ライター
グワカモレ 脱サラからの世界半周

「20代最後に色んな国に行きたい!」と脱サラして世界半周の旅にでたアラサー女子。元PR会社勤務。旅のテーマ「現地の人の生活を覗き見する」の名のもとに、できるだけホームステイや居候をしながら旅をしています。 累計訪問ヵ国は約30。特に好きな地域はラテンアメリカと中央アジア

ヨーロッパの食のデパート「ビジャ・ヘネラル・ベルグラーノ」


photo by グワカモレ

続いてご紹介するのは、コルドバ市からバスで一時間半ほどで行ける「ビジャ・ヘネラル・ベルグラーノ(Villa General Belgrano)」。こちらも山あいの美しい村ですが、人口は約6,000人程度と少し規模は大きめです。

ここはヨーロッパ?ドイツ風の街並みがかわいい!


photo by グワカモレ

この村に来てまず思うことは「ここはヨーロッパ?」。街を歩いて目に入るのは、バイエルン様式と呼ばれる三角屋根のドイツ風な建物ばかり。また、地元住民もどことなくゲルマン風な顔立ちが目立ちます。

それもそのはず、この村は1930年に2人のドイツ人投機家によって設立され、その後アルゼンチンにやってきたドイツ、スイス、イタリア、オーストリアなどのヨーロッパ移民によって開拓、発展を遂げた村なのです。

建物だけでなく、公園や店の看板などもすべてドイツ風に統一されていて、街歩きしているだけで、そのかわいらしくも不思議な雰囲気に気分が上がります。

クラフトビール天国!オクトーバーフェスも大人気

photo by shutterstock

そんなドイツ村なビジャ・ヘネラル・ベルグラーノ最大の魅力は、美味しいクラフトビール!村のあちこちにクラフトビール工房があり、様々な種類のクラフトビールを楽しめます。

ちなみに、毎年秋に開かれる「オクトーバーフェス」は、ドイツのミュンヘン、ブラジルのブルメナウに次ぐ、世界で3番目の規模なんだとか。

村のメインストリート「サン・マルティン通り(Avenida San Martín )」には、クラフトビールとドイツ料理を提供するレストランが何軒も軒を連ねています。中でも、ミュンヘン風ドイツ料理の店「ビエホ・ミュニック(Viejo Munich)」は人気が高く、「サン・マルティン通り」に2ヵ所もお店を構えるほど。本場仕込みのソーセージをつまみに、昼間から美味しいクラフトビールで乾杯できるなんて、まさに天国!

■詳細情報
・名称:ビエホ・ミュニック(Viejo Munich)
・住所: Av. San Martín 362, Villa Gral. Belgrano, Córdoba
・地図:
・アクセス:バスターミナル徒歩5分
・営業時間:10:30~15:00、18:00~24:00
・定休日:なし
・電話番号:+54 3546 46-3122
・公式サイトURL:http://www.cervezaartesanal.com/

ビールだけじゃない!ヨーロッパの美味しいグルメが大集結


photo by グワカモレ

この村のもう一つ素晴らしいところは、ドイツ料理やビール以外にもさまざまなヨーロッパのグルメが食べられること。

ドイツの他に、スイス、イタリア、オーストリアなどの移民によって構成されるこの村では、スイスやオーストリアのチョコレート、イタリアやスイスで名物のジェラート・アイスクリーム、イタリアの絶品パスタやピザなど、各国自慢のグルメを、本場さながらのクオリティーで楽しめる、まさにヨーロッパの食のデパートです。

筆者のお気に入りは、スイス風アイスクリームショップの「エラデリア・スイサ(Heladería Suiza)」。酪農大国スイス仕込みの濃厚な味は、今でもたまに思い出してはよだれが出るほど……。

■詳細情報
・名称: エラデリア・スイサ(Heladería Suiza)
・住所: Av. Julio Argentino Roca 11, X5194 Villa Gral. Belgrano, Córdoba
・地図:
・アクセス:バスターミナル徒歩5分
・営業時間:11:00~24:00
・定休日:なし

車は通行禁止!静寂に包まれた癒しの村「ラ・クンブレシータ」


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最後にご紹介するのは、前出のビジャ・ヘネラル・ベルグラーノから、さらにバスで一時間ほど離れた「ラ・クンブレシータ(La Cumbrecita)」。標高約1,500メートルの山の上に位置する、人口たった200人程度の小さな小さな村です。

