TABIPPO社員
工藤 亮太 社員 / セールスディレクター

1995年に北九州市で生まれ、大学時代は5年間を大阪で過ごし、TABIPPO学生支部で大阪支部の代表を務める。就職とともに上京し、新卒1社目は求人広告メディアで営業&ネマケを担当し、2022年9月よりTABIPPOのセールスディレクターを担当。芸人としても活動しており、趣味はサーフィンとお酒。

都会の喧騒やデジタルの世界に溺れていると、僕たちはふと立ち止まって「本当の幸せって何だろう」と考える瞬間があります。

スマホで繋がる情報やエンタメは尽きないけれど、人との繋がり、心の奥に触れる体験こそが僕たちを満たすのではないだろうか……?

そんなことを考えているとき、知り合いの方からお話をいただいてカナダのユーコン準州の州都である「ホワイトホース」へ行くことに。

そこでは、まさに「生きている……!」という実感を呼び起こしてくれるような体験ばかりで、今まで31か国を旅してきた中でも、圧倒的に自分の感覚に触れることのできる旅でした。

ホワイトホースとは?

ホワイトホース 道
ホワイトホースとはカナダの街の名前で、ユーコン準州という州に属します。

街としては日本の1.3倍くらいの面積で、人口は43,000人ほど。(2024/02時点)そもそも人口が少なくて、動物の方が多い街です。

「ホワイトホース」は、街の中心地を流れるユーコン川の早瀬の白波が、白馬のたてがみのようだったことから名付けられたとか。かっこいいですよね。

ミドルネームでもいいから僕もホワイトホースという名前にしようかな……。

季節は四季折々なのですが、今回訪れたのは2月頭の真冬の時期。氷点下の温度になるのは当たり前で、-20℃などは日常茶飯事のこと。-30℃や-40℃まで下がることもあるらしいです。

ユーコン野生動物保護区で考える「自然との調和」や「シンプルな生き方」の大切さ

ホワイトホース 街中 散策
まずは、中心地を散策。

この日の気温は2℃ということでしたが、現地の人々は「こんなことないよ!かなり暖かい!」と現地の人は言います。

ただ暖かい日が続くと、雪が溶けて地面がべちゃべちゃになり、その水がまた凍るのでかなり危険になるそう。

ホワイトホース ユーコン川木が生えていない白い部分は川が凍ってます
ホワイトホースではその昔、金が取れたらしく、かつてはその金を求め移民たちがユーコン川を下ってやってきたそうです。街の中心地を散策をした後は、「ユーコン野生動物保護区」へ。

ユーコン野生保護地区では、広大な自然と野生動物の息遣いを感じられる北米ならではの体験を。

雄大な山脈や果てしなく続く森林、氷河によって形成された風景の中をハイキング。ウッドバイソンやカリブーが自然のままに生活する姿に出会うことができます。

シロイワヤギ北米の山岳地帯に生息する、シロイワヤギ
ドールシープドールシープと呼ばれる、北アメリカ北西部原産の野生の羊の一種。佇まいがカッコイイ
スマホがないと生活できなかったり、日々仕事に追われたり、コンクリートジャングルの中で疲弊しながら過ごす毎日。

対して、この大自然のなかで生息している彼らの生き様は、僕たちが忘れていた「自然との調和」や「シンプルな生き方」の大切さを静かに教えてくれます。

ユーコン野生動物保護区では、文明社会では得られない、原始の世界を垣間見たような感動をおぼえ、自然との深い繋がりを感じさせられました。

地元民が集まるブルワリーにて、コミュニティの価値を体感

カナダ ホワイトホース ビール
さて、旅と言えば……そうですよね。お酒です。

お酒がないと始まらない。……とまでは言いませんが、お酒があれば人はコミュニケーションがとれるので僕にとってお酒は旅に、いや人生にはなくてはならないものです。

この日は日曜ですぐ閉まる店もありましたが、地元民がよくいくブルワリーへ。


お店に入った瞬間、店員さんが満面の笑みでお出迎え。

午後16時頃に来たのですが、そこから地元の方々がぞろぞろと入ってきて店は賑わってきます。

店員さんはかなりフレンドリーで明るく、おすすめのクラフトビールを丁寧にジョークを交えながら説明してくれます。

その店内の明るい雰囲気が我々やほかのお客さんへも伝播していきます。お客さん同士もコミュニケーションを交わし、気づけば我々旅人も含めて1つのコミュニティのように。

ホワイトホース ビール 店店内に貼ってあったポスターも素敵
「CO2を排出しないようにお店に来てもらえれば10%オフ」など環境にも優しい仕組み作りをしていて、地球にも地元の方にも愛されるお店。

