ライター
稲村 行真 伝統的町並みライター、挿絵描き、フォトグラファー

伝統文化や古い町並み・古民家のライターをしています。アート作品もやってます。個性が発揮できる社会を!

8.九州くらいの面積なのに、車で回るのに1ヶ月かかる

ブータンを旅行していて気づくのは、なかなか車が進まないということ。面積自体は日本の九州と同じくらいでとても小さい国です。しかし、端から端まで回ろうとすると、約1ヶ月はかかるでしょう。

原因としては、まず土地の高低差がとても大きいです。ブータンは海抜100m地点から7500m地点まであるため、かなり起伏の激しい国と言えるでしょう。

 

また、道路の渋滞や工事の場面にもよく出くわします。車が先に進めなかった時の臨機応変さや、根気強く車の揺れに耐える体力が必要。しかし、その過程でドライバーやガイドと色々な話をして仲良くなれるのはとても楽しいです。

そして、ブータンは景観や環境に配慮している国なので、トンネルがなく、道の数がかなり少ないです。道が少なく交通量も激しくないためか、信号もありません。どうしても交通整理が必要なところには人が立って旗で誘導しているところも。

 

9.富士山より高いところまで車で行ける

チェレラ峠という車で行ける峠があります。この峠の標高はなんと約3800m!ここからの眺めは爽快で、ヒマラヤの7000~8000m級の山々を見ることができます。

また、仏教のお経が記された旗(ルンタやタルチョ)が大量にはためく光景はすごい迫力です。

 

この峠は、ブータン唯一の国際空港があるパロ県と隣のハ県の県境にあり、海外からの旅人もアクセスもしやすい場所。きれいな空気を吸って、壮大なスケールの景色をお楽しみください。

 

10.幻の生き物・ターキンに出会える

ティンプー郊外には、ターキンと呼ばれる不思議な生き物を保護する放牧場があります。

ターキンは、山羊の顔に、牛の身体を持つと言われている珍しい動物です。チベット仏教では「聖なる狂人」と呼ばれる15世紀の僧・ドゥクパ・クンレイが牛の骨と山羊の骨を組み合わせて作ったという伝説があります。

その宗教的な神話との深いつながりから、ターキンはブータンを象徴する動物(国獣)として指定されているようです。その愛らしい姿に、あなたも心を動かされるかもしれません。

 

11.雪男に出会えるかも

ブータンには雪男(ミゲ)が住んでいるという噂があります。雪男伝説といえば世界各地にありますが、ブータンではかなり目撃情報が多いです。専門家だけでなく、一般の人も雪男についてよく知っており、様々な所でウソのような話が語られています。

 

雪男は毛むくじゃらで身長2メートルほどと言われており、人々に悪さをすると言う人もいれば、稲刈りの手伝いをしてくれると言う人まで様々。雪男には女バージョンの雪女(ミゲム)というのもいて、人間と結婚したという話もあるほどです。

しかし、筆者自身その姿を見たことはなく、あくまでも噂。このような山深い国にはそのような伝説はつきものです。もしあなたが雪男に出会えたら、それはとても貴重な経験となるでしょう。

 

ブータンは神秘の国、私たちへの重要なメッセージ

ブータンは1970年ごろまで長い間鎖国していたため、固有の文化が育まれてきた経緯があり、そこには私たちの想像を絶する世界が広がっています。

ブータンを訪れてみて感じるのは、その土地、その地域、その国の個性ってなんなのかということ。日本ではありきたりな開発で、街の個性やアイデンティティが失われていく中で、私たちがブータンから学ぶことは多いでしょう。独自の文化が色濃く残るブータンにぜひ訪れてみてください。

ライター
稲村 行真 伝統的町並みライター、挿絵描き、フォトグラファー

伝統文化や古い町並み・古民家のライターをしています。アート作品もやってます。個性が発揮できる社会を!

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