photo by KM777
登り切ったら、終わりでありませんでした。今度は、深い谷を眼下に見ながら岩肌にへばりつくよう回り込みます。
足を滑らせたら即死です。目の高さをコンドルが飛んでいて、高所恐怖症の方は絶対やめておいたほうがいいでしょう。
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洞窟のような部分にたどり着くと、扉があり、修道士がカギを開けました。これが教会のようです。
自然の洞窟を利用して内部が礼拝所になっているます。教会は6世紀にできましたが、美しい天井の壁画は15世紀のものだそうです。
なぜこんな崖の上に教会を?
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頻出の質問のようで、ガイドは答えを用意していました。
1)俗世を離れた環境で修行に専念するため。
2)天に近く神聖な場所と考えられるため。
あえて俗世を離れて修行に励んだ高野山や比叡山の修行僧に通じるものがあると思いました。
ガイドによると、日曜日にはミサがここで行われ、近隣からは多くの人(老人含む)がこの断崖を上ってやってくるということです。
ダニエル・コルコル教会 マリアム・コルコル教会
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バナナとパンでランチを取り、近くの別の岩窟教会に上ります。
アブネ教会よりも長く険しい道のりでしたが、手指を入れながらロッククライミングする必要はなく、ヘルパーも時々私の手を取るくらいでした。
Daniel Korkor教会から下界を見下ろすと(不謹慎ながら)神様になった気分です。Mariam Korkor教会はこの近辺では一番古く4世紀からあり、アクスムの「シオンのマリア教会」にあるといわれるアーク(契約の箱)の複製(レプリカ)が保管されているそうです。
Debre Damo デブレダモ修道院
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デブレダモ修道院は主要道路から離れた山道を車でさらに1時間くらい行ったところにあります。敵国=エリトリアの国境にほど近いため、兵士がたくさんパトロールしていました。
私たちの車は貸し切りのツアー車でしたが、運転手が「乗せてあげていいか」というのでOKしました。すると、7-8人の兵士が乗り込んできました。
乗せてくれる車がない日は20kmくらい歩くこともあるそうです。ライフルや地雷探知の機材を持っています。
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デブレダモは上り始めて間もなく絶壁の岩に達します。遠目からも、勝負ポイントがはっきりわかる巨大な絶壁で、高さにして20mくらいでしょうか。
いくら修行目的云々だとしても、なんでもなんだってこんな崖の上に修道院を作ってしまうのでしょうか。
グッドニュースとしては、こちらには命綱がありました。地元の人たちは命綱なしで上っていましたが、白い命綱を腰に巻き付けるところまで、ヘルパーが手伝ってくれます。
藁のロープを手繰りながら上に登るのですが、腕力がないせいかなかなか登れません。
ヘルパーは上にも待機していて、命綱を引っ張り上げてくれます。だいぶ助けてもらい、何とか崖の上までたどり着きました。ヘルプのチップは50ブルでした。
崖の上の教会は、外壁の丁寧な石積みとレンガ・木の調和ががシックで美しく、わざわざここまで来てよかったという報われた気分になります。