ライター

旅と料理が好きな26歳。化粧品会社のweb・アプリ担当として3年間働いた後、ゼロ日婚をした夫と2人でニュージーランドにてワーキングホリデー生活を送る。"自分と大切な人の幸せを第一に、自分でデザインした人生を、楽しく生きる人を増やす" べく、パートナーシップ・旅・料理などを発信。

「ドミニカ共和国に行った時に〜」

って話をすると「え?ドミニカ共和国に言ったの?」と、ほとんど毎回聞き返されます。

そのあとは、ドミニカ共和国ってどこにあるんだっけ?とか、ドミニカって名前の国2つあったよね?とか、ドミニカ共和国についての質問が続きます。

私は、いただきますの時にお祈りをしてたとか、サルサやメレンゲを踊ったとか、そのなかの1エピソードを話そうとしただけなのに、なかなか本題に辿り着けません。

そのくらい、ドミニカ共和国は日本人にとって馴染みが薄い国なのだと思います。

よく聞かれる質問に先に答えておくと、ドミニカ共和国は中米・カリブ海に位置する国で、キューバの右隣の島を、ハイチと半分こしています。公用語はスペイン語で、主要な宗教はカトリックです。

ドミニカ国という国がありますが、こちらは公用語は英語、全く別の国です。どちらもコロンブスが見つけたのですが、見つけたのが両方日曜日だったため、ラテン語で「日曜日」を意味する「Dominicus」の名称をつけたそうです。

そんな基本情報もあまり知られていないドミニカ共和国に、昨年の年末年始を挟んで2週間、友人の帰省についていく形で行ってきました。

ドミニカ共和国人の友人

まずは、友人の話をさせてください。彼がいなければ、ドミニカ共和国という国に行くどころか、この国について知ることもなかったでしょう。

私は社会人1年目のときに、友人に連れられて広島のゲストハウスに行ったことをきっかけに、旅の魅力に目覚め、自分らしくいられる仲間たちにたくさん出会うようになりました。

そのゲストハウスは、ただの宿泊施設ではなく、オーナーを中心にオーナーの友人や、さらにその友人がどんどん繋がっていく、コミュニティのような場所でした。その中の料理好きな人たちが東京で料理会をやっていると聞き、料理好きの私も参加した際、ドミニカ共和国出身の友人に出会いました。

じつは夫ともその料理会で出会いました。一時期は3人でいろんな旅行やイベントに参加し、「いつも3人セットだね」と言われるほど。

入籍の際の証人も彼にお願いし、手作り結婚式では牧師役もお願いしました。

結婚式での牧師役photo by Q
彼は日本人よりも日本人らしいような、礼儀正しくて優しくて、みんなにいつも気を配ってくれる、とっても素敵な人です。

そんな彼が育った国であるドミニカ共和国へ一緒に行くことは、私の「死ぬまでにやりたいことリスト」の上位に入っていました。それが昨年末から今年の初めにかけて、ついに実現したのです。

飲んで踊って花火が上がる年越し

ドミニカ共和国での年越しは、日本とはまるで違いました。家族でゆっくり年越し蕎麦を食べ、おせちを食べて初詣に行く日本の年越しとは真逆です。

熱帯気候で年中温暖なドミニカ共和国では、年末年始も夏のような気候。「暑い年越し」というだけで既に不思議な体験でした。

大晦日の朝は、ビールで乾杯からスタート。日本時間で年が明けたので、朝から「¡Feliz año nuevo!(スペイン語でHappy New Year!)」とお祝いをしました。

日中は街を散策、夕方には昼寝をして、22時頃からパーティーが始まりました。

私たちは友人の妹の家に泊めてもらっていたのですが、家族・親戚がどんどん集まってきて、あっという間に大宴会に!

親戚が持ち寄ったご飯を食べながら、ビールやワインを飲み、爆音の音楽に合わせてダンス!

サルサ・メレンゲ・バチャータなどのペアダンスが繰り広げられました。私たちも見よう見まねで参加。親戚の皆さんとダンスをしました。

年越しが近づくと、家の近くで花火が次々と上がり、シャンパンを用意してカウントダウン。

「5,4,3,2,1 ¡Feliz año nuevo!」

年越しの花火とお酒近所で上がった年越しの花火
そのまま朝の5時くらいまで、爆音のダンスパーティーは続きました。

この日は年越しパーティーでしたが、翌日は友人のお母さんの誕生日パーティー、友人と私たちが帰る日もお別れパーティーをしてくれました。飲んで、踊って、盛り上がるパーティーが盛りだくさんでした。

ドミニカ共和国はビーチが綺麗!

友人の妹の家は、首都Santo Domingoにあるのですが、ビーチリゾートがたくさんある“Las Terrenas”というエリアにも遊びに行きました。

4輪バギーに乗ってオフロードを走り回ったり、馬に乗って急な山道を登ったり、いろんなビーチに行って海で遊んだり。海で遊ぼうとしたら雨が降ってきた日は、近くの小さなレストランに避難し、店員さんも一緒にダンスパーティーをしたりもしました。

特に驚いたのが、ドミニカ共和国のビーチが信じられないほど綺麗だったこと。「ビーチリゾートとして有名な場所よりも全然綺麗なのでは!?」と思ってしまうほど。透明な海の水が太陽の光でキラキラと輝くビーチにたくさん出会えました!

