“B−1グランプリ発祥の地”八戸市の郷土料理として全国でも知られている「せんべい汁」と海と山の幸がたっぷりの夕食をいただきます。せんべいは4等分に割って鍋に入れるとちょうどいい大きさに。汁を吸って柔らかくなったせんべいの固さはお好みで。私は少し硬い方がお気に入りです。
・名称:南部町農林漁業体験実習館 チェリウス
・住所:南部町大字上名久井字大渋民山23-141
・地図:
・電話番号:0178-76-1001
・公式サイトURL:https://www.town.aomori-nanbu.lg.jp/index.cfm/11,469,49,206,html
【十和田市】2日目突入!自分だけの小さな奥入瀬をつくるロマン体験
十和田湖、奥入瀬渓流、八甲田の自然と「十和田市現代美術館」をはじめとしたアートが融合する美しいまち、十和田市。特別名勝、天然記念物として国の指定を受けた奥入瀬渓流の流れは、穏やかで安定しているため、岩は苔で覆われており、奥入瀬を作っているのは苔と言っても過言ではないそう。なんと奥入瀬渓流だけでも300種類もの苔が繁殖しているんだとか。
奥入瀬に生育している苔・シダ・樹木をモチーフにした苔玉を製作し、自分だけの小さな奥入瀬を作るという、ロマン溢れる体験をしていきます。植物を水苔で包み、糸で固定した上から苔のドレスをそっと着せてあげます。目をつけてあげれば、可愛らしい苔玉の妖精が完成です。
顔がつくとグッと愛着も増しませんか?みなさん大事に苔玉の妖精を両手で包み込んで記念写真。それぞれ大きさも表情も違って、並んでみると面白い!
・名称:奥入瀬モスボール工房
・住所:青森県十和田市大字奥瀬字栃久保183 奥入瀬渓流館内
・地図:
・電話番号:0176-74-1233
・公式サイトURL: http://www.mossball.jp
道の駅とわだ「とわだぴあ」に寄り道しましょう。観光案内所、レストランなど十和田の魅力がきゅっと詰まった施設です。青森県は「ごぼう」の生産量が日本一であること、みなさんご存知でしたか?とわだぴあ内の「Cafe GRIN」名物、ごぼう茶ラテをいただきました。
ごぼうのささがきを焙煎したもの(左)とごぼう茶ラテ(右)
ごぼう茶ラテは香り豊かでほんのりと甘くまろやかな味です。ひと休憩したところで買い物客で賑わいを見せる産直コーナーへ。十和田の「おいしい」がたくさん並べられています!
生産量日本一の十和田市のにんにく
奥入瀬の源流水で仕込んだ地ビール
産直コーナーの奥には南部裂織保存会の作品も。南部裂織とは、寒冷な気候のために木綿が手に入りにくい南部地方で、使い古した布を裂いて織り込むことで再利用し新たな衣服や生活用品をつくる、農閑期の女性の手仕事とされていたものだそうです。
古布のやわらかな色合いが可愛らしい南部裂織。ポーチやバッグなどの作品があります。
・名称:道の駅とわだ『とわだぴあ』
・住所:青森県十和田市伝法寺平窪37-2
・地図:
・電話番号:0570-010309
・公式サイトURL:https://www.towadapia.com
【五戸町】三大肉のひとつ桜肉とは!?
十和田の「おいしい」に続いて、五戸町の「おいしい」を味わいます。江戸時代に幕府直下の牧場を有していたために現在でも酪農や畜産が盛んだという五戸町。あおもり倉石牛、青森シャモロック、馬肉は五戸三大肉と呼ばれています。
「五戸まきば温泉」で昼食を。湯冷めしにくいと評判の天然温泉が楽しめます。
馬肉を使った「桜鍋」をいただきます!低カロリーで高タンパク質で鉄分も豊富。栄養価が高いのにヘルシーな馬肉をたっぷりの野菜とともにお鍋に入れて、味噌ベースの出汁に馬肉のうま味が溶けこみます。ぬぐだまる〜(青森・岩手・秋田の方言であたたまるという意味)馬肉のやわらかさが忘れられません。
「桜肉」とも呼ばれる馬肉。由来は馬肉の赤みが桜の花を想像させるからだと言われています。
・名称:五戸まきば温泉
・住所:青森県三戸郡五戸町苗代沢3
・地図:
・電話番号:0178-62-5511
・公式サイトURL:https://gonohe-makibaonsen.com/index.php
【八戸市】旅も終盤に!伝統工芸品を思うがままにデコっちゃう!?
日本三大駒のひとつである、八戸の伝統工芸品「八幡馬」。黒・赤・白を基調とした馬体に千代紙で飾り点星を描いた八幡馬の模様は、むかし花嫁が輿入れするときに乗ったという馬の色とりどりな装飾がモチーフとなっているそう。お祝いごとの記念品として贈られ広く愛されています。今回はその八幡馬の馬体を自分の気の向くままに絵付けし、さらにはラインストーンで飾りつけオリジナリティー溢れるMy八幡馬を作っていきます。
こちらは南部裂織をイメージした作品だそうです。この佇まい、十和田市現代美術館に紛れていてもおかしくないのでは?
