手作りブラウニーの、モーニングティー
ライター

旅と料理が好きな26歳。化粧品会社のweb・アプリ担当として3年間働いた後、ゼロ日婚をした夫と2人でニュージーランドにてワーキングホリデー生活を送る。"自分と大切な人の幸せを第一に、自分でデザインした人生を、楽しく生きる人を増やす" べく、パートナーシップ・旅・料理などを発信。

日々の生活は、さまざまな習慣が積み重なって出来上がっています。

朝起きたら歯を磨いて白湯を飲む。寝る前にはヨガをして、本を読む。旅の日の朝にはスパイスカレーを食べる。そんなひとつひとつの行動も、少しずつ変化していくものです。

旅の日の朝カレー旅の日の朝はカレーを食べるのが、いつしか私たち夫婦の習慣に。冷蔵庫に残ってる卵も薬味も全部乗せます。
皆さんの習慣が変化するのは、どんな時でしょうか?
憧れのモデルのモーニングルーティン動画を見た時でしょうか?それとも、新しいアロマを買った時でしょうか?新しい習慣を取り入れる瞬間は、わくわくしますよね。

私が楽しみにしているのは、旅先で見つけた習慣を持ち帰ることです。旅先で触れた文化や暮らしの中にある、素敵な習慣。そうしたものを日常に取り入れることで、非日常の感動を少しずつ日常に溶け込ませ、生活をアップデートすることができるのです。

フィリピンで気づいた「太陽とともに生きる」時間

新婚旅行で訪れたフィリピンでは、特別な体験をしました。友人が大学時代にボランティアをしていた孤児院を訪問し、数日間その生活に触れることになったのです。

ココナッツ子供たちに、ココナッツの割り方を教えてもらいました。
その孤児院では、太陽のリズムに合わせたシンプルな生活が営まれていました。朝6時頃に起き、7時には朝食、11時に昼食、そして17時に夕食を済ませます。日が暮れると外では遊べなくなるため、20時頃には寝る準備に入るのです。子供たちはさらに早起きで、薄明るい空の下、遊んだり教会に向かったりしていました。

フィリピンの孤児院でのご飯孤児院には滞在費を払い、一部が運営への寄付となる仕組み。ゲスト用のご飯を作ってくれていました。
一方、日本では夜遅くまで仕事をして、朝は日が昇ってからも布団の中で過ごすことが多いと思います。私自身も早寝早起きが好きな方ではありましたが、夜には電気をつけて活動し、朝は日光を無駄にしている時間がありました。

フィリピンでの暮らしを見ていると、太陽光を活用するというシンプルで効率的な生活が、いかに理にかなっているかを感じました。実際、海外では太陽光を最大限に活用するために、サマータイム(夏に1時間、国全体で時計を遅らせる制度)を導入している国も多いです。

日本に帰国後、私たち夫婦は5時台に起きる生活を始めました。朝日が差し込む瞬間は、ただそれだけで気持ちが良いものです。早朝にオフィスへ行けば、静かな時間に集中して作業ができるというメリットもあります。また、夜早く寝ることで電気代を節約でき、環境にも優しいという効果もありました。

朝日朝日が差し込む瞬間は、どこにいても「美しい」と感じます。

ニュージーランドで学んだ「モーニングティー」の豊かさ

現在、私は夫とともにニュージーランドでワーキングホリデーをしています。この国で新たに出会った習慣の1つが、「モーニングティー」です。

「モーニングティー」とは、午前中に紅茶やコーヒーを飲みながらお菓子を楽しむ時間です。学校でもこの時間があり、子供たちは小さなランチボックスにおやつを入れて登校します。

モーニングティー。スコーンとフラットホワイトイギリスの紅茶文化から来ているようです。「ティー」とつきますが、コーヒーやラテを飲むことも多いです。
この習慣には、短い休憩で仕事や勉強の効率を上げる効果がありますが、それ以上に人々との交流を深める役割が大きいと感じました。

例えば、私たちが滞在したお家では、ご近所さんがふらりと訪れ、ホストが紅茶を淹れて、「ちょっとおしゃべりしよう」と一緒にゆっくり過ごす場面をよく見かけます。午後や夕方でも、人に会うと、「とりあえず紅茶を1杯どう?」と誘われることがあり、お茶を囲みながら会話を楽しむのがニュージーランドらしい風景です。

モーニングティー複数世帯が集まって住むコミュニティ「エコビレッジ」では、住人たちが大勢集まって、モーニングティーをとっていました。
私自身も、このモーニングティーの文化を日常に取り入れたいと思いました。紅茶と手作りのお菓子を用意して、友人や家族をもてなす。そして、お茶を片手に心地よい時間を共有する。そんな習慣があると、日常の何気ない時間を大切にでき、人との交流によって心が豊かになる気がします。

手作りお菓子お菓子作りが上手な方から、美味しいレシピを教わりました。

みんなで手前味噌づくり

国内の旅では、夫の知り合いの農家さんの家に友人たちと泊まり、味噌づくりを体験しました。手前味噌を作るのは初めてのこと。窯で大豆を茹でるところから始め、潰して麹と塩と混ぜていく。味噌作りはシンプルながらも奥深く、みんなで手を動かしながら笑い合う時間がとても楽しかったのを覚えています。

味噌作り大豆は杵と臼で潰しました。
作り終えた味噌をそれぞれの容器に分け、持ち帰った後は熟成を待つ時間が始まります。「味噌、あと○ヶ月だね!」と話題にする日々も楽しく、完成して開封する時には、友人たちと「ついに食べられるね!」と喜び合いました。

自分たちで作った味噌は、市販のものとはまた違う深い味わいで、毎日のお味噌汁がぐっと楽しみになりました。

朝食・味噌汁私たちの朝ご飯。味噌汁が美味しすぎて、丼で飲むようになりました。
その農家さんの家とは少し遠い場所に引っ越すので、頻繁に訪れることは難しくなりそうですが、新しい家では友人夫婦と一緒に暮らす予定です。次回は、共に暮らすみんなで味噌づくりをして、またあのわくわくする時間を楽しみたいと考えています。

旅先の習慣を日常に取り入れる楽しみ

次の旅
旅先で触れた習慣を日常に持ち帰ることで、生活に新しい視点や楽しみを加えることができます。

フィリピンで学んだ「太陽とともに生きる時間」、ニュージーランドで知った「モーニングティー」の豊かさ、そして日本での味噌づくりの体験。これらはそれぞれ異なる形で、私たち夫婦の生活を豊かにしてくれました。

次に旅をする際には、その土地ならではの習慣や文化に目を向けてみてください。

観光地巡りやグルメ探訪だけでなく、「素敵な習慣」を探すことも旅の楽しみ方の一つです。そうして持ち帰った習慣が、日常の中で旅の思い出を蘇らせ、心を温かくしてくれるかもしれません。

旅で出会った小さな宝物が、あなたの暮らしを少しずつ変えていく。その喜びを、ぜひ体験してみてください。

All photos by Yuka Chiba

ライター

旅と料理が好きな26歳。化粧品会社のweb・アプリ担当として3年間働いた後、ゼロ日婚をした夫と2人でニュージーランドにてワーキングホリデー生活を送る。"自分と大切な人の幸せを第一に、自分でデザインした人生を、楽しく生きる人を増やす" べく、パートナーシップ・旅・料理などを発信。

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