こんにちは。秋を探しては休日に暇がない、トラベルライターの土庄です。紅葉を楽しむのであれば登山……だけではなく、サイクリングもおすすめ!
涼しい気候のため走りやすく、道の傍にある小さな秋を楽しみながら、日帰りの冒険が楽しめます。交通費がかからず、健康的で、混雑を避けつつ紅葉スポットを巡れるというメリットも。
そこで今回は一例として、筆者が地元奥三河を巡った秋のサイクリングレポートをご紹介します。
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愛知県の秘境エリア「奥三河」へ自転車旅
愛知県といえば名古屋や海沿いに注目が集まりがちですが、山手にある奥三河エリアも魅力的な地域だということは、それほど知られていないでしょう。
日本の原風景ともいえる山間集落や、桃源郷と呼びたくなる花の景色、屋久島を思わせる渓谷など、穴場スポットがたくさんあります。
今回は奥三河の秋の風物詩のひとつ「小原の四季桜」を目指す約80kmのロングライドを楽しんできました。
紅葉の軽ハイキングも楽しめる「岩屋堂公園」
名古屋から奥三河へ入る最短経路は、焼き物の町・瀬戸を抜けるルート。県道212号線・戸越峠です。
ひとつ目の立ち寄りスポットは、その道中にある「岩屋堂公園」という紅葉名所。矢田川沿いを走ってアクセスしました。川沿いはアップダウンがなく、交通量も少ないのでストレスフリー!
朝はひんやりとする11月。ペダルを漕いで身体を温めつつ、秋らしいパリッとした寒さの情緒を味わうのがなんだかいいんですよね。
岩屋堂は、かつて奈良時代に東大寺大仏造立の中心的な役割を果たした名僧・行基が薬師仏を安置したと伝わる場所。日本史の表舞台につながる場所が愛知の山間部にあるなんて、驚きですね。
岩屋堂の裏には、岩巣山展望台という名古屋を一望するスポットが。展望台から眺める岩屋堂の紅葉はまるで絵画のような美しさでした。
展望台からおりてきたら、公園内のお店でみたらし団子を購入!移動しながらその先々でグルメをいただけるのも、自転車旅の醍醐味です。自転車は意外とカロリー消費も大きいので、いろいろ食べても罪悪感がないのも嬉しいところ。
さぁここから瀬戸市と豊田市を隔てる戸越峠を越えて、いよいよ奥三河エリアへ入っていきます。
・名称:岩屋堂公園
・住所:愛知県瀬戸市岩屋町
・地図:
・アクセス:名古屋市街から自転車で約1時間〜1時間30分
・営業時間:9時00分~21時30分
・定休日:なし
・電話番号:0561-85-2730
・料金:無料
・所要時間:約1時間
・オススメの時期:秋(11月中旬〜下旬)
・公式サイトURL:https://iwayado.toweb.top/
桜と紅葉の共演が見られる「川見四季桜の里」へ
約5kmの峠道を越えて、アップダウンを繰り返す山間部を駆け抜けていきます。交通量が少なくなり信号も皆無。ペダルを漕いだ分、ぐんぐん加速できます。
そして戸越峠から約15km弱進んだころから、少しずつ周囲の風景が変わったことを感じました。紅葉の木々の隙間を埋めるように、桜が咲き誇っているのです。
これが春と秋の2回咲くという四季桜。ここでしか見られない秋色の風景を堪能しました。
そしてハイライトとなる「川見四季桜の里」に到着。するとそこには、ピンク色に包まれる山肌に紅葉が混在する絶景が広がっていました。
噂には聞いていたものの、自分の地元にこんな場所があったとは……!自転車に乗ると、自分の視点が意外と灯台下暗しだったことに気づかされます。それほど自転車はいろんな風景を見せてくれるのです。
ここまで時間にして3〜4時間ほど、約40kmほどの走行距離。かなり遠くに来た気がしますが、体力的には余裕があります。距離感が麻痺すると、どんなところでも自転車ひとつで旅ができる感覚になってきます。
そんな「川見四季桜の里」ですが、「さくら山」と名付けられたハイキングコースが整備されています。離れて眺めるのもいいですが、四季桜と紅葉のトンネルを進むのも趣深いですよ。
散策路の中でもおすすめなのが「さくら山」の北東部の斜面。そこにはなんと赤い紅葉・四季桜・カラマツの黄葉・杉の緑と複数の色が一列に並んだ景色が。
奥三河の自然ならでは秋色のコラボレーションを味わうことができました。
・名称:川見四季桜の里
・住所:愛知県豊田市川見町
・地図:
・アクセス:岩屋堂から自転車で約1時間30分〜2時間
・営業時間:24時間 ※四季桜まつり期間中(11/12〜11/30)は9時00分~16時00分
・定休日:なし
・電話番号:0565-65-3808
・料金:無料
・所要時間:約1時間
・オススメの時期:秋(11月中旬〜下旬)
・豊田市小原観光協会公式ページURL:https://www.kankou-obara.toyota.aichi.jp/place/174/
並んでいるとどうしても食べたくなる「地鶏グルメ」
川見四季桜の里から、紅葉の名所「香嵐渓」までは約25kmほど。標高はそれほど高くないものの、アップダウンに富んでおり、走りごたえがあります。
中盤は”いかに耐え忍べるか”が勝負を分けるポイント。上りがあれば下りもあるので、報われるのを信じてペダルを漕ぎ続けます。ペースを上げすぎず、マイペースに走ること。適度に水分補給を心がけるのもポイントです。
「まだか、まだか……」と気持ちが切れかけてきたとき、一軒のお食事どころ「花の木」を発見。しかも人通りの多くない山間部でありながら行列ができていたのです。
「さぞおいしいお店なのでは?」
これだけ並んでいると気になってしまいます。お昼を食べていなかったのと、休憩にちょうど良かったので、30分ほど並んで入店しました。