編集部

こんにちは、旅を広める会社である株式会社TABIPPOが運営をしている「旅」の総合WEBメディアです。世界一周のひとり旅を経験した旅好きなメンバーが、世界中を旅する魅力を伝えたいという想いで設立しました。旅人たちが実際に旅した体験をベースに1つずつ記事を配信して、これからの時代の多様な旅を提案します。

姉妹で94回ピースボートに乗船してます、姉の方です。自己紹介はコチラ!

今回の船旅の中で非常に仲良くなった、個性豊かでいつも乗船者を楽しませてくれる、ピースボートのスタッフのみなさんをご紹介します。

ピースボートの船に乗るまで、まさかこんなにスタッフの方々がフレンドリーで、友達や先輩のように振る舞ってくれると思っておらず、世界一周の旅が始まる前の不安はスタッフさんたちのおかげで解消されていきました。

 

スタッフは全員が元々ピースボートのお客さん!

1983年の初めての出航から、のべ5万人以上の参加者を世界一周に送りだしてきたピースボート。そんなピースボートの特徴とも言えるのが、ピースボートのスタッフさん(NGOピースボートの職員さん)たち。

とにかくいろんなバックグラウンドを持った、面白いスタッフさんばかりなんです。そしてなんと、ピースボートのスタッフの方々は、全員がピースボートでの世界一周を経験した人たち!中にはスタッフとしてこの船で世界を10周近く回っている方もいるとか!

 

今回お話を伺ったのは、94回ピースボートに乗船しているスタッフの方々。エンターテイメントな船上での生活は、こんなスタッフの方による手作りの空間です。

乗船者の洋上生活のすべてをサポートする、多才で個性的な方が多いスタッフのみなさんをご紹介します!

 

クルーズディレクターの田村美和子さん

あだ名は「たむさん」。生まれも育ちも大阪です。クルーズディレクターというのはピースボートの航海で全体の指揮を執る、いわば責任者です!

たむさんは姉御肌で天真爛漫。お客さんとスタッフのことを常に考えている素敵な方です。

高校卒業後、お菓子作りの専門学校に通われ、料理店でも勤務されていましたが、広い世界を見たいという理由で乗船。

【パーティで参加者とおしゃべりするたむさん】

当時のスタッフさんの人柄に惹かれて、ご自身もスタッフとして勤務。関われば関わるほど働く理由が増えていき、あっという間に13年。そんな彼女に、ピースボートの船の魅力について聞きました。

 

―ずばり、たむさんから伝えたいピースボートの魅力はなんですか?

出会いが本当に多いこと。現地での体験ツアーで学んだことや旅の体験談を、船に帰ってきてシェアしたり、自主企画で10~50人の前で発表できる場があったりします。旅の楽しさが何倍にもなるし、乗船者どうしで同じテーマを考え、体験することによって距離が更に近くなっていきます。

また、船の上には、ネット環境がありません。(wifiは100分2000円で購入して使用)現代の日本において、そんな環境は中々ないと思います。日本に帰った時、電車の中で同じ車両の人が全員スマホを見つめていたり、女子会やデートをしているのに携帯を片時も手放せなかったりという場面に出会うと、違和感を覚えます。

船では電波も使えないので、目の前の人との対話に集中できますし、一人の時にも本を読むなど、自分の内面と向き合う時間が必然的に増えます。自分が直接見たり聞いたりすることがこの船のコンセプトでもあるので、実体験で得たものを、今後の生活に生かしてほしいという思いで船を作っています。

 

―ピースボートって、スタッフさんとお客さんとの距離が凄く近いと思うんですが、たむさんは実際どうですか?

そうですね。仲はすごく良くなると思います。というより、もう100日間も一緒に生活するので、企画などを一緒に作り上げると古くからの地元の友達のような感覚になります。

例えば結婚式に呼んだり呼ばれたり、船の上だけで終わらずにお客さんの家に泊まりに行ったりします。私の主な業務の一つに各地でのピースボート説明会があります。47都道府県に友達ができるので、「いつでも泊まっていいよ」くらいの間柄で、宿には困らなくなりました。

「宿代が浮く!」…ではなくて素敵ですね。日本中に仲間がいるみたい。私の家にもぜひ泊まりにきてください。

 

船内で大好きなアイドルダンス企画を自ら主催⁉︎ 恩田夏絵さん

ぶいちゃんこと恩田夏絵さんは、船内で行われているプログラム、グローバルスクール担当で、ピースボートで働き始めて12年目のスタッフさん。

ピースボートのスタッフは、一度乗船して世界一周を経験していることが一つの条件となります。世界一周の旅の魅力を自身が体感し、ゲストにも体験してほしい!という熱い思いを持った人ではないと、スタッフになることが出来ないんですね。

 

ぶいちゃんの場合は、19歳で乗船。経歴はちょっぴり特殊で、小学2年から中学3年まで、家にひきこもっていた時期があるそうです。今では考えられないほど話上手で、多才で、背の高い美人さん。26歳の時に結婚し、素敵な結婚生活を送られています。

ひきこもって、自分の内面と向き合う時間がたくさんたあったからこそ、自分の嫌いなことや好きなことがはっきりしている。今毎日が本当に幸せ!と話してくれたぶいちゃんに、スタッフとして船で働くことについて、聞いてみました。

 

―船で働くうえで、意識していることや気を付けていることはありますか?

