まだ人類学の名が世にそれほど知れ渡っていなかったときに、一般書を多数出版することで世の中に普及した功績もあります。ちなみに、サモアは現在イギリス連邦の加盟国ですが、こちらは西側のサモア独立国のことを指し、東側はアメリカ領東サモアと分かれています。
著作:『サモアの思春期』
C.レヴィ=ストロース → ブラジル
ベルギー出身の20世紀人類学の巨匠とも呼べるフランスの学者。20世紀半ばに興った西洋哲学や思想を表す「現代思想」の一つ、「構造主義」を生み出した人物の一人で、人類学のみならず幅広い学問分野に影響を与えています。
フィールドであるブラジルにも大学教諭として長期滞在し、ブラジル内陸部やアマゾン川の支流に住まう民族たちの調査をおこなっていました。ブラジルに渡るまでの様子や、現地の様子を書き記した『悲しき熱帯(邦題:悲しき南回帰線)』は紀行文としても面白い読み物になっているので、是非一読してみては。
山下晋司 → インドネシア
日本の文化人類学者。インドネシアをフィールドとし、特に観光人類学に特化した研究著作を発表しています。外国人観光客の増加によって、バリの伝統文化がどのように変化していったのかについて書かれた『バリ 観光人類学のレッスン』は、観光について学びたい人にとってエントリーとして勧められる入門書です。
知を求めて、いざフィールドへ!
自分たちの興味関心に導かれ、それを追究するための旅に出る。それが異文化理解へのきっかけとなるのであれば、とても素敵なことなのではないでしょうか。みなさんもアカデミックな旅に出かけてみてはいかが?