旅に出ると妙に頭の中がクリアになることがあります。日々の小さな悩みや、溜まっていた疲れが、旅の中でのさまざまな刺激を受けることで、どこかに吹き飛んでいってしまいます。また旅から帰ってきて、新しく何かを始めたり、挑戦したくなったりする気持ちが湧いてくることもあると思います。
これは旅の中での新しい経験が脳を刺激することで、たくさんの脳内物質が出て脳が活性化した結果です。今回は脳科学的にも実証されている、さまざまな旅の効能を紹介したいと思います。
旅行中の選択、判断の連続で前頭葉が活性化
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前頭葉は脳の司令塔の役割を担っています。前頭葉の活動がおろそかになると、物事がめんどくさくなったり、やる気が起きなくなってしまいます。こうなると仕事やプライベートにも影響が出てしまい、あまり良いことがありません。
この前頭葉を鍛えるには、「選択」「判断」「系列化」の3つの要素をバランスよく含まれている活動をすることが良いと言われています。
旅行中はまさにこの3点の集約といえるでしょう。沢山の情報の中から行き先や宿を自分で選択し、旅行中に起こる様々な場面に対してどうするかを判断する。限られた時間のなかで、どういう順番でまわるかや、毎日使う荷物を整理することで前頭葉が活性化します。
特に前頭葉のトレーニングに効果があるのは、人任せにすることができない個人旅行です。一人で見知らぬ土地を旅して帰ってくる頃には、一回り大きく成長し、自分に自信が付いていることでしょう。
旅行を計画するだけで幸福度が増す
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次の休みにどこに旅行へ行こうかと考えるとワクワクしてきますよね?
「旅行前後で人々の幸福度がどう変化するか」についてオランダが調査した研究によると、次の旅行について考えるだけで、旅行の8週間前から幸福感が高まるという結果が発表されています。
行きたい旅行先について、どこをまわろうかと本などを見て調べることにより徐々に期待感が高まり、脳内のドーパミンの分泌が促されるとのことです。もし次の休みが決まっている方は、次にどこに行こうか旅の計画を始めてみてください。
セロトニンの分泌でリラックス効果が得られる
セロトニンという脳内物質は幸せホルモンとも呼ばれており、たくさん分泌されていると心が落ち着きリラックスでき、足りなくなると不安感が出てきて、ストレスが多い状態となります。
旅行中にはこの幸福感とも関連するセロトニンの分泌が多くなり、日常生活から解放されリラックスした状態になれます。