ライター

28歳でひとり旅の楽しさに目覚めた30代会社員。もう昔のような無茶はできないけれど、ちょびっと冒険したいという思いで毎年ひとり旅へ出かけている。旅のモットーは「安全・清潔・ほどよく便利」。好きなものは夜景と船と電車。

この前梅雨入りしたはずなのに、ぴかぴかに晴れて真夏のような暑さが続く日々。ちょっと外に出ただけで汗が流れてくる。そんなとき、無性に恋しくなるものがある。

それは、ビール。あのシュワシュワと喉越しが欲しくてたまらない。

私は旅先では必ず地ビールをいただくことにしている。その土地にしかないものを味わうのは、旅の醍醐味のひとつだ。ビールは季節に関係なくいつ飲んでも美味しいが、やはり夏のビールは格別。

今日は、夏にビールを楽しむとっておきのスポットとして、ドイツ・ミュンヘンをご紹介したい。

ドイツ・ミュンヘンってどうしてビールが有名なの?

ドイツといえばビール、というイメージを持つ人も多いはず。実際、キリンホールディングスの調査では、国別ビール消費量で世界6位にランクインしていて、日本の約1.7倍だ(出典はこちら)。

そんなビール大国ドイツには、16世紀から今まで守られている「ビール純粋法」という法律があり、ビールには大麦、ホップ、酵母、水以外入れてはならないと決まっている。

ローカルビールが中心で州ごとにさまざまな種類のビールが作られていることが特徴で、なかでもミュンヘンがあるバイエルン州には多くの醸造所が集まっている。世界最大のビール祭りであるオクトーバーフェストが開催されるのもミュンヘンだ。市内には大きなビアホールやビアレストランがたくさんあるので、ハシゴして色々な種類のビールを味わうのも楽しい。

次章では私が二日半の滞在で訪れたビアスポットをご紹介する。

ミュンヘンでビールを楽しめるおすすめスポット

まずはこちらへ!ホーフブロイハウス


ミュンヘンのなかで一、二を争う有名店が「ホーフブロイハウス」。ホーフブロイとは宮廷ビール醸造所という意味で、1589年に王宮の敷地内に建てられた老舗だ。

店内はとても広く、活気に溢れていて、木のぬくもりと歴史を感じるつくり。テラス席も多数あり客席数はかなり多かったが、さすがは大人気店、空席を見つけるのも一苦労だった。

天井が高く広々
メニューを見て驚いたのは、ビールのサイズ。なんと0.5リットルか1リットルの二択なのだ。「1リットル?!注文する人いるの?」と思い周囲を見渡してみると、見たことのない巨大なジョッキを持っている人がちらほら。さすがはビール大国・ドイツ。

注文したのはホーフブロイハウスのオリジナル。爽やかで苦味が少なく、すっきりとしていて美味しい!この日は30度くらいまで気温が上がっていたなか街歩きをしていたので、乾いた体にビールが染みわたる。ああ、幸せ。


店内ではバイエルン音楽の生演奏が行われていて、賑やかでとても楽しい雰囲気。それに釣られてなんだか私もどんどん楽しくなり、気付けば0.5リットルを飲み干していた。

ミュンヘンを訪れた際にはぜひ立ち寄ってほしいお店だ。

■詳細情報
・名称:ホーフブロイハウス(Hofbräuhaus München)
・住所:Platzl 9, 80331 München, ドイツ
・地図:
・アクセス:Uバーン・SバーンMarienplatz駅から徒歩5分
・営業時間:11:00~0:00
・定休日:なし

スポーツ観戦もできるスタイリッシュなビアレストラン


さて、せっかくミュンヘンに来たのだから1軒で帰るのはもったいない。そう思ってホーフブロイハウスの次に立ち寄ったのが「パウラーナー・イム・タール」。ミュンヘンで創業したブルワリー、パウラーナー直営のレストランだ。

店内はモダンでスタイリッシュな雰囲気で、大きなモニターがあるためスポーツバーのような使い方もできる。


いただいたのは「パウラーナー ヘフェ ヴァイスビア」。フルーティーさがありつつもしっかりしたコクを感じる。ちなみにやはり最小サイズは0.5リットル。


私が訪れたときはサッカーのユーロカップ期間中で、スペイン対ジョージアの試合中継が店内のモニターに映し出されていた。ジョージアの大きな国旗を体に巻いた集団がいて、得点が入りそうになるたび大きな歓声が上がる。私はサッカーには詳しくないけれど、その人たちの熱気が伝わってきて思わず画面に見入ってしまう。

