか、大騒ぎする人も少なくゆっくりと観光できます。
ラームナガル要塞
photo by Adam Jones,Ph.D.-Gloval Photo Archieve
ラームナガル要塞は18世紀にマハラジャ(王様)が作った宮殿です。
宮殿ですが・・・ものすごい荒れっぷりです。あきらかに歴史的に価値が高いだろうこの宮殿が・・・そりゃあもうボロボロです。壁ははげてるし、中に入ったら何もない、管理なんてろくにされていません。こんなもの日本や欧米にあったら観光地どころか、すぐにたたき壊されてなにかの商業施設にされているはずです。
でも、ここはインド。それもバラナシ。このお化けのでそうな宮殿がいい味を出すのです。
帰り道で「なんだあそこ!!汚かったなぁ!」なんて笑いあうのもインドらしくて楽しい思い出。一応フォローしておくと、この宮殿から見えるバラナシの街並みはとてもきれいです。まぁ、渡り船からでもその景色は見れるのですが(笑)
※個人的にはわざわざ行くような場所ではありません。あえてわざわざ行ってみましょう。
ガンジス河
きれいは汚い。汚いはきれい。闇と汚れの中を飛ぼう。シェイクスピア/マクベスより引用
初めてガンジス河を見たとき、たった一つこのセリフが頭の中に浮かびました。
濁った水、流される死体、よどんだ空気、大量のゴミ。足を踏み入れれば、川底とは思えない生温かくて柔らかい感触。藻のようなコケのような何かが足の裏をぐちゅぐちゅとくすぐっていくこの感覚は、日本の清流では絶対にありえない感触。
汚い。明らかに汚い。
でも、美しい。
沐浴する人が、川を見つめる瞳が、足元に落ちている空き缶ですら、美しい。
この場所ではすべての「きれい」が「汚い」に。すべての「汚い」が「きれい」になるのです。
バーラト・マーター寺院
photo by shutterstock
インド独立の父「マハトマ・ガンディー」によって創設された寺院です。ご本尊は、762枚の白い大理石でできたインドの地図で、かなり精巧なものなのだとか。
かなり大きい地図なので、迫力がありますよ!インドの文化・歴史・地理を学ぶことができる貴重なお寺なので、ぜひ足を運んでみてください。
旧市街
photo by shutterstock
迷路のようなバラナシ旧市街は、決してきれいとは言えないカオスな空間が広がる、まさにインドらしい場所です。細い路地には数多くの家々が並び、大勢の人、リキシャー、牛が行き交います。
スパイスと牛糞の混じり合う独特の匂い。強烈ですが、インドに行ったなら一度は体験すべき場所です。
ドゥルガー寺院
赤い外観が目印!バラナシにある寺院の中でも特に有名な、歴史あるヒンドゥー寺院です。いたずら好きのサルが寺院の敷地を走りまわっているため、別名モンキー・テンプルとも呼ばれています。
立ち入りはヒンドゥー教徒のみなので中には入れませんが、巡礼者がお堂にお供えをしている様子を鑑賞できたり、お祭りの際には古代の儀式を見学できます。
・名称:ドゥルガー寺院
・住所:Durgakund Rd., Varanasi India