今回ご紹介するのはロンドンから日帰りで行くことのできる「セブン・シスターズ」。
名前だけ聞いてもどこだか想像がつかない人も多いかもしれませんが、実はさまざまな映画のロケ地になるほどのスポット。
この記事では、軽い気持ちで訪れたセブンシスターズで、心揺さぶられる絶景に出会った話を写真とともにご紹介します。
見出し
じつは多くの人が見たことがある場所!?
みなさんは、セブン・シスターズはご存知でしょうか?名前だけ聞いても知らない人も多いかと思います。
じつは私もセブン・シスターズを知ったのは、わりと最近のこと。
初めてSNSで写真を見た時の感想は「めっちゃ良さげ!」と同時に「どこかで見たことある気がする……」というもの。
それもそのはず。あの有名な映画『ハリーポッターと炎のゴブレット』の舞台になっている場所だったのです。クィディッチの世界大会をへ行く際、ポートキーの到着地点として出てきた場所です。
ほかにも、映画『ロビン・フッド』や、英国アカデミー賞などを受賞をした『つぐない(原題:Atonement)』など、映画の舞台としてよく使われる場所なので、見たことある人も多いのではないでしょうか。
ロンドンからのアクセス方法
スタート地点のVictoria駅
雄大な景色が見られると人気のセブン・シスターズですが、じつはロンドンから日帰りで訪れることが可能。
いくつか行き方はあるのですが、私の行った方法はイーストボーン経由。
まずはロンドンのVictoria駅へ。各所からバスや地下鉄でアクセス可能でとっても便利な駅です。ここから電車でEastbourne駅へ向かいます。
電車のチケットは事前購入が便利で安心。英語に不安がある人は「omio」というサイトであれば日本語で予約ができます。他にも「thameslink」や「Trainline」などからも予約可能。
とっても快適だった電車
電車内はかなり快適で、Wi-Fi・コンセント完備。揺れもあまりなく、あっという間に最初の目的地、Eastbourne駅に到着しました。
ちなみにトイレは改札を出る前に済ませましょう。改札を出てしまうと、なかなか公衆のトイレに巡り会えません……。
ここから12番(12Aか12X)バスに乗って「East Dean Garage」もしくは「Seven Sisters Park Centre」まで向かいます。イギリスはGoogleマップの乗換案内が機能しているので、目的地を設定して検索しておくと安心です。どちらのバス停に行くかは、それぞれの歩きたいルートに合わせて決めてくださいね。
私が歩いた、セブン・シスターズが漫喫できるルートは後述しますので、参考にしてみてください。
12番バスからの景色
余談ですが、この12番バスから見える景色がすでに最高!ぜひ窓側を確保して道中の景色も楽しんでくださいね。
ただ歩くだけで感動する、絶景の眺め
途中で出会った女子4人組
当初わたしは「ビューポイントから眺められれば満足するかな」と思っていたのですが、このセブン・シスターズの上を歩くことこそが、この絶景を体感できるのだと感じました。
この記事を読んでいるみなさんも、体力がある方はぜひセブン・シスターズの上を歩いてみてください。
急ぐ必要はありません。ゆっくり、途中休憩しながらも、その絶景を楽しんでほしいと思います。
ただ座ってボーッとする時間さえ最高でした
どうしてこんな不思議な地形ができたのか、セブン・シスターズを眺めながら想像をするのも楽しいですし、芝生に寝っ転がり鳥の鳴き声や波の音を聞いたり、休憩がてら絶景をスパイスに軽食を食べるのも良いでしょう。
ゆったりとした時間が流れる場所で過ごす時間は、都会の喧騒から離れて心が開放される感覚がありました。
すれ違った人たちと「Hello」と挨拶をし、たまに「あっちの景色、めっちゃ最高だったよ」なんて会話を交わしたり。
カックミア川に近い側のセブン・シスター上では、カップルが何組もシートを敷いて、お昼寝デートを楽しんでいました。
セブン・シスターズ上を横断することはせず、ここでゆっくりとした時間を恋人と楽しんでいるのでしょう。こういうセブン・シスターズの楽しみ方も良いですねぇ。
ルートは様々、それぞれの体力に合わせてルート選びを
セブンシスターズを楽しむルートは様々です。それぞれの体力に合わせてルート選びをしてくださいね。以下に抜粋して4つ、私の考えたルートをご紹介します。
①初級|間近でセブン・シスターズを見られるBirling Gapへ
Birling Gapからの景色
1つ目に紹介するのが、体力にあまり自信のない初心者向けのコース。
スタート地点は「East Dean Garage」バス停。ここから南にまっすぐ歩いていきます。距離はややありますが、起伏はそこまで無いので初心者でも安心です。