クオリティレベルの高さは気を付けています。スタッフはイベントを作りあげることが主な仕事のひとつで、その中で人の魅力を伝えています。なので、音響や照明ひとつにもこだわって、どういった雰囲気を作り出すのか、どんなことを伝えたいのかを落とし込むことが重要です。

水先案内人の講演の際は事前に打ち合わせを重ねて、どんな年代の人にも伝わりやすいようにかみ砕き、資料作成を行います。

 

また自身の企画の時には、自分の実体験である引きこもっていた時期のことや、LGBTの当事者としての経験を伝えていくことで、同じ立場の人にとって指標になればいいと思っています。特にそういった経験がない人にとっても、当事者の気持ちや体験を語ることが、理解につながると思います。

そういった真面目な企画から、私はAKB48やももクロ等のアイドルが好きなので、アイドルダンスの企画の運営なんかもしています。

 

―船での仕事の一番のやりがいは何ですか?

自分達で作り上げた船が無事に出航するときです。私が19歳で乗船した時、世界には様々な生き方があることを知りました。

若い時は特に、どうしても自分の生きている範囲で物事を考えてしまうので、生まれた環境や元々植えつけられた考えで、人生の選択が左右されることも多いと思います。多様な価値観に触れることで、選択の幅が広がり、そのおかげで自分の人生に前向きになることも出来ました。

世界各国でボランティア活動をしたり、被爆体験を世間に伝えたり、乗船者が自分を発信したり、交流してお互いの文化を理解したり、そんな船を出し続けることは本当に意味のあることだと思います。

わくわくするような経験の中で、何かをこの100日間で持ち帰ってもらう、そんな価値を提供できていると思うと、とてもやりがいを感じます。

 

プログラムディレクターの志村洋一さん

プログラムディレクターというのは、約100日間の間に行われる、船内での企画を取り仕切る、いわばイベントの実行委員長さん。

洋一さんは高校修了後、やりたいことが見つからず、多くの職業の方と話したい!と自転車で日本一周。その後、お姉さんが船に乗ったのがきっかけでピースボートに乗船。19歳の時です。

 

スタッフとして1年、船で働かれましたが、滞在日数が少ない旅のかたちに疑問を感じ、もっと現地の人と関わってその土地を深く知る旅がしたい!とバックパッカーで半年程、海外を旅します。

その間、フィリピンのスラムで3か月間、住み込みでNGOのボランティア活動をするなど、とにかく行動派のよういちさん。ピースボートで働くようになってからもそのパワフルな性格で船をサポートし続けています。そんなよういちさんに、船での生活について聞いてみました。

 

―船の一番の魅力ってなんですか?

個人的に一番好きなのはバイーアです。ヤマハのスピーカー直下で自分の好きな音源を持ち寄って大音量で聴けるって中々ないですよ。特に今回のクルーズでいうと、台湾・中国本土・ベネズエラ・シンガポールの人達など、多国籍の人が乗っています。

日本とは全く違う文化で、朝4時くらいまで彼らはずっと踊ってます。サルサ・メレンゲなんかの踊りを知ったら人生が格段に豊かになるし、ラテンにいって踊ることができたら友達のでき方が全然違います。

違う文化を持つ方々がお互いに時間があって、話せて遊べて、何日間も一緒に過ごすことのできる空間はピースボートならではですね。

 

―プロジェクトディレクターって船内イベントのまとめ役ですよね?

船内を歩く時は、ひたすらアンテナを張って参加者の皆さんの表情や行動、色々なものを見るように意識しています。どの場所にどんな方がいらっしゃるのかをなんとなくでも把握して、「僕らの船はどの時間帯においても、全年齢の人にとって楽しくできているのか?」というのはいつも自分に問いかけ考えています。

あとは、毎日すれ違って挨拶することとか、笑いあうこととか、それ自体がエンターテイメント!だと思うから、皆さんがホームにいるんだと感じられる空間作りは大事ですよね。

大きなお金と時間をかけて乗っているゲストに対して、挨拶ひとつとっても、中途半端なことはできません。

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