ホワイトホースには、心に余裕があって、人と自然との繋がりを大事にし、一瞬一瞬を楽しむスタンスの人たちばかり。幸福度の高い人たちが多いような気がしますし、そんな素敵な人たちから「生きる」ことを学んだような気がします。

いざクルアニ国立公園へ!3日間のデジタルデトックスでは「何を感じ、何を得れるのか」

ホワイトホースの中心地で1泊した後は、車に乗ってアラスカハイウェイで3時間程度の場所に位置するクルアニ国立公園付近のロッジへ向かいます。

北米なんてテレビでしか観たことなく、まさか自分が行ける日が来るなんて思っていなかったので大興奮が止まりません……!

宿泊先のロッジは電波が通じないところ(というか普通人間が住めないような限界環境)なので、最近よく言われている「デジタルデトックス」をまるまる3日間体験しました。そこから「何を感じ、何を得るのか?」というのも今回の旅の目的の1つでもありました。

クルアニ国立公園北に続く1本の広大な道を進んでいく
アラスカハイウェイは、なんと全長2,237km。そして1942年に8-9ヶ月の突貫工事で、この厳しい環境のなかハイウェイを作ったそう……。一体どんな業なんだ……!?

このアラスカハイウェイでは、選手たちが犬ぞりで1600kmを走り抜ける「ユーコンクエスト」が毎年2月に行われます。大会前は街のいたる所がその話題で持ちきりになるそうです。また、スポンサーがついたりとかなり大規模なイベント。次来るときはそのタイミングに合わせて来たいなと思います。

クルアニ国立公園
クルアニ国立公園
車で運転すること約3時間、これから3日間過ごすロッジに到着します。

見渡す限りの大自然、氷河で削られた急峻な雪山、凍結した広大な湖……。そこは日本では目にすることができないような景色が広がっていました。

電波も通じず、周囲には人間がいない静かな環境、山に囲まれた環境で一歩飛び出せば最高の被写体が待っている。。スケールが違いすぎて、言葉も出ません……。

人・自然とつながるアラスカでの生活

クルアニ国立公園
アラスカに近いここクルアニ国立公園では、凍った湖や人の手が加わってない山をスノーシューで散策することができます。

当然トレッキングコースなどというものはなく、手付かずの大自然の中にお邪魔させていただきます。

クルアニ国立公園
クルアニ国立公園
ここでは先住民族であるファーストネーションの人たちが暮らしています。彼らはハンティングを生活の軸としていて、シカやトナカイ、バイソンを撃ってその肉を食べる生活をしています。ハンターは、足跡や糞の性質をみて動物が出現しやすいような場所の木の上に一時的な住処を作って動物を観察し獲物を狙うそう。

また、ユーコンでは一般的には狩猟免許が必要ですが、特定の状況下では狩猟免許がなくても狩猟が認められるケースがあるといいます。

それが認められているのがファーストネーションの方々。彼らはライセンスを必要とせず、伝統的な方法で狩猟することが権利として認められています。これにより、ファーストネーションの人たちは受け継がれてきた方法で自給自足の生活を送ることができているそうです。

ファーストネーションの人々は自然をリスペクトしていて、必要以上に獲物を獲ることはないそうです。また、獲った獲物からいただく生命に感謝をし(その場で10分祈るそう)、肉から毛皮から骨まで全てを料理や服、生活の道具などに使うといいます。

本来のエコシステムの一環とも言える、そんな文化がこの場所では成立をしているからこそ、自然もありのままに存在し、人間もありのままで生活ができています。

クルアニ国立公園
日頃、都会に住む我々は、狩猟をしている人やその瞬間をみて「うわ、残酷だ……」と思うこともあります。

自然をリスペクトしているからこそ、必要な分のみ動物の生命をいただいて生活をし、できるだけ植物や動物に迷惑をかけないように生きている人。対照的に、実際にみずから手を下すことはなく、食料にありつき、狩猟するシーンを見て「残酷だ……」と思う我々。本当に残酷なのはどちらなのでしょうか?

