ライター
土庄 雄平 山岳自転車旅ライター|フォトグラファー

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤めながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。トラベルライターとして寄稿した記事は2,000記事以上。 山岳雑誌『山と渓谷』掲載多数、「夏のYAMAPフォトコンテスト2020」入賞、「Yahoo!ニュース ベストエキスパート2024」地域クリエイター部門グランプリ。山での活動をライフワークとし、学生来、日本全国への自転車旅を継続している。

『氷菓』|飛騨高山

「臥龍桜」—–アニメのラストを締め括る狂い咲き桜のモチーフとなったスポット / photo by 飛騨高山旅ガイド
次にご紹介したいのは、2012年に放送された『氷菓』という、作家・米澤穂信さんの同名小説を原作としたアニメ作品です。

高校生の折木奉太郎が、姉の勧めで古典部に入部し、好奇心旺盛な千反田えるや友人たちと共に日常の謎を解き明かしていくミステリー物語です。

物語は、奉太郎たちが学校や地域の小さな事件や謎に挑むなかで、友情や青春の葛藤が描かれています。静かながらも緻密なストーリーテリングと繊細なキャラクター描写が魅力の作品です。

「平湯の湯」—–山荘 湯乃里から歩く道のりもアニメのシーンに登場 / photo by Yuhei Tonosho
この作品を聖地巡礼する魅力は、岐阜屈指の人気観光地である飛騨高山を、日常風景として捉えられるということ。主人公たちが下校するなかで、印象的な高山の町並みや、穴場な神社がたびたび登場します。

個人的には、平湯温泉が登場するのも推しポイントです。主人公たちが宿泊した旅館は、「山荘 湯乃里」さんをモチーフにしており、そのお宿から徒歩で行ける「平湯の湯」も作中に描かれています。ぜひ泊まりがけで訪れたい聖地巡礼スポットです。

【聖地巡礼情報】『氷菓』
https://www.hidatakayama.or.jp/special/hyoukaroke1

『ゆるキャン△season2』|伊豆半島

「本栖湖」—–第1期からたびたび登場するゆるキャンの聖地 / photo by images labo
続いてご紹介したいのは、2021年に放送された『ゆるキャン△ Season2』。あfろの漫画を原作としたアニメシリーズの第2期です。

キャンプ好きの女子高生たちの日常を描いた作品で、主人公の各務原なでしこや志摩リンを中心に、新たなキャンプ地での冒険や季節ごとの自然の美しさ、友人たちとの絆が深まる様子が描かれます。

作品はゆったりとした雰囲気と詳細なキャンプ情報が魅力で、未経験者にもキャンプをやってみたいなぁと思わせる内容となっています。自然を愛し、アウトドアを楽しむ姿が心温まるストーリーです。

【聖地巡礼情報】『ゆるキャン△ Season2』
山梨:https://www.yamanashi-kankou.jp/special/sp_yurucamp2/index.html
静岡:https://yurucamp-shizuoka.com/modelplace

「三筋山」—–主人公たちが感動した絶景パノラマを堪能 / photo by Yuhei Tonosho
第2期の目玉は、後半に描かれる伊豆キャン。主人公たちは伊豆半島でキャンプをしながら、堂ヶ島や稲取細野高原などの観光名所を巡ります。主要なスポットから少しマニアックな場所まで登場し、実際のルートを辿る聖地巡礼がしやすい点も魅力です。

またキャンプアニメでありながら、第2期は冬が舞台のシーズンになっていることもユニークです。少しストイック!?(笑)ですが、この作品を参考に富士山周辺で冬キャンプに挑戦してみるのも面白いかもしれませんね!

『ゆるキャン△season3』|オクシズ

「寸又峡 夢の吊り橋」—–オクシズを代表する絶景スポットも登場 / photo by Yuhei Tonosho
最後にご紹介したいのは、2024年4月から放送されている『ゆるキャン△ Season3』。あfろの漫画を原作としたアニメシリーズの第3期です。

前作を経て、よりディープな観点がふんだんに盛り込まれたイチオシの作品となっています。それを象徴するのが、オクシズ(静岡市の奥地)が舞台となった、3〜6話です。

電車で向かう各務原なでしこと、バイクで向かう志摩リン&なでしこの幼馴染の土岐綾乃が、現地で合流するユニークな構成になっています。一見地味な吊り橋巡りがとても魅力的に思え、現地に行かなければわからない地理情報まで面白おかしく描かれているのが魅力です。

「畑薙大吊橋」—-リンと綾乃がビビりながら歩いたオクシズを代表する吊り橋 / photo by Yuhei Tonosho
女子高生2人組がバイクで静岡市最奥まで行き、吊り橋を目指して歩いているというシーンにもなんだか笑えます。「若い時の旅って良いな!」そんな青春時代の素晴らしさを思い出させてくれる聖地巡礼を楽しめるのが醍醐味です。

あまりのディープな描写の連続に、一度オクシズに行ったことある方でも再訪したくなるはず。畑薙大吊橋後に訪れる白樺荘の温泉や、千頭駅・うえまるのダムカレー、アプトいちしろ駅からキャンプ場までのお化けトンネルなど、訪れてみたいもの&食べてみたいものが盛りだくさんです。

【聖地巡礼情報】『ゆるキャン△ Season3』
※2024年8月現在 公式ページでの発信なし

アニメを見て増える。故郷のような旅先

「飛騨一宮水無神社」—–『氷菓』に登場するディープな聖地として多くのファンが訪れる / photo by 飛騨高山旅ガイド
アニメ作品を観てから実際に聖地巡礼をすると、旅の思い出がより印象深くなり、その場所への愛着も一層深まります。

また何度でも、その旅行先を再訪したくなることも魅力です。作品によっては1回では聖地巡礼しきれないものや、取り上げている情報がかなりディープな場合があります。訪れる回数を重ねるごとに、作品の世界観をより旅先で感じることができることも多いです。

アニメツーリズム推進協会のサイトにおすすめのアニメと旅行先もまとまっているので、ぜひチェックしてみてくださいね。

All photos by Yuhei Tonosho

ライター
土庄 雄平 山岳自転車旅ライター|フォトグラファー

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤めながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。トラベルライターとして寄稿した記事は2,000記事以上。 山岳雑誌『山と渓谷』掲載多数、「夏のYAMAPフォトコンテスト2020」入賞、「Yahoo!ニュース ベストエキスパート2024」地域クリエイター部門グランプリ。山での活動をライフワークとし、学生来、日本全国への自転車旅を継続している。

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