ライター

旅と料理が好きな26歳。化粧品会社のweb・アプリ担当として3年間働いた後、ゼロ日婚をした夫と2人でニュージーランドにてワーキングホリデー生活を送る。"自分と大切な人の幸せを第一に、自分でデザインした人生を、楽しく生きる人を増やす" べく、パートナーシップ・旅・料理などを発信。

大学を卒業し、晴れて社会人になったものの、社会人1年目の夏は心がざわざわしていました。

学生時代は「卒業」というわかりやすいゴールがありましたが、社会に出た途端、それがなくなる。

「このままの日々があと40年も続くのか」

と思うと、漠然とした不安に襲われました。目の前の仕事は楽しく、やりがいを持って取り組んでいる一方で、「私はどこに向かって走ればいいんだろう?」という迷いもありました。

そんな時、ふとしたきっかけで、出会った宿がありました。

高校時代の友人が地域おこし協力隊として島根で暮らしており、同期たちと一緒に彼女を訪ねることにしたのです。そんな彼女が連れて行ってくれたのが広島県にある「うみとき」というゲストハウスでした。

この「うみとき」との出会いが、私の人生を大きく変えるきっかけとなったのです。

初めてのゲストハウス、「うみとき」との出会い

島根の山から島根の山から眺めた景色
島根で楽しい時間を過ごした後、友人が「みんなを連れていきたい場所がある」と。

連れて行ってくれた先は、広島のゲストハウス「うみとき」。友人の知り合いが始めた場所で、私たちが訪れたときは正式なオープン前。オーナーの知り合いや、その知り合いが集まる場となっており、他にも2グループのゲストが参加していました。

その日はみんなでBBQ。初対面の人たちと一緒に火を囲みながら過ごす時間がとても新鮮で、楽しかったのを覚えています。普段の生活では関わる人が限られている中で、旅先では全く違う価値観やライフスタイルを持つ人たちと自然に交わることができる。この心地よさに、初めて触れた瞬間でした。

さらに驚いたのが、オーナーを含むその場にいた3人と、私の会社の同期が知り合いだったこと。世界は狭い――そんな言葉を実感したのが、この場所でした。

■詳細情報
・名称:シェアヴィラ うみとき
・住所:広島県竹原市忠海床浦1丁目12−24
・地図:
・アクセス:JR呉線 忠海駅 徒歩11分
・公式Instagram:umitoki_sharevilla

料理会と「うみときコミュニティ」の広がり

BBQ中、私は料理が好きであることを話したところ、オーナーから「ここに来たことがあるドミニカ共和国人・ドイツ人・日本人が、東京で料理会をやってるよ。今度参加してみたら?」と勧められました。

その料理会メンバーと、先述した私の会社同期が知り合いだと聞き、帰京後早速足を運んでみることに。

料理会料理会でみんなで作った料理
中学生の頃から料理が好きでしたが、こうして「一緒に料理すること」を目的に集まるのは初めて。

みんなで食材の買い出しをして、いろんな話をしながら料理をし、共に食卓を囲む時間がとても楽しかったです!

その後、私はこの料理会のメンバーと月1回のペースで集まるようになりました。時間や経験を共有し、いろんな話をするうちに、段々と彼らとの絆が深まります。

インドネシア料理途中からは特定の国の料理をするように。このときはインドネシア!
一緒に「うみとき」を再訪したり、山梨のAirbnbを借りて、自然を感じる旅をしたり。私の中で旅の概念が「ただの観光」から「人と過ごす特別な時間」に変わり始めたのです。

1年間で6回訪れた「うみとき」

初めてのBBQからわずか1年間で、私は東京に住みながら、広島にある「うみとき」を6回も訪れることになります。それは単に場所が気に入っただけではなく、オーナーが次々と企画してくれるユニークなイベントに惹かれたからです。

