(1)アクセントのないО(オー)は「アー」と読む
例 牛乳:молоко(マラコー)
思わず「モロコー」と読んでしまいますが、正しくは「マラコー」です。молокоは最後の「о」にアクセントがあります。アクセント以外のОは「アー」と発音するため、「MALAKO マラコー」になります。
例 ありがとう:спасибо(スパスィーバ)
ありがとうを意味するспасибоは「и」にアクセントがあるため、最後の「о」は「アー」と発音します。最終的に「スパスィーバ」となります。
(2)アクセントがなく、アクセントの前にある「Я」と「Е」は「イ」に近い発音をする
例 日本:Япония(イポー二ィヤ)
よく「ヤポーニィヤ」と発音する方がいますが、正しくは「イポー二ィヤ」となります。アクセントは「о」です。アクセントの「о」の前にある「Я」は「イ」に近い発音をし、一番後ろにある「я」は「ヤ」と発音します。
本当は他にもいくつか例外はありますが、とりあえずこのあたりで。もし、キリル文字に興味を持ち、ロシア語をはじめとするスラヴ言語を勉強しようと思ったら、単語のアクセントに位置に注意しましょう。
キリル文字を使っている国々の言葉は似ている?
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それではキリル文字を使っている国々の言葉、たとえばロシア語とセルビア語、ロシア語とモンゴル語は似ているのでしょうか。答えは半分「正解」で、半分「間違い」です。正確に書くならばスラヴ語族の国々の言葉はよく似ています。キリル文字使用国でスラヴ語族の国は以下のとおりです。
たとえば、ロシア語でワインを意味する「Вино ヴィノー」はセルビア語でも「Вино ヴィノー」となります。ちなみに、ラテン文字使用国でスラヴ語族のチェコやポーランドでもワインは「Vino ヴィノ」です。
つまり、スラヴ語圏のレストランで「ヴィノ」といえばワインが出てきます。もちろん、すべて同じではなくまったく違う単語もあります。
なおキリル文字は、政治に左右される文字でもあります。たとえば、カザフスタンではカザフ語の表記をキリル文字からラテン文字にすることが議論されています。一方、ロシアでは同国にある現地語はすべてキリル文字で表記することを命じた法律が存在します。
いずれにせよ、キリル文字が読めたらいろいろなことがわかるはず。みなさんも、ぜひチャレンジしてくださいね。