ドミニカ共和国の海4輪バギーツアー中に訪れた綺麗で静かな海
人が少ない綺麗なビーチを楽しんだり、人が集まってワイワイしてるビーチでお酒を飲んでご飯を食べたり、いろんなビーチの楽しみ方ができました。

ドミニカ共和国の食文化

先述した通り、ドミニカ共和国人の友人と夫と私は料理仲間だったのですが、もう1人ドイツ人の友人と4人で、よく色々な国の料理をテーマアップして作る会をしていました。

もちろんドイツ料理とドミニカ共和国料理も作ったことがあります。ただ、ドミニカ共和国料理については、日本で手に入りづらい食材があり、再現しきれていませんでした。そのため、今回本場のドミニカ共和国料理を食べることをとても楽しみにしていました。

その日本ではなかなか手に入らない食材というのが、yuca(キャッサバ)とplatano(緑のバナナ)です。どちらも特別なお店で探せば買えるかもしれませんが、普通のスーパーでは売っていない食材です。ドミニカ共和国ではこれらがどのスーパーに行っても大抵並んでいます。
ドミニカ共和国のスーパーに並ぶyucaとplatanoスーパーマーケットに並ぶyuca(左)とplatano(右)

Platanoとyuca、この2つの食材はいろんな料理に使われていました。例えば、platanoは輪切りにして揚げたフライドポテトみたいなもの、潰してマッシュポテトみたいにして肉を包んだ料理や、カリカリの豚皮と混ぜた料理がありました。yucaはyucaを皮にした揚げ餃子(エンパナーダ)、フライドyucaなど……。

ポテトチップスコーナーにも、platanoチップスとyucaチップスが並んでいました。

私の名前が”ゆうか”なので、ドミニカファミリーはみんなyucaが入っている料理があると、私に必ず報告してくれました(笑)

他にも豆が入った炊き込みご飯「モロ」、肉と芋を煮込んだ「サンコチョ」など、日本で一緒に作った料理をドミニカ共和国へ行くことにより本場の味を体感することもできました。アボカドがものすごく大きかったり、南国のフルーツがたくさんあったり、気候が異なるがゆえの食材の違いを感じられたのが、とても面白い食文化体験でした。

あたたかかったドミニカファミリー

旅の間、私たちは友人の妹と彼女のパートナー、いとこ2人とは行動をほぼ共にしました。ご両親も時々参加し、親戚や幼馴染、友人の大学時代の友達たちにも会いました。

みんなが本当に優しくて親切で、

「日本から来たみんなにドミニカ共和国を好きになってほしい!楽しんでほしい!」

という、おもてなしの心で溢れていました。ドミニカ共和国は治安が良いとは言えない国なので、家の近くでも歩かずに車移動するなど、安全のための配慮もたくさんしてくれました。

あまり英語を話せない人も多かったのですが、スペイン語・英語・日本語ミックスで、Google翻訳にも頼りつつ、みんなで踊ったり遊んだりする非言語コミュニケーション盛りだくさんで、とても仲良くなることができました。

ドミニカファミリーとみんなと一緒に旅をしたみんなで記念撮影。手前の4人がドミニカ在住組。
友人と彼の妹が旅の企画をしてくれたのですが、日本から8人が来て、ドミニカ共和国にいる家族も一緒に、長距離移動も含めた旅の行程を決めるのは、とても大変だったと思います。楽しい時間盛りだくさんの企画をしてくれたことに心から感謝です!

友人のルーツを巡る旅

今回の旅を通して、家族を大切にする文化や親戚との絆が、友人の優しくて素敵な人柄を育んだのだと感じました。

親戚が集まってみんなで過ごす時間が当たり前の文化に触れ、また、そんな彼らが愛情を持って互いを支え合っている様子に、心が温まりました。

友人の実家を訪れた時には、ご近所さんのお家で、昔の写真をスライドショーで見る時間がありました。家族ぐるみで仲良く、みんなで集まる時間を大切にしながら子供たちの成長を見守ってきた、幼馴染家族との絆を感じました。

日本とは全く違う環境で育った友人と、日本で出会い、親しくなれたことは、今でも奇跡のように感じています。彼が育った国を知り、家族や友人の友達に会えたこの旅は、私にとって忘れられない旅です。

あまり”観光”に対する欲が強くない私は、行きたい国や場所を聞かれても、「特にないな〜」と思ってしまうのですが、こうして友人のルーツを見に行くような旅は大好きです。

国内外問わず、これからも友人のルーツを巡る旅をしていきたいと思っています。

ライター

旅と料理が好きな26歳。化粧品会社のweb・アプリ担当として3年間働いた後、ゼロ日婚をした夫と2人でニュージーランドにてワーキングホリデー生活を送る。"自分と大切な人の幸せを第一に、自分でデザインした人生を、楽しく生きる人を増やす" べく、パートナーシップ・旅・料理などを発信。

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