ケンムンの散歩道(ガジュマルのトンネル)
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熱帯から亜熱帯地域に広く分布するガジュマルの樹(英語名はバンヤンツリー)。長い気根を無数に垂らし、周囲のものに絡みついて放さない、生命力にあふれた姿が印象的ですよね。
そんなガジュマルのトンネルのある集落が、東シナ海に面した島北部にある有良(あった)地区です。「ケンムンの散歩道」でも親しまれるそのトンネルは70mほどの短い小径で、もともとは海風を遮る防風林として植林されたもの。
そしてこの小径はあくまでも住民にとっての生活道であり、ときに有良地区特産の大根が干されているシーンにも遭遇するそうです。
ちなみに、「ケンムン」とは奄美大島ではガジュマルの樹に棲む精霊のことで、沖縄でいうキジムナーに近い存在。 確かに精霊が棲んでいてもおかしくないと思える異空間ですね。
・名称:ケンムンの散歩道(ガジュマルのトンネル)
・住所:鹿児島県奄美市名瀬大字有良
・地図:
・アクセス:奄美市内中心から車で約25分
高知山展望台
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奄美大島南端の瀬戸内町を見下ろす、標高400m余りの高知山(こうちやま)。その展望台から一望できる景色が、まさに町名の由来ともなった、亜熱帯で見る“瀬戸内の多島美”です。
彼方に見えるのは加計呂麻島(かけろまじま)や請島(うけじま)や与路島(よろじま)、その間に横たわるのは大島海峡、そして入り組んだ複雑なリアス式海岸。とりわけ人気なのは、多島美をオレンジに染め上げる夕日鑑賞。この絶景は奄美十景にも選ばれています。
ちなみに、お隣の油井岳(ゆいだけ)展望台からも大島海峡を一望でき、駐車場からもすぐで便利ですが、よりダイナミックなパノラマ眺望を見たい方は高知山展望台がオススメです。
・名称:高知山展望台
・住所:鹿児島県大島郡瀬戸内町久根津
・地図:
・アクセス:奄美市内中心から車で約1時間
・鹿児島県観光サイト:https://www.kagoshima-kankou.com/guide/10248
金作原原生林
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奄美大島の中でも特に手つかずの原生的な自然を残す「金作原(きんさくばる)」。
国内では最大級のシダ植物であり、また恐竜時代からの生き残りとも考えられているヒカゲヘゴをはじめ、まさにジュラシックパークを彷彿とさせる亜熱帯のジャングルが楽しめるスポット。国指定天然記念物のルリカケスやキノボリトカゲなど、奄美ならではの希少固有種も数多く生息しています。
なお金作原訪問には、環境保護の観点から、認定エコツアーガイドを伴うツアーへの参加が必須です。 詳しくは公式サイトをご参照ください。
・名称:金作原原生林
・住所:鹿児島県奄美市名瀬大字朝戸
・地図:
・アクセス:奄美市内中心から車で約50分
・奄美大島・加計呂麻島観光公式サイト:https://www.amami-tourism.org/news/20102/
ふと出会う、かけがえのない自分だけの絶景たち
ここでは、スローな旅の道中で思いがけず出会えた、名もなき絶景たちをご紹介。ぜひあなたも、そんな自分だけのかけがえのない絶景を探してみてください。
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レンタルバイクでのらりくらりと走っていたときにふと目に留まった、ふたごの小さなガジュマルの樹。きょうだいのような、恋人同士のような、寄り添うように立ち並ぶ2つの木々に愛おしさを感じました。
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薄紫色の小さな花の房が特徴の、秋の七草にも数えられる「フジバカマ」によく似た、メルヘンチックなかわいらしい花畑を発見。思わず心が和みました。
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ホノホシ海岸へ向かう道中、たまたま通りがかったため池のリフレクション。雨上がり直後の雲間から朝日が照りはじめ、唯一無二の、またとない絶景に出会えました。
自分にとって心地よい時間と景色を探すスロー旅を
誰からもお墨付きの定番スポットは、プランを組み立てやすく共感を得られやすい代わりに、やたら人が多く、行列や混雑で目まぐるしい1日になりやすいもの。
ときには定番や時間にしばられない、自分にとっての心地よい景色をふらっと探すスローな旅はいかがですか。