ドイツビールを飲みながらサッカー観戦するという、これまでにない経験ができた素敵なお店だった。

■詳細情報
・名称:パウラーナー・イム・タール(Herrschaftszeiten – Das Paulaner im Tal)
・住所:Tal 12, 80331 München, ドイツ
・地図:
・アクセス:Uバーン・SバーンMarienplatz駅から徒歩5分
・営業時間:11:00~23:00(金曜・土曜は~1:00)
・定休日:なし

開放感バツグン!野外市場のビアガーデン


ミュンヘンではビアホールだけでなく、野外でもビールを楽しめる場所がいくつかある。私が訪れたのは、ミュンヘンの中心地から歩いて行けるところにある「ヴィクトアーリエンマルクト」という野外市場。野菜や果物、ソーセージやサンドイッチなどを売るお店が並ぶなかに、セルフサービスのビアガーデンがある。

ビールの販売エリアは銘柄ごとにスペースが区切られている。ビールが注がれたジョッキが並んでいるので、好きな銘柄を選んでジョッキを手に取り、お会計エリアまで移動して精算する仕組み(現金のみ利用可なのでご注意を)。そしてここでもサイズは0.5リットルか1リットルの二択。ミュンヘンに「グラスビール」という概念はないらしい。

私が訪れたのは19時前くらいだったが、それでもまだ暑さは残っていた。そんななか緑の下で、風に吹かれながらビールを飲む時間は至福そのもの。理想の夏旅、ここにあり。

販売エリア。ここで好きな銘柄の列からジョッキを取る

市場内でサンドイッチを調達
ちなみにビアガーデンは夜まで開いているがお店は18時ごろには閉まるところが多いので、食事を取りたい方はお早めに。

■詳細情報
・名称:ヴィクトゥアリエンマルクト(Viktualienmarkt)
・住所:Viktualienmarkt 3, 80331 München, ドイツ
・地図:
・アクセス:Uバーン・SバーンMarienplatz駅から徒歩5分
・営業時間:8:00~20:00
・定休日:日曜

空港に醸造所?!帰国直前の駆け込みビールならココ


ドイツ旅行最終日。帰りの便の出発が昼過ぎだったため、午前中には市内を出なければならない。最後に一杯バイエルンビールを飲んでから帰りたい気持ちはあるものの、どのビアホールもまだ営業していないし、午前中からビールはちょっとキツイかも……。

諦めて空港行きのバスに乗り、何気なく空港について調べていたら、発見してしまったのだ。なんと、ミュンヘン空港内に醸造所があり、そこが運営しているビアガーデンがある、と。空港に併設された醸造所は世界でここだけらしい。ミュンヘンの人はどんだけビールが好きなんだろうか。

ビアガーデンがあるのは出国手続きより前のエリア。地下鉄Sバーンで来た場合はちょうど駅から空港までの通り道にある。

席数は多く緑に囲まれていて、ここが空港だということを忘れてしまうような雰囲気。夏の良く晴れた日に外で飲むビールって、どうしてこんなに美味しいんだろうか。

開放的で最高の雰囲気


帰国前、最後の駆け込みビールを味わう場所としてこれ以上ないほど最適だった。ここで締めくくれば、大満足な旅になること間違いなし。

■詳細情報
・名称:エアブロイ(Airbräu)
・住所:München Airport Center – Ebene 03, 85356 München-Flughafen, ドイツ
・地図:
・アクセス:ミュンヘン空港 3階
・営業時間:8:00~23:00
・定休日:なし

ミュンヘンでビール三昧の夏旅はいかが?

ドイツ・ミュンヘンがビール好きにとって最高の場所であることがお分かりいただけたと思う。夏のヨーロッパは晴れた日が多いので、景色がより一層美しく見え、日が落ちるのが遅いので女性でも夜まで安心して出歩くことができる。

太陽の下でビールを楽しむ夏旅。アリではないだろうか。

All photos by Misato Sakaguchi

ライター

28歳でひとり旅の楽しさに目覚めた30代会社員。もう昔のような無茶はできないけれど、ちょびっと冒険したいという思いで毎年ひとり旅へ出かけている。旅のモットーは「安全・清潔・ほどよく便利」。好きなものは夜景と船と電車。

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