こんにちは、TABIPPO編集部です。2020年9月14日(月)から2020年10月12日(月)まで「#私たちは旅をやめられない」コンテストを実施しています。
応募媒体は「note」。指定の#タグと共に、自由な表現で “海外への旅” への思いを投稿いただくコンテストです。
同時に、クリエイターによる作品とコンテストの受賞作を掲載する特集もスタート。様々な表現での、それぞれの思いをぜひご覧ください。
今回は、デザイナーとして社内外で活動をしているTABIPPOメンバー、nanaの作品をご紹介します。
*****
豊洲のショッピングモールのとあるお店で大きく引き延ばされたモノクロ写真が目に入った。ただの広い公園に植わった木の写真が、なんだか妙にわたしを釘付けにして次の旅先が決まった。
いつかこの場所へ行きたい。そうぼんやり思ったことは数え切れないほどある。だけど「ここに行こう」、そう決めてすぐにその地に立った旅ははじめてだった。
あの時何がわたしを突き動かしたんだろう。旅の魅力は多くあるけど、わたしが思う一番の魅力は、自分さえ知らなかった自分に出会える瞬間があること。常に「わたし」が新しくなっていく気がする、だから旅はやめられない。
海沿いではローラスケートを履いた夫婦がベビーカーを押しながら滑り過ぎていく。海パンで自転車を漕ぐ白髪のおじいちゃんの自転車のベルはハンバーガーの形で、短めのトップスにショーパンの女の子はみんなVANSのスニーカーを素足で履いている。
夜を越えて辿り着いたこの場所はイメージ通りで、いやイメージを越えてやっぱり自由な国、アメリカだった。
10日間くらいのんびりとロサンゼルスから車で旅をした。ただひたすらに呼吸をするようにファインダーを覗いてはシャッターを切る。わたしたちの旅はいつだってカメラを片手に今この時感じた感情を互いに焼き付ける。
そんな旅のスタイルがいつの間にか、わたしたちの旅そのものになっている。
10日間の時間の中でのんびりと旅をした。アメリカで最も気温が高く乾燥した場所と言われているデスバレー国立公園では、食べていたパンが乾燥ですぐにラスクになってしまったり、砂漠で沈む太陽とのぼる月を同時にみたり。
写真をきっかけに訪れたジョシュアツリー国立公園では、周り切れないほど広い敷地内でサボテン畑や不思議な形の木を見て、そして夜はのんびりこの世界の中に溶け込むようにキャンプをして。
何かを想い信じる気持ちはどこかの誰かを魅了することを知ったり。
この地球にはまだ見たことのない景色や経験したことのないことが数えきれないほどあって、ほんのちょぴりそんなことに巡り合うだけでもわたしの人生にぱらぱらっと魔法のようなスパイスを振りかけてくれる。
そんな何気ない発見に気づける旅の時間をこれからも人生の中に刻んでいきたい。例え、世界が今までの常識を超えて違う形になろうとも、考え立ち止まることも、新しい形で前へ進むことも、わたしたちはちゃんと選択できることを忘れたくない。
この地に次降り立ったら、また同じようにカメラを片手にんびりとまっすぐな道を車で旅したい。変化といえば次はきっとわたしが自分で車を運転できるようになっていること。きっと見える世界が少しずつまた変わる旅になるのかな。
どこにいてもいつを生きても、今日も、好きな今日を生きていきたい。
*****
「#私たちは旅をやめられない」特集でその他の作品も掲載中!
「#私たちは旅をやめられない」特集では、コンテストの概要、旅を愛するクリエイターの作品、TABIPPOメンバーの作品、そしてコンテストの受賞作を、継続的に公開していきます。
受賞作の発表までは、様々な表現の作品を掲載していきますので、ぜひ応募の参考にしてくださいね。コンテスト概要はこちら。