例えば、5月のGWには竹を切り出してきて、みんなで手作りの流しそうめんを楽しみました。竹を割るところから始める準備の本格さに、大人たちみんなで夢中になりました。完成した流しそうめんを囲み、初夏の心地よい気候の中、竹のコップで日本酒を飲む。夏休みを先取りしているような最高の時間でした。

流しそうめん流しそうめんを準備から全部やったのは初めて!
また別の時には、海辺で大人が本気で挑む運動会を開催。チームに分かれて玉入れやスイカ割り、水鉄砲合戦などをして、砂まみれになりながら全力で遊びました。大人になってもこんなに全力ではしゃげる仲間ができたことが、嬉しくてたまりませんでした。

スイカ割りきれいに割れたスイカ!みんなで美味しくいただきました。
料理好きな私たちのために、オーナーが1日限定の出店機会を設けてくれたこともありました。自分たちが作った料理を販売するという体験はとても新鮮でした。お客さんに「美味しい!」と言われた時の嬉しさと、自分たちで店を切り盛りする楽しさは格別です。文化祭のような時間でした。

オーナーがこうして様々なイベントを企画し、訪れるたびに「次もまた来たい」と思わせてくれることが、「うみとき」の特別さでした。旅先のゲストハウスというよりも、第二の故郷のように感じられる場所。それが、「うみとき」だったのです。

人を訪ねる旅の広がり

「うみときコミュニティ」の中には、日本一周をしているペアもいました。その二人に会いに、みんなで北海道や沖縄を訪れる旅もしました。

サプライズ誕生日祝い本人には内緒で、みんなで北海道へ。「みんななんでいるの!?」と驚いてもらえた!
人を訪ねる旅――そんな旅のスタイルも、私にとって新鮮でした。

その頃には、私の中で「旅=新しい出会いと再会を楽しむもの」になっていました。仕事に疲れたら週末に料理会へ。新しい仲間ができたら一緒に旅をする。日々の暮らしと旅が、自然と繋がっていったのです。

思わぬプロポーズと「うみとき」での結婚式

そんな「うみとき」との出会いから約1年後の夏、料理会メンバーの一人だった5歳年上の男性から突然プロポーズを受けます。彼には一度告白して振られた過去があったので驚きましたが、彼との未来にはワクワクしかない!

その場で結婚を決めました。ゼロ日婚です。

ビーチでウェディングフォトPhoto by Q
結婚式は「うみとき」と、近くの廃校になった小学校を舞台に、手作りで行いました。これはオーナーをはじめ、参加者のみんなが全面的に協力してくれたおかげです。一生忘れられない、素敵な思い出ができました!

学校で結婚式Photo by Q
その後、新婚旅行もコミュニティメンバーと一緒に8人で行きました。

旅が教えてくれた人生の楽しみ方

ただの東京に住むサラリーマンだった私は、広島の「うみとき」との出会いをきっかけに、旅の魅力に目覚めました。

「見知らぬ土地に行く」だけではなく、「一緒に旅して楽しい人たち」と過ごす時間そのものが、旅を特別なものにしてくれたのです。

堤防から見た洞窟海に突き出た堤防から、洞窟を見る。お気に入りの景色。
何気ない一つの出会いが、人生を大きく変えてくれることがあります。それが旅の中で起きた時、思いもよらない場所で新しい自分に出会えるのかもしれません。

旅が人生を変えられるかは分かりません。ただ、人生を変える出会いを運んでくれるーーその可能性が、旅にはあります。

あなたも、そんな旅に出てみませんか?

Photos by Yuka Chiba

ライター

旅と料理が好きな26歳。化粧品会社のweb・アプリ担当として3年間働いた後、ゼロ日婚をした夫と2人でニュージーランドにてワーキングホリデー生活を送る。"自分と大切な人の幸せを第一に、自分でデザインした人生を、楽しく生きる人を増やす" べく、パートナーシップ・旅・料理などを発信。

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