車は一切NG!とにかく静かな癒しの村


photo by グワカモレ

「おとぎ話で、主人公が森をさまよっていると突如現れる不思議な村」を例えるとしたら、ラ・クンブレシータはぴったりの場所です。

自然豊かな山の中にひっそりと佇むこの村の一番の特徴は、その静けさ。それもそのはず、村の中では車は一切通行禁止、歩行者もしくは馬しか通れないのです。

ビジャ・ヘネラル・ベルグラーノと同様、ヨーロッパの移民によって開拓されたこの村の街並みもまたドイツ風。かわいらしい建物や美しい自然、そして、穏やかな静けさが共存するこの村を訪れるアルゼンチン人旅行者は、皆「都会から逃げて、癒しを求めてやってきたんだ」と口を揃えていました。

山、滝、川、湖。全てそろった自然遊びの宝庫

そんな静けさが魅力のラ・クンブレシータですが、実は、アクティブに遊びたい人にももってこいの旅行先。山、川、滝、湖と、海以外のほぼ全ての自然がそろっていて、アウトドア好きなら何日間でも毎日遊んで過ごせるほど。しかも、その全てが村の中心部から徒歩圏内で、初心者でも楽しめる低難度のトレッキングコースも豊富という好条件です。

例えば、冷たい滝つぼで泳いで遊べる「グランデ滝(Cascada Grande)」は、村の中心部からたった20分程度で歩いて行けます。


photo by グワカモレ
また、コルドバ山脈の美しい景色を眺められる展望スポット「インディオ展望台(Mirador El Indio)」までも、20分程度のトレッキングで簡単にたどり着けます。


photo by グワカモレ
もちろん、半日~一日がかりで山頂を目指す本格的なトレッキングコースもあるので、上級者の皆さんもご安心を!

コルドバ市の各村へのアクセス

最後に、各村へのアクセスを簡単にご説明します。まずはコルドバ市バスターミナルへ。各村への唯一の公共移動手段はバスなので、どの村へ行く場合も、州都コルドバ市内にある以下の地図である「コルドバ市バスターミナル(Terminal de Ómnibus de Córdoba)」から出発します。

バスターミナルには、同じ敷地内に「旧ターミナル」と「新ターミナル」があります。旧ターミナルはブエノスアイレスなどコルドバ州以外への長距離路線専用で、新ターミナルはコルドバ州内の路線専用。したがって、今回ご紹介したコルドバ州の村へ向かう場合は、必ず新ターミナルへ行ってくださいね。

バスチケットの買い方


photo by グワカモレ

バスのチケットは、Busbudなどのバス予約サイトで、事前にオンライン購入もできますが、ターミナルで直接購入もできます。

ターミナルで購入する場合、まずは新ターミナルのチケット売り場へ。売り場には、何社ものバス会社のカウンターがずらりと並んでいて、各社名の脇などに、運航している路線の行き先が書かれています。行きたい村の名前が書かれているバス会社を見つけて、カウンターでチケットを購入し、指定された乗り場へ向かうだけでOKです。

料金の目安

バス料金の目安は以下の通り(2020年2月時点)。ただし、アルゼンチンではインフレ、およびペソの価値の下落が続いているので、価格が大きく変動する可能性もあります。

・コルドバ市からサン・マルコス・シエラへ:片道500~600アルゼンチンペソ(約830~1,170円)※1
・コルドバ市からビジャ・ヘネラル・ベルグラーノ:片道400~600アルゼンチンペソ(約670~1,000円)
・コルドバ市からラ・クンブレシータ:片道700~900アルゼンチンペソ(約1170~1,500円)※2

※1 サン・マルコス・シエラへの直行便は1日2本のみ。ただし、サン・マルコス・シエラから20分程離れた「クルス・デル・エヘ(Cruz del Eje)」経由のバスは頻繁に出ているのでそちらを利用することもできます。
※2 ラ・クンブレシータへは直行便はなく、必ずビジャ・ヘネラル・ベルグラーノを経由する必要があります。

アルゼンチン人が好むコルドバへ訪れよう

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海外ではあまり知られていないのに、アルゼンチン人には絶大な人気を誇るコルドバ州。その人気の秘密を探るため、今回は3つの村に潜入してきましたが、どの村も圧倒的に美しく不思議で、ユニーク。アルゼンチン人がこぞって訪れるのも納得の魅力に溢れていました!

アルゼンチン人のみぞ知る「ツウ」な旅先、コルドバの小さな村をぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。きっと有名観光地ではなかなか味わえないユニークな体験ができるはずです。

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グワカモレ 脱サラからの世界半周

「20代最後に色んな国に行きたい!」と脱サラして世界半周の旅にでたアラサー女子。元PR会社勤務。旅のテーマ「現地の人の生活を覗き見する」の名のもとに、できるだけホームステイや居候をしながら旅をしています。 累計訪問ヵ国は約30。特に好きな地域はラテンアメリカと中央アジア

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