SHIORI 地球って美人!

自分の目で見て自身で体感することで得られる感動、旅に出た時に感じるなんとも言い難い心を鷲掴みにされる感覚のトリコです。一生旅と隣あわせの人生を。たくさんの方に旅の素晴らしさをお伝えしていきたいです。

こんにちは!SHIORIです。「カンデラリア教会虐殺事件って知ってる?」ブラジルはリオデジャネイロで街散策をしている時に、一緒に旅をしていた妹から投げかけられたこの質問が、この事件を知るきっかけでした。

今回は、そんな南米リオデジャネイロの街の小さくて美しい教会にまつわる、深刻な貧富の格差問題が引き起こした2つの悲しい事件をご紹介します。

リオ市内にある美しい教会が持つ悲しい過去

photo by SHIORI

みなさん、カンデラリア教会の名前を耳にしたことはありますか?カンデラリア教会はこの美しいブラジルはリオデジャネイロのセントロ歴史地区にあります。

カンデラリア教会は、17世紀初頭にスペイン人によって建てられました。「カンデラリア」という名前は嵐の中リオデジャネイロに辿り着いた難破船から付けられたもので、乗船していたスペイン人によって建てられたリオデジャネイロ最古の教会として親しまれています。その後、カンデラリア教会は幾度かの改築を繰り返し19世紀、現在の姿になったと言われています。

カンデラリア教会の名を有名にしたのは美しいというだけではなく、ここで悲しい2つの事件が起きたから。

 

カンデラリア虐殺事件とリオ史上最悪のバスジャック事件

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昔、カンデラリア教会ではたくさんのストリートチルドレンに簡易宿泊所を提供し、食料、教育、シェルター、宗教指導などの援助を無償で行っていました。事件当時、ここでは約70人が生活を共にしてたといいます。

1993年7月23日、パトカーに石を投げたストリートチルドレンへの報復行為として、深夜の教会で寝ている子供たちに対し、二人の警察官が無差別に発砲した事件が「カンデラリア虐殺」事件。この事件で8名の尊い命が奪われてしまいました。

当時、このような路上生活をする少年や犯罪行為に走る少年たちが問題視されていたそう。そして、地域や社会からの不満の声が多かったため、路上生活者への取り締まりを名目とした警察の暴力行為が絶えなかったといいます。そんな中起こった事件でした。

 

カンデラリア虐殺事件から7年後の2000年6月、リオ市内を走るバスを元ストリート・チルドレンの男性が金をゆすり取ろうとバスジャックします。

バス停に並んでいた他の乗客により警察に通報されてしまった男性は「あのときのように警察に殺されてしまう」という恐怖心から「逃亡車を用意しないならバスの車内全員を殺す」と口走ってしまいます(実は後から、男性が乗客には誰も殺さない、傷つけないと伝えていたことがわかりました)。

彼の警察への恐怖心の最大のきっかけは、あのカンデラリア教会での虐殺事件。当時彼は助かったものの、事件のあった日に教会にいた子供の一人だったのです。

 

残念ながら、男性はその後警察に押さえつけられ窒息死してしまい、事件は幕を閉じました。しかし、カンデラリア教会のあの事件がなければ起らなかったかもしれない大きな事件として、現在もリオデジャネイロ市民の間では、史上最悪の事件として語り継がれています。ちなみに、このバスジャック事件は「BUS174」というタイトルで映画化されました。

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