自然をリスペクトし、そのなかで「生きることとは何か」を考えさせられます。

まるで瞑想のような人生初のオーロラ体験、そして人との繋がり

今回の旅のメインコンテンツの一つ、それがオーロラを見ることです。

クルアニ国立公園周辺では夜の23時~朝の5時の時間帯にオーロラが発生する確率が高く、その間は仮眠をとりながら30分〜1時間起きに空をチェックするような動きをしていきます。

クルアニ国立公園ロッジで、オーナーさんが作ってくれた最高においしい鹿のポトフを食べ、外に出てみると満点の星空。
ここクルアニ国立公園は基本湖が広がっているので、視界を遮るものがなく、空が限りなく広がっています。また、北に位置しており空気が澄んでいるので、星をたくさん見ることができます。

いままで僕は、日本では岐阜や長野や沖縄、ニュージーランドではテカポ湖、アフリカではナミビアや南アフリカ共和国でたくさんの星空をみてきましたが、間違いなく今まで見てきたなかで一番綺麗な星空でした。

ロッジで待つこと3~4時間。

電波がない環境で、お酒を飲みながらお互いのこれまでの人生やこれからの展望、今回の旅で得たこと感じたことなど語らいながらオーロラが出てくる時間を待ちます。

これまでの人生、スマホを手にしてからというもの1日もかかさずにスマホを使い、お風呂に入るとき以外、ずっと側にはスマホがいました。

ご飯を食べる時も、スポーツをする時も、旅をするときもずっと。

今回は物理的に電波が使えないのでどうなることやら……とやや不安もありましたが、結果的に「こんなに人とのコミュニケーションを楽しむことができるのか!」と思える体験ができました。

それも「おもしろい」という楽しみ方ではなく、時間を忘れてその1秒1秒の瞬間を生きているような、”デジタルデトックス”という言葉で表しきれないような、瞑想に近い体験をしました。

クルアニ国立公園, オーロラ
天気にも恵まれ、ちゃんとした防寒をすればそれほど寒くない気温(それでも-20℃くらい)で、念願のオーロラをみることに成功!

満点の星空と、月に照らされた氷山、地平線、オーロラを一緒に体験することで、共に旅をしていた人たちとはなんとも言えない繋がりを感じましたし、今までに感じたことのない多幸感に包まれました。

おいしい料理を食べ、素晴らしい大自然の景色を見て、旅仲間と語り合う。それだけで人は幸せになれるのだと心の底から感じました。

Digital Disconnectd, Human connected

クルアニ国立公園
スマホ1台あれば何時間でも暇つぶしができる。

PC1台あれば、どこでも仕事ができる。

chatGPTに聞けばなんでもわかる。

そんな時代で生きていく上で、人間の根源的な幸せってなんなのでしょう。

数日間のデジタルデトックス(Digital Disconnected)によって得たものは、人間との繋がり(Human connected)でした。
今回一緒にホワイトホースを旅したみなさん

誰と、どこで、何を食べ、何を経験し、何を語りあうか。そして何を感じ、何に多幸感を覚えるか。

「旅」という経験は、未知なる外側の”モノ”に触れて興奮するだけでなく、自分自身の内側にある未知なる部分に触れる機会を与えてくれます。そしてその経験・機会は人間を人間たらしめるものだと今回は改めて思いました。

そのような「旅」を経験するには、今回のホワイトホースはもってこいのシチュエーション。

人生に1回はホワイトホースへ、「旅」をしに行きましょう。

All photos by Kudo Ryota

TABIPPO社員
工藤 亮太 社員 / セールスディレクター

1995年に北九州市で生まれ、大学時代は5年間を大阪で過ごし、TABIPPO学生支部で大阪支部の代表を務める。就職とともに上京し、新卒1社目は求人広告メディアで営業&ネマケを担当し、2022年9月よりTABIPPOのセールスディレクターを担当。芸人としても活動しており、趣味はサーフィンとお酒。

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