佐倉順天堂記念館
旅人御用達の成田空港にほど近い、千葉県の佐倉駅から20〜30分(JRと京成線で距離が異なります)歩くと、佐倉順天堂記念館が民家の中に突然現れます。
佐倉順天堂記念館は、1848年に佐倉藩主堀田正睦が蘭方医の佐藤泰然を招き開いた、蘭医学の塾兼診療所でした。
この佐藤泰然の息子が、先ほど今戸神社の中でも名前を挙げた松本良順でした。後に幕医の松本良甫の養子となり、幕府付きの医師として第14代将軍徳川家茂の治療にもあたりました。
松本良順は新選組の二番目の屯所:西本願寺も訪れており、病にかかった隊士の治療や、屯所内での病気にならないための生活の改善方法をアドバイスをしていました。戊辰戦争が勃発すると、幕府軍に従軍し、蝦夷(北海道)へ向かい北上していくのに良順も同行しました。
この佐倉順天堂記念館は、戊辰戦争で実際に使用した手術用具や軍旗が残っており展示されています。
当時のメスや、骨を切断するときに使ったノコギリのような器具など、当時の医療事情がよく分かると同時に、たった約150年の間に医療が驚くべき進化を遂げていることを実感します。
2009年に放送が開始されたTBSのドラマ「仁ーJIN」を観ていた方は、ドラマの中でのシーンが思い出されてかなり面白い展示だと思います。
また佐倉順天堂記念館の近くには、最後の佐倉藩主の堀田正倫が明治23年(1890年)に旧領である佐倉に設けた邸宅・庭園の「旧堀田邸」があります。
ここは「仁–JIN」やNHKのスペシャルドラマ「坂の上の雲」の撮影にも使われ、どのシーンで使われたかという写真とと合わせて見学ができます。
熱い思いが眠る場所
All photo by pixta
幕末の舞台といえば確かに京都なのですが、江戸はまさに幕末の志士達が歴史の舞台へ飛び出そうと、うずうずしていた場所です。また同時にたった数年の激動の日々を送った志士達が、その最期を過ごした場所でもあります。
20〜30代の若者達が、それぞれの立場から日本を変えようと必死に戦った日々、そして熱い思いを、週末を利用して感じとってみるのはいかがでしょうか。