夢中になって製作したMy八幡馬は八戸の市の花である菊と、所属する「海猫ふれんず」のロゴマークをモチーフとしたものとなりました。
下書きをしてから挑んだのですが、完成品はどうでしょう。紙に描くときと実際に立体に描いたときとではやはり勝手が違います。意外とスペースが狭く予定通りにいかなかったり、新しくひらめいて付け足してみたり。キラキラしたストーンを貼り付け、思うがままに飾り描くことで郷土玩具も一気に身近なものに感じました。
・名称:ユートリー(一般財団法人 VISITはちのへ)
・住所:青森県八戸市一番町1-9-22
・地図:
・電話番号:0178-27-2227
・定休日:12月31日
・公式サイトURL:http://www.youtree.com
巨大市場〈八食センター〉で南部地方の名物をおさらいしつつ……
最後はお土産タイムです!新鮮な魚介類や野菜・珍味・物産・お土産品が揃う全長170mの巨大市場「八食センター」で、県南コースの名物をおさらいしながらお土産を探していきます。全国有数の水揚げ量を誇る水産都市でありながら、東北有数の工業都市でもある、南部地方の中心として栄えてきた八戸市自慢の「八食センター」は2020年に創業40周年を迎えました。
ずらっと店が並びあちこちに目移りしてしまいますが、なんと約60店舗ものお店が集まっています。水揚げされたばかりの新鮮な魚たちがたくさん並んでいますが、迷ったときはお店の人に声をかけてみましょう!今が旬のお魚や、その調理方法までていねいに教えてくれます。地元の人々と交流しながら「おいしい」情報を知ることができることも、この八食センターの魅力のひとつです。
おすすめ商品のひとつが冬から春が旬のホッケです。焼いて食べられることが多いホッケですが、実は漁師や魚屋など魚の扱いに慣れている人たちは、刺身のままわさび醤油につけて食べることもあるそうです。しかし海でとれたホッケだと下処理が大変なため、魚の調理に慣れていない場合は養殖物やお寿司屋さんなどの店舗で味わうことがおすすめとのこと。魚屋さんだからこそ知っている通な食べ方や注意点を学ぶことができました!
ホッキ貝も冬が旬だそうですよ!刺身のままでも、焼いたりボイルにしたり。いろいろな方法で美味しくいただけます。
高級魚として知られるキチジも並んでいました。年間通して市場に出回りますが、2〜3月がおすすめだそうです。東北地方では「キンキン」と呼ばれ、祝言やお正月、地鎮祭などのお祝いごとのときにみなさん買っていかれるそうです。主な産地は北海道や三陸地方であり、日本海側ではとれないため馴染みがない人もいるかもしれません。焼いたり煮たり、鍋に入れるのもおすすめだとか。
魚だけでなく、野菜も売っています。こちらは「阿房宮」という食用菊。刺身のつまの印象が強い食用菊ですが、南部地方では天ぷらやおひたし、お味噌汁などメイン食材として使われます。県内一の産地を誇るのは私たちが宿泊した、あの南部町だそうです。
八食センターはお買い物だけでなく、購入したばかりの新鮮なお魚を七輪で焼いてすぐに食べられる「七厘村」をはじめとした飲食コーナーも人気です。厨スタジアム1Fへ向かうと、店頭でお弁当を販売しているお店「勢登鮨」がありました。さまざまなお寿司が入った弁当が並びますが、なかでもやっぱり八戸でとれるサバやイカのお寿司が人気だそうです。
トロサバ(700円)、イカ・ゲソ(550円)。八戸でとれた新鮮なお魚のお寿司、こんなにたくさん入っているのにお値段はリーズナブル!
八食の魚屋さんや湊の市場から業者が仕入れてくれた新鮮な魚を、板前さんが厨房で握り、お弁当コーナーだけでなく、店内でいただくこともできます。店内メニューはお寿司のほかにも定食やラーメンなども注文できますよ。
見てください、このずらりと並べられたメニュー。旬やその日の仕入れなどによりメニューも入れ替えているんだとか。次来たときはどんなメニューが並べられているんだろうと気になってしまいますね。
・名称:八食センター
・住所:青森県八戸市河原木字神才22-2
・地図:
・電話番号:0178-28-9311
・定休日:12月31日
・公式サイトURL:https://www.849net.com
・名称:勢登鮨
・住所:青森県八戸市河原木字神才22-2〈厨スタジアム内〉
・電話番号:0178-28-9300
・定休日:なし
・公式サイトURL:https://www.849net.com/seto/
都市部の人と農山漁村の人を繋ぐ「グリーン・ツーリズム」
みなさんいかがでしたか?やませの影響が強く、決して恵まれた風土ではなかった南部地方。それでも自然とともに生きて、南部の土地だからこそ育まれた豊かな文化がそこにはありました。
グリーン・ツーリズムを通して、訪れた人は田舎の豊かさを知ることができ、地元の人は地域のありのままの暮らしをアピールし、ファンになってもらうことで地域活性化に繋げることができます。
都市部の人と農山漁村の人を繋ぐグリーン・ツーリズムは地域の風土によって得られる経験が全く変わってきます。みなさん、どんな田舎暮らしをしてみたいですか?どんな人々に会ってみたいですか?知らない土地の暮らしを知ることで、自分の暮らしとちょっと向き合ってみる。そんなきっかけとなる旅ができるかもしれません。
All photos by Shintaro Tsushima