ライター
清澤 一輝 クリエイター

学生時代にバックパックひとつで、世界を西回りにぐるりと一周。日本にいた頃は英語も喋れず、今まで”ひとり旅”もしたことがなく「世界一周」がはじめてのひとり旅。人生において1番大切なことは「行動」し、「経験」することだと信じている経験主義者。好きな飲み物はチャイ。

しかし、このときの僕は絶望どころか、その大きさと自分が遭遇したギャグマンガのような展開に、ゲラゲラと笑っていました。そこには、汚すぎるが故の清々しい奇妙な空間が存在しました。この経験があり、僕にとっての「汚い」と思うハードルはかなり高くなってしまいました。

 

突然ですが、みなさん「ガンジス河でバタフライ」という小説をご存知でしょうか。タイ、カンボジア、ラオス、インド。僕は「ガンジス河でバタフライ」片手にこの4カ国を旅しました。いつしか僕は、実際にガンジス河でバタフライをしてみたいと思うようになりました。

 

ガンジス河とは

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photo by Kazuki Kiyosawa

ヒンドゥー教徒の聖地”バラナシ”。そこに全長2,525kmにもなる”聖なる河”ガンジス河が流れています。毎朝、日の出には多くの人々がこの場に訪れ、祈り、”沐浴”をし「罪」を洗い流します。昼になれば、洗濯をする者、体を洗う者、用を足す者、子供達も河の中で遊だりと、生活の中心でもあるのです。

 

しかし、その隣の火葬場では、亡くなった人を燃やし「水葬」…つまり灰をガンジス河へと流します。ヒンドゥー教徒にとって「死にそして、自分の灰が聖なる河に流されることが1番の幸せ」なのです。

「生」と「死」がごっちゃになっているこの場所は、インド全土で最も聖なる場所。世界一汚くて、世界一きれいな河、ガンジス河。訪れた旅行者は、そのドブ川のような悪臭に世界一汚い川だと思う。街の下水、屍体、いろいろなものが流れてきます。

 

ついに「ガンジス河でバタフライ」

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photo by Kazuki Kiyosawa

雑菌、ばい菌、細菌、「菌」とつくものはだいたい流れているんじゃないか?と思うほど汚いので、体調崩す人が非常に多いガンジス河。免疫のない日本人の70〜80%の人が体調を崩すそうです。

なんと、あのスティーブ・ジョブズもインドを旅した時に苦しめられた赤痢(せきり)にも感染する危険性があるとか…。「ガンジス河でバタフライ」では、作者のたかのてるこさんのお兄さん。破傷風でひと月入院したそうです。

 

ヒンドゥー教では、5歳以下の子供、妊婦、事故死、自殺してしまった人、蛇に噛まれた人(蛇はシヴァのペット)は、火葬せずガンジス河に流します。そんな水死体も浮いている、3人に1人が高熱/嘔吐を起こす世界で3番以内に汚い河。

そんなことを知っていても、してみたかったバタフライ!たかのてるこさん。あなたのメッセージは、”今”を旅する若者にもしっかり届いてます。

 

そこには、自分自身、日本にいた頃“潔癖症”だった事実さえ疑うような僕がいました。次、あの場所に行ったら絶対に出来ないかなと思います。汚すぎて“今の等身大のぼく”にしか出来ないこと。潔癖症がだんだんと色あせ、味や渋みが出て、終いには世界一汚いガンジス河で泳げる旅人にまで成長してきました。

「過去の自分」が「今の自分」を作ったように、「今の自分」が「未来の自分」を作るなら、「いま」…この一瞬は、“輝かしい未来の自分”の材料であり、素材であると思います。だったら、「いま」を全力投球するのみ。若者である僕らは、突き進むのみかなと感じます。

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photo by Kazuki Kiyosawa

潔癖症だって、試験やスポーツの結果だって、なんだって、明日、明後日じゃ変わりません。「人生」って「グラデーション」なんです。隣同士の色はあまり変わらないけど、ふと一歩離れたところから眺めてみると、色の変化は一目瞭然。色は必ず変化しています。

僕たちは必ず成長しているのです。大切なのは「目標」に向かって歩こうと心がけること。

「心がける」というのは、少しずつでも前に進んでいる証拠なのかなと思います。以上が、僕の潔癖症が治り、ガンジス河でバタフライしてみて気付いたことです!「今」を精一杯生きましょう!

ライター
清澤 一輝 クリエイター

学生時代にバックパックひとつで、世界を西回りにぐるりと一周。日本にいた頃は英語も喋れず、今まで”ひとり旅”もしたことがなく「世界一周」がはじめてのひとり旅。人生において1番大切なことは「行動」し、「経験」することだと信じている経験主義者。好きな飲み物はチャイ。

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