ゴール地点は「Birling Gap」というビューポイント。ここへ直接行くバスもありますし、駐車場があるので車でのアクセスも可能なのですが、「East Dean Garage」バス停からビューポイントへ行くまでの道中が最高に良いので、ぜひその景色も楽しみながら歩いてみて欲しいですね。
バス停からBirling Gapへの道中
道中に建ち並ぶ家がとっても可愛く、緑で溢れるなかで鳥が鳴いていたり、放牧されている羊にも出会えたりと、この道を歩きながら「わたしイギリス好き!」と心の中で叫んでいました。
ゴール地点の「Birling Gap」からは、間近にセブン・シスターズの絶景を見ることができます。海辺に降りることもできるので、迫力満点のセブン・シスターズを見たい人にもオススメですよ。
ルート①
②中級|セブン・シスターズの全景を見渡す西側ルート
2つ目に紹介するのが、体力に自信があるわけでは無いけど軽くハイクしたい人向けのルート。
セブン・シスターズのうえをハイクせず、遠くからセブン・シスターズの雄大な姿を眺められるスポットへ行くルートです。
スタート地点はセブン・シスターズのビジターセンター。「Seven Sisters Park Centre」というバス停があるので、バスでのアクセスが可能。近くに駐車場もあるので、車で訪れる人も安心です。
ここから西に進み、橋を渡るとT字路に当たりますので、そこを左折します。その後はずっと道なりにまっすぐ歩くだけ。丘の上に上がるために最後少し上り坂になりますが、体力に自信がない人でも絶景スポットに辿り着けるルートでイチオシです。
個人的には、ここから見たセブンシスターズが1番好きです。
ルート②
③上級|セブン・シスターズ上をハイク
3つ目に紹介するのはセブン・シスターズの上をハイクするルート。
先に紹介した、芝生の上で寝っ転がったり、鳥のさえずりを聞きながらゆっくりしたり、セブン・シスターズを体感できます。体力が人並みにあり、時間のある人はぜひ歩いてほしいルートがこちら。
まず、前述①のルートを歩いて「Birling Gap」へ行きます。駐車場手前で右に入る道を進みます。しばらくすると分かれ道があるので、そこを左に進めばセブン・シスターズのエッジに近づきます。
そこからはひたすら真っ直ぐの道を歩くだけ。目の前に広がる広大な海と、自然が作りだした絶景を見ながら歩く芝の道はとても清々しく気持ちのいい道のり。その美しい景色と開放感に思わず涙が出そうになりました。
振り返っても絶景が広がっていました
セブン・シスターズの西端に着いたらカックミア川に沿って北上し、ビジターセンターがゴールとなります。イーストボーンの中心部へはここから12番のバスで戻ることができます。
ビジターセンターをスタート地点にし、逆方向に歩くルートでもOK。実際には私と逆方向のルートを歩く人が多い印象でした。
ルート③
④上級|セブン・シスターズ大満足ルート
時間があり、体力もある人にオススメなのが、②と③を両方歩くルート。私は③のルートを歩いた後、②のルートを歩きました。
結構ハードなルートですが、セブン・シスターズを様々な角度から見ることのできるルートで、セブン・シスターズを最も満喫できるルートです。
最後はビジターセンターに戻り、カフェで一息ついて疲れを取ってから、12番のバスでイーストボーンへ戻ります。
ルート④
ついでに寄りたい隣町・イーストボーン
セブン・シスターズまで来たのなら、ロンドンへ戻る前に隣町のイーストボーンも寄ってみましょう。
イギリス有数のリゾート地として知られており、それでいて落ち着いた雰囲気のある町です。
駅前は映画館のような施設があって栄えていますが、バスに乗って少し移動するとガラリと雰囲気が変わり、とても落ち着いた雰囲気に。
たまたまかもしれませんが、イーストボーンで訪れたファストフードやカフェの店員さん、道端で出会った地元の人など、ロンドンなどの都心に比べて人々の心に余裕があるように感じ、みんな親切で接客も丁寧だったのが印象的でした。
セブン・シスターズの帰りに時間があって体力が残っていれば、ぜひイーストボーンも楽しんでみてくださいね。
ロンドンから寄り道をして想像を超える絶景旅を
セブン・シスターズはいかがでしたか。その絶景を伝えたく写真多めでお送りしましたが、それでも実際に見るのと写真で見るのとは違うものです。
「2回目のロンドン、もう行くとこないなぁ。気になってる場所だしちょっと足を伸ばしてみるか〜」と、軽い気持ちで訪れたセブン・シスターズでしたが、私にとっては、久しぶりに心が揺さぶられるような絶景に出会った体験でした。
セブン・シスターズを訪れる際は、できるだけ天気が良い日を狙うと良いでしょう。
ロンドンから日帰りで訪れることのできる場所ですので、ロンドン滞在の際はぜひ訪れてみてくださいね。きっと想像を超える絶景に出会えるはずです。
All photos by Keiko Kawanami