ライター

管理栄養士。3千人(1万件)以上の栄養カウンセリングのため日本を駆けめぐってきたが、2017年7月より舞台を世界に拡げ、食と健康の学びの旅へ出発。各国から世界の食をお届けします。

ヨーロッパ最大級の青空市場でトマト1ユーロ30個!

トリノにはヨーロッパ最大級の青空市場「ポルタ・パラッツォ」があります。

日本では「太陽のマルシェ」運営のお手伝いをしていたほど、大のマーケット好きの私も驚きの店舗数、山盛りの野菜。とにかく広くて活気があり、見応えたっぷりでした!

オープンで愛想の良い店員さんも多く、カメラを向けると興味を持って話しかけてくれたり、隣のお店同士で物の貸し借りのときに”あの人に渡してくれる?”と通りすがりの私に頼んできたり、行けばきっと楽しい経験が待っています。

色鮮やかな採れ立ての野菜や旬の果物など豊富な中、山積みのトマトが気になり、イタリア語ができない私は身振り手振りと1ユーロ(約130円)を渡し、量り売りのトマトをお願いしました。

日本の感覚で2~3個のイメージ…だったのですが、私の手元に届いたのは大量のトマト‼︎数えたらちょうど30個ありました。安いんだなということを身をもって体感できました。

水分補給並みにトマトを食べまくりましたが、その日移動だった私はさすがに食べきれず、ホステルのスタッフにおすそ分けし喜んでもらいました。

もちろん少量でも買えますので、学習した私は果物を何種類か組み合わせて1個単位で買いました。その場ですぐ食べられるパニーニやスイーツも売ってるので、地元の人だけでなく、旅行客も買い物を楽しむことができるのでおすすめです。

私が訪ねた土曜日は特に賑わっていましたが、日曜定休日、平日は毎日開催されています。

合言葉は「アペリティーヴォしない?」

イタリア全土で大流行の「アペリティーヴォ」。夕食前に食前酒を楽しむことを指します。仲間と飲んだり食べたりするのが大好きなイタリア人ならではの楽しみ方です!

これも実はトリノが発祥!1786年、Antonio Benedetto Carpanoというトリノ人が作ったベルモットというお酒を使い、マティーニという有名なカクテルに使われました。19世紀後半に多くの町に普及し始め、「アペリティーヴォ」という習慣が始まったと言われています。

実際、トリノではどのお店でもアペリティーヴォができますし、ジャコモのもとには「アペリティーヴォしない?」とお誘いの連絡が次々来ており、現地で根強く浸透していました。

私も本場トリノでアペリティーヴォ体験をしてきました!お店は特に決めていなかったのですが、生演奏をしている「Tclub Lounge Bar」というお店のテラス席へ。私が訪れた夏(8月下旬)は特にテラス席が人気で、外は満席だけど、店内はガラガラというお店が多くありました。

トリノの名産赤ワインとともに、生ハムやチーズなどのおつまみをいくつか選びます。実際やってみて感じたのは、おしゃべりに比重が高まり、食事に邪魔されずに深い話もできる。

「アペリティーヴォしない?」と直前でも気軽に誘えて、気軽にお店に入れ、素敵なコミュニケーションの一つだと感じました。アペリティーヴォのようなラフなスタイルが日本でも浸透すれば楽しいはず!!

また、「アペリチェーナ」といってお酒を片手にブッフェ式の食事を好きなだけ食べられるというスタイルも最近は流行っているそう。食いしん坊の私はこちらもとてもとても気になります!

みなさんもトリノに遊びに行った際は、ぜひお好きなスタイルを選んで気軽に、楽しんでみてください!

スローフード発祥の地

All photo by junkohatae

ピエモンテ州はスローフード発祥の地です。スローフードとは、食文化や食生活を今一度見直し、その土地に合った生産方法で丁寧に作られた食材や伝統料理を大切にしていく考えや運動を指します。

ピエモンテの伝統料理だけでなく、街全体が近代化し過ぎておらず伝統を感じられ、スローフードが生まれた街というのも納得できるものがありました。食を大切にする文化が根強い、素敵な街「トリノ」でした。

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