こんにちは、ブータンに行ったらブータン人と間違えられた稲村行真(@yukimasainamura)です。
ブータンは幸せの国と言われていることで有名ですが、実際どんなところ?という方が多いはず。そこで、2週間ブータンを冒険したことがある私がその魅力についてご紹介していきます。
ブータンは最近まで鎖国していたので、チベット文化圏の文化が色濃く残っていて、驚きの連続。私たちが常識と思っていることが、もはやウソに思えてくるような体験の限りをぜひ味わっていただけたら嬉しいです。
1.着陸が難しい空港、降り立つとそこは異世界
まずは、ブータンの空の玄関口であるパロ空港へ。基本的にドゥルク航空(ロイヤル・ブータン航空)で行くことになり、日本からの直行便はありません。タイやインドを経由して行くことになります。
この空港では、飛行機の着陸を指示する人がいないため、パイロットによる目視での着陸が必須です。また、周りはヒマラヤのアルプスに囲まれており、その山々を避けて走行しなければなりません。つまり、パイロットにとって着陸するのがとても難しい空港なのです。
空港に降り立つと、空港自体が伝統的な建築物で作られていて「これが本当に空港なのか?」と目を疑うほど。まるで現実を忘れ、今までの観光とは全く違う観光が始まることを予感させます。
2.ブータン旅行は完全にプライべートツアー
ブータン国内を旅行するには、ブータンの旅行会社に頼んで観光ビザを取得し、現地ドライバーとガイドを付けることが必須です。
観光ビザを取得するには、公定料金という仕組みを理解する必要があります。1日約2万円の公定料金を払うことによるパッケージツアーという形でのみ、観光ビザの発券が可能。公定料金には、ツアー代、食事代、宿泊代、交通費、運搬費、税金など旅行費のほとんどが含まれています。ただし、お土産などは自分で買うことが必要です。
公定料金は高いですが、ブータン旅行の醍醐味はかなり自由度の高い旅行ができること。ガイドとドライバーに見たいもの、食べたいもの、泊まりたいところなど事前に伝えておけば、ブータン国内ならどこにでも連れて行ってくれるのです。
3.伝統衣装を着ている人だらけ
ブータンにいる人々は、多くが伝統衣装を身にまとっています。
男性の衣装はゴ、女性の衣装はキラという名前。日本で言えば着物が普段着になっているのと同じような感覚なのです。とても素敵だと思いませんか?
一式揃えるのに、日本円で最低約1万円ほど。一度揃えれば大事な宝物になることは間違いありません。
4.街に暮らす人はみな口の中が血だらけ?
ブータンの人々は、ビターナッツを頻繁に噛んでいます。タバコ禁止の国だというのも影響しているのか、口寂しいのかもしれません。
葉っぱに包まれた赤いエキスとともにナッツをバリバリと食べます。そのエキスがなんなのかはよくわかりませんが、それを食べていると苦味とともに、口の中が真っ赤に染まるのです。
口を開けた光景はなんとも恐ろしいですが、味はとても素朴な感じ。私は挑戦してみて健康に問題はありませんでしたが、挑戦するかの判断は自己責任でお願いします。
5.ものすごい熱気に包まれる祭り
ブータンには、一年を通して各地でツェチュ祭という祭があります。
ブータンはチベット仏教の国。紀元後800年頃にこの教えをヒマラヤ一帯に広めたグル・リンポチェ(パトマサンババ)の生涯には、12の重要な出来事があったとされます。その出来事を表現するのがツェチュ祭。見所はチャムと呼ばれる仮面舞踊、トンドルと呼ばれる大掛け軸、アツァラと呼ばれる道化師などによる華やかな演目です。
この祭りに参加するために、ブータン人は各地から集い、出店が並び賑わいます。人口が少ないブータンですが、ものすごい熱気に包まれる瞬間を見られるでしょう。
6.伝統建築のおしゃれな建物ばかり
ブータンの建築は外観のデザインに統一感があり、とてもおしゃれです。
住宅や寺院建築、ゾン(城塞)が中心で、繊細な造りが特徴。モダンな建築でさえも、ブータンのデザインだとすぐわかります。
7.よく見ると建物に男根が描かれている
ブータンの家には、争いを遠ざけ家を守る「魔除け」の意味合いから、外壁に大きな男根の絵を描く風習があります。
これは、ブータンの伝説上の人物・ドゥクパ・クンレイの伝説に基づいているようです。ドゥクパ・クンレイはブータン人なら誰でも知る重要人物で、15〜16世紀にブータン国中を放浪。男根を熱い鉄の棒に変えて女悪魔を退治したという言い伝えがあります。これを誇りにもつブータン人は建物に男根を描くようになりました。
グローバル化しつつある中で、ブータン人は徐々にこの風習に対して恥ずかしさを感じる人と、誇りに感じている人の二極化が進んでいるとのこと。残っていく伝統とは何か、そしてどう伝統を再発見していくかを今一度考える